千手観音 ― 無限の慈悲を象る尊像

千手観音 ― 無限の慈悲を象る尊像

観音菩薩は衆生を救う慈悲の仏として広く信仰されています。その中でも千手観音は、無数の手を備え、あらゆる人々の苦しみに応える力を象徴する特別なお姿です。

実際に彫られる像では千本すべての手を表現するのは困難なため、42本の手で表されるのが一般的です。それぞれの手は二十五有（衆生が迷い住む世界）を救済するとされ、合計すれば「千手」の功徳となります。合掌した中心の二手は「衆生を受け止める慈悲の心」、周囲に広がる多くの手は「どこへでも差し伸べられる救いの力」を表現しています。

また、千手観音は十一面観音と同じく、頭上に多くの面を持ち、あらゆる方向から衆生を見守るお姿でも知られます。苦しみを見逃さない「智慧」と、即座に救いの手を差し伸べる「慈悲」が一体となった尊像です。

ご家庭にお祀りする千手観音像は、日々の祈りの中で「悩みや迷いを取り除き、心を安らぎへ導いてくださる存在」として多くの方に親しまれています。穏やかな表情と、慈しみに満ちた姿は、見る人に安心感を与え、自然と手を合わせたくなるものです。

[太字「千の手は、千の願いを叶える」[/太字]
その象徴的な姿は、現代に生きる私たちの心に寄り添い、日々の生活にやすらぎをもたらしてくれるでしょう。



本像は、やさしい光沢を持つ**桧材（ひのきざい）**を用いて丁寧に彫り上げた一体です。
桧は古来より神仏彫刻に用いられてきた高貴な木材で、清浄な香りと耐久性に優れ、仏像にふさわしい素材とされています。繊細な彫り込みによって表された蓮華台や御手の造形は、職人の高度な技術と信仰心の結晶といえるでしょう。

ご家庭のご本尊としてはもちろん、ご先祖への祈りや日々の安らぎを願う心の拠りどころとしてもふさわしいお姿です。静かに佇む千手観音像は、見る人に安心感を与え、自然と手を合わせたくなる存在となります。

無限の慈悲をかたちにした千手観音像。
日々の暮らしの中に、やすらぎと祈りのひとときをお迎えください。