仏像のあるくらし 馬頭観音
四天王 ― 世界を守護する四方の守護神
仏教における「四天王(してんのう)」は、須弥山を中心とする世界を護る守護神です。東西南北をそれぞれ司り、常に仏法を守護する存在として、古来より寺院や伽藍の要所に安置されてきました。
四天王の起源
四天王の起源はインドの神々にさかのぼります。仏教に取り入れられたのち、中国・朝鮮を経て日本に伝わり、武将のように甲冑をまとった姿へと造形が変化しました。日本では奈良の東大寺戒壇院や興福寺、京都の東寺など、四天王像の名品が数多く残されています。
四天王の構成
それぞれの天王には方位・持物・役割が定められています。
・東方 持国天(じこくてん)
国を護り、音楽を奏でて仏法を守る。剣や宝剣を持つ姿が多い。
・南方 増長天(ぞうちょうてん)
成長と繁栄をつかさどり、仏法を広める役割。戟(ほこ)や宝棒を持つ。
・西方 広目天(こうもくてん)
広く物事を見通す智慧の天王。巻物や筆を持つ姿で表される。
・北方 多聞天(たもんてん)
別名「毘沙門天」。財宝を守り、福徳を授ける存在。宝塔や宝棒を手にする。
伽藍を守る存在
寺院建築において、四天王は特に重要な位置を占めます。たとえば奈良・東大寺戒壇院では、四方を四天王像で固めることで「仏法の堅固さ」を象徴しています。参詣者はその厳しい姿に圧倒されながらも、守られている安心感を覚えるのです。
信仰と庶民との結びつき
四天王信仰は、国家安泰や戦勝祈願と結びつき、奈良時代から武士に篤く信仰されました。とりわけ多聞天(毘沙門天)は単独で祀られることも多く、福徳神としても親しまれています。
✦ 守護の力を身近に。ご家庭に安らぎをもたらす桧の四天王像。
今回ご紹介するのは、桧材で丁寧に彫り上げられた総丈15㎝の四天王像です。清々しい桧の香りと木目の美しさ、そして凛としたお姿が調和し、力強い存在感を放ちます。
・東方持国天 ― 仏法を守り、平安をもたらす
・南方増長天 ― 成長と繁栄を授ける
・西方広目天 ― 智慧をもって見通す
・北方多聞天(毘沙門天) ― 財福と勝利をもたらす
いずれも邪鬼を踏みしめ、災いを退ける厳しい姿。その表情は「恐ろしさ」ではなく「守られている安心感」を与えてくれます。
ご家庭にお迎えする意義
四天王像は、お仏壇や書斎、玄関などに安置すれば「魔を祓い、家を護る守護神」として心強い存在となります。高さ15㎝とコンパクトながら、四天王の威厳をしっかりと表現しており、日常の中に伝統と安心を添えてくれます。



