薪ストーブ住宅コンサルタント
金子稔
Mybestpro Interview
薪ストーブ住宅コンサルタント
金子稔
#chapter1
「薪ストーブ」と聞くと、多くの人がリゾートホテルのラウンジやおしゃれなペンションなどを思い浮かべるのではないでしょうか。最近はインテリア雑誌などで薪ストーブが取り上げられる機会が増え、それに伴い、自宅に薪ストーブを設置する人も増えています。それでも、欧米に比べて日本の薪ストーブ普及率は依然として低く、間違った手順での施工など、薪ストーブの設置工事に慣れていない業者さんによる、危ない工事が後を絶たない現状も数多く見受けられます。そんな中、「エンフリー」の代表を務める金子稔さんは、「薪ストーブ住宅コンサルティング」を専業とし、圧倒的な知識とアイデアで快適な薪ストーブライフを送りたいと願う顧客を力強くサポートしています。
お客様は大別して新築住宅と既存住宅に分かれますが、新築住宅に設置を望む場合、金子さんが携わるのは平面図、立面図作成の段階から。その理由は、「薪ストーブの機能を活かしきれていない図面ばかりを目にしてきたから!」と断言されます。具体的には、専門的な知識がなく、薪ストーブ住宅の施工実績が少ない設計者や工務店は、ごく一般的な図面を描き、最後に「薪ストーブはここに置けます」という程度の提案で終わってしまうからです。その場合、暖房効率やメンテナンス性を考慮していないプランがほとんどです。また「薪ストーブは吹き抜けに置くもの」と、誤った先入観を持っている人も少なくないそうです。それらの誤解は、薪ストーブ業界にも責任があると金子さんは言います。
「薪ストーブ事業をサイドビジネスとして始める企業さまが増えています。そのことは薪ストーブが市民権を得る意味では大変良いことだと思うのですが、建築の知識が乏しく、空間の提案ができない業者の増加は、日本の薪ストーブ住宅の質が向上しない理由の一つなんです」
薪ストーブが生活に密着した身近な道具として見直されてきた今、金子さんの元には、図面の段階から相談に乗ってほしいという依頼が殺到しています。
#chapter2
薪ストーブを設置するメリットは、単に暖を取るだけではありません。薪ストーブを入れると、家族の生活スタイルが変わるそうです。例を挙げると、今までお手伝いをしなかった子供たちが、火を付ける、薪を運ぶなど、手伝いに積極的になったといいます。また、たき火の禁止、IH調理器の普及で、子供にとって直接、火と接する機会はほとんどなくなりました。しかし、家の中に火があると、自然と周りに人が集まり、家族で過ごす時間が増えるそうです。さらに、薪ストーブの調理機能は、お母さんからお父さんへと調理担当を代えてしまう魅力があると、金子さんは言います。
金子さんと薪ストーブとの出合いは、20年以上前。山梨県の友人宅を訪ねた時のことでした。季節は真冬。家の中に入った金子さんは家全体が暖かいこと、その暖かさが薪ストーブ1台だけによるものであることを知り、カルチャーショックを受けたといいます。そんな感動と時を同じくして、金子さんは専門学校に通って建築士の資格を取得し、ハウスメーカーでの建物の基礎を習得する道へと舵を切りました。その後、薪ストーブショップで薪ストーブの構造と工事のノウハウを徹底的に学ぶと同時に、その性能を十分に発揮できる住宅の間取りについての研究、勉強を始めました。現在では、1人でも多くの人に薪ストーブライフを実現してもらえるように、人件費や維持費などのコストを大幅に抑えた低価格での設置工事を提供しています。
#chapter3
「施工に当たって大事なのは使いやすさ、見た目の美しさ、メンテナンスの利便さ」だと主張する金子さん。煙突掃除も業者に頼めば費用が発生しますが、自分で掃除できればお金はかかりません。そのため、家を建てる段階で掃除がしやすいよう、煙突の施工方法や、屋根を無駄に急勾配(こうばい)にしないようにとのアドバイスも忘れません。また、設置後のアフターフォローにも力を入れ、定期巡回サービスを行い、ユーザー様との時間を大切にしています。
「ストーブ住宅を作り上げていくためなら時間も労力も惜しまないですよ!」との言葉が印象に残る金子さん。「自分を頼りにしてくださるお客さまには、トコトンお付き合いをしたいから、ついついお節介になっちゃうんですよね」
たくさんのお客様から寄せられる絶大な信頼感。それは、明るい性格と人懐っこい笑顔だけでなく、誰にも負けない薪ストーブライフへの熱い想い…。金子さんと薪ストーブを前にした時、豊かな薪ストーブライフを誰もがイメージできるはずです。
(取材年月:2012年6月)
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Profile
薪ストーブ住宅コンサルタント
金子稔プロ
建築家
エンフリー
薪ストーブ、ペレットストーブ専門の住宅コンサルタントとして、新築住宅の間取り設計段階から丁寧なアフターフォローまで、快適なストーブライフを送るためにさまざまなアドバイスをさせていただいております。
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