仏像のあるくらし 烏枢沙摩明王
日々の暮らしの中で、私たちは「きれい」「けがれ」といった感覚を自然に持っています。
それは単なる衛生感覚を超えて、心と体の清らかさを大切にする日本人の美意識とも言えるでしょう。
そんな「不浄を祓う」という祈りの象徴が、密教の明王「鳥枢沙摩明王(烏枢沙摩明王)」です。
鳥枢沙摩明王は、怒りの表情と炎をまとった姿で表される、忿怒(ふんぬ)の仏。
その姿は恐ろしさを感じさせながらも、私たちを守る慈悲に満ちています。
元々はインドの火神アグニに由来し、サンスクリット名「Ucchuṣma(ウッチュシュマ)」は、「燃え上がる者」という意味。
その名の通り、あらゆる不浄やけがれを業火で焼き尽くす存在として信仰されてきました。
「トイレの神様」としての信仰
「トイレの神様」としての信仰
日本では、特にトイレの守護神としての信仰が広く知られています。
古来より、トイレは「不浄の場所」とされ、清めの対象でした。
そこに祀られる鳥枢沙摩明王は、排泄という生きる営みに感謝し、心身を清浄に保つ存在として親しまれてきたのです。
また、産穢(さんえ)、死穢(しえ)など、人間の生と死にまつわる「けがれ」すら焼き払うとされ、仏教儀礼や修法でも重視される明王です。
現代に生きる浄化の力
現代に生きる浄化の力
近年では、心のけがれやストレス、環境の乱れなど、目に見えない「不浄」に悩む人が増えています。
そうした現代人にとって、鳥枢沙摩明王の存在は、心をリセットする炎の浄化力として再び注目されています。
「悪いものを燃やし、新しい自分に生まれ変わる」――
そんな再生への祈りをこめて、明王に手を合わせる方も少なくありません。
仏教には、怒りの表情でありながら深い慈悲を持つ仏が数多く登場します。
鳥枢沙摩明王もまた、私たちの不安や苦しみに寄り添い、すべてを浄化してくれる炎の守護神です。
私たちの心と暮らしに、少しでも清らかな風を運んでくれる――
そんな存在として、今なお篤く信仰されています。

怒りの姿で、あなたを守る――鳥枢沙摩明王
怒りの姿で、あなたを守る――鳥枢沙摩明王
不浄を焼き尽くし、清らかな日常へと導く炎の明王。
厠神(トイレの神様)としても信仰されるこの仏像は、身体と心の穢れを祓い、毎日の暮らしに静かな浄化の力をもたらします。
この機会に、「烏枢沙摩明王」をご自宅にいかがですか
浄化・厄除けのお守り仏としておすすめです。
来店して頂ければ現物をお見せすることもできます。
追記
追記
明日は、洞慶院の開山忌です。こちらの寺院でも鳥枢沙摩明王祭られています。
開山忌は、夏祭りでとてもにぎわいます。是非この機会に参拝した来夏でしょうか、「ウスサマさん」でお札をいただいてご自宅のお手洗いにお祀りしましょう。



