車のエアコンフィルターの「正しい交換時期」と「本当の役割」
冬の寒い時期を過ぎ、春の暖かさが感じられるようになると、車のニオイが気になってきませんか?
特にエアコンを始動させた時、足の裏のような、カビのような“あのニオイ”気になりますよね。
これを読んでいるあなたは、こんな間違った常識を信じていませんか?
1)車のエアコンの洗浄をする必要はない
2)カーエアコンのカビのニオイは取れないから諦めるしかない
3)車検のたびに、エアコンのフィルターをしてもらってるから大丈夫
4)エアコンの吹き出し口にクリップ式の消臭剤をつけているから大丈夫
5)市販のエアコン洗浄スプレーで洗浄したから大丈夫
エアコンのニオイはどうにもならないものと諦めている方も多いのではないでしょうか。
中には、それだけではダメだとわかっていっても、エアコンフィルターを交換してみたり、消臭スプレーをしてみたりとその場しのぎをしている方もいらっしゃるかもしれません。
上の5つの常識がどうして間違えているのかは、順を追って説明していきます。
正しい対処法の説明の前に、まずはエアコンがどうしてクサくなるのか、エアコンの構造から詳しく解説していきたいと思います。
カーエアコンの基本構造
カーエアコンの風の流れは、大まかに以下の通りです。
1)「ブロワファン」と呼ばれる送風機から風を発生させます。
2)エアコンフィルターを通った風が運ばれて行きます。
3)「エバポレータ」と呼ばれる熱交換器を通る際、空気が冷やされ、この時同時に空気中の湿気がエバポレータに付着します。(除湿効果)
4)暖房を使用している場合、「ヒーターコア」を通過して暖かい空気になります。
5)風はダクトを通って、吹き出し口から出てきます。
風の流れは、ほとんどの車がこういった構造になっています。
エアコンがクサくなる原因は、「3」の「除湿効果」がポイントになります。
エバポレータって何?
「エバポレータ」は、車が好きな方は耳にしたことがあるかもしれませんが、知らない方が多いかと思いますので、解説しておきます。
家庭用のエアコンのフィルターを外して掃除したことがある方は多いと思います。
薄いフィルターで、数ヶ月もすれば、ホコリだらけになってたりしますよね^^;
そのフィルターを外した時、その奥にシルバーのフィンがビッシリと並んでいると思います。
そのシルバーの物が「エバポレータ」です。
部屋の広さと車内空間では広さが違いますので、当然、車のエバポレータは家庭用のエアコンのエバポレータに比べ、4分の一程度の大きさになります。
大きさは違えど、大まかな仕組みは家庭用のエアコンもカーエアコンも同様です。
自宅で夏場にエアコンを使用していると、外に水が排出されているはずです。
同様に車でも夏場にエアコンを使用していると、下に水が溜まっているのを見たことがありませんか?
これらの水は、空気中の湿気がエバポレータに付着し、その水が排水されているのです。
では、なぜ、エバポレータに水が付着するのでしょうか?
なぜエアコンを使っていると水が出てくるのか
エバポレータの内部には、「エアコンガス」が入っています。
余談ですが、ひと昔前まではフロンが含まれたガスが使用されていましたが、オゾン層を守るため、フロンの使用が見直され、現在ではフロンが使用されていないエアコンガスが使用されているのが一般的です。
このエアコンガスはカーエアコンで言えば、コンプレッサーで圧縮され、液体になります。
液体になったガスがエバポレータ内を通過しています。
前項で説明した通り、エバポレータに当たる空気は常温の空気です。
液状になったガスは非常に低温になっているため、エバポレータには、結露が発生します。
空気によって暖められたガスは気化し、さらに熱を奪って、パイプ内を気化したガスが流れていきます。
その気化したガスが、コンプレッサーに戻り、再度圧縮されて液化し。。。
という流れになっているのです。
この温度差による結露が、排水されます。
ちなみに結露がどうしてつくのかイメージしにくい方は、冬場に暖房で暖められた部屋では、窓に結露が発生しますよね?
これと同様で、冬場は外の気温が低く、室内の気温が高いため、気温の高い方に結露が発生します。
エバポレータ内の液状ガスは非常に低温なので、冬場の外気と考えて頂くと、室内の常温の空気が、暖められた室内の気温、に当てはめることができますね。
こういったことでエバポレータに結露が付くことで、夏場にエアコンを使っていると水が出てくるということになります。
ここまでわかるとエアコンのニオイの原因がわかってくると思います。
カーエアコンのニオイの原因
先述の通り、エバポレータに付着した結露は排水されています。
それなら、ニオイは関係ないのでは、と考える方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、残念ながらエバポレータに付着した結露が100%排水されているということではありません。
車のエンジンを切った場合、エバポレータに付着した結露の一部がそのまま残ります。
車のエバポレータは構造上、目に付かない、閉鎖されたボックスに設置されています。
そのため、若干でも水分が残っていることで、当然ながら水が元になり、徐々にカビが発生してきます。
これが、エアコンのカビ臭の原因です。
カビの原因はご理解いただけたと思います。
それでは、なぜタバコ臭など、その他の車内のニオイがエアコンに残ってしまうのでしょうか?
エアコンフィルターがあれば、ニオイはフィルターを交換すれば取れるのでは?、と考える方もいらっしゃると思います。
ただ、残念ながらエアコンフィルターでは、全ての空気中のニオイ分子までを取り除くことはできません。
そうなると、タバコなどのニオイ成分もフィルターを抜けたものはエバポレータなども通過するため、ニオイが徐々に吸着されてしまうのです。
こういったことから、冒頭でお伝えした通り、エアコンフィルターの交換だけでは、不十分、ということになってしまうのです。
カーエアコンに付着するカビ臭やニオイを防止する方法
ここまでお伝えした通り、何もしなければエアコンにはニオイが付くもの、と言えます。
ただ、これを防止する方法があるのでお伝えできればと思います。
【タバコ臭を防止する方法】
タバコを車内で吸わないことが一番ですが、ドライブ中吸いたくなってしまうものですよね。
そんな時は、必ず窓を開けて吸うようにして下さい。
窓を開けるにもポイントがあります。
運転席の窓だけを少し開けて吸っていても、ニオイは車内を循環してしまいます。
運転席の窓を少し開けるなら、「対角線」の、「助手席側の後部座席の窓」も少し開けるようにしましょう!
この「対角線」というのがポイントです!
2ヶ所窓を開けるにしても、運転席と助手席の窓を開けていても効果は半減してしまいます。
対角線で窓を開けることで、より車内の空気を入れ替えることができるのです。
そして、タバコを吸い終わって、灰皿で消した後も、少しの間、そのまま窓を開けておいてください。
吸い終わった直後に窓を締めてしまったら、それもニオイがこもる原因になってしまいます。
この時、タバコのポイ捨てや灰だけを外に捨てるのも絶っっっ対にNGですからね!!!
【ペット臭を防止する方法】
大切な家族であるペットと一緒にドライブに出かけることも多いのではないでしょうか。
そんな時も、タバコ臭同様に窓を効果的に開けることで、大部分を抑えることができます。
例えエアコンを使用していても、窓を少しだけ開けておくことで、全く結果が異なるのです。
ペット臭がこびり付いていると、愛車を手放す際の査定にも影響してしまいますので、意識しておくことも重要ですね。
【カビ臭を防止する方法】
カビの原因は前項でお話しした通り、エバポレータに空気中の水分が吸着してしまうことが原因です。
ポイントはエアコンを使用して走行した後、どのようにするかがポイントです。
走行後、いつも通り、そのままエンジンを止めてしまっては、エバポレータに多少なりとも水分が付着してままとなってしまいます。
エバポレータに結露が付着してしまうのは、エアコンがオンの時のみです。
エアコンスイッチがOFFになっていて風が出ている状態、つまり「送風のみ」の状態であれば、エバポレータに結露は付かず、風が当たるだけ、という状態を作り出すことができます。
このことから、ドライブが終わったら、家に到着する3~5分前にエアコンスイッチをOFFにして、送風の状態で走行してあげます。
そうすることで、それまで付いていた結露の大部分を取り除くことができるのです。
たかが3~5分程度とは言え、夏場はキツイかもしれません。
ただ、これをするのとしないのとでは、結果が異なってきます。
ぜひ、お試しください!
誤った5つの常識
1)車のエアコンの洗浄をする必要はない
2)カーエアコンのカビのニオイは取れないから諦めるしかない
3)車検のたびに、エアコンのフィルターをしてもらってるから大丈夫
4)エアコンの吹き出し口にクリップ式の消臭剤をつけているから大丈夫
5)市販のエアコン洗浄スプレーで洗浄したから大丈夫
この5つを冒頭で挙げました。
ここまでの解説をご覧いただいたあなたなら、「3」までが全て間違った常識であることはお分かりいただけたかと思います。
「5」に関しては、エアコン洗浄スプレーで洗浄するなら問題ないでしょ!と思われる方も多いと思います。
エアコンの洗浄スプレーは、ほとんどの場合、エアコンフィルターを外し、エアコンフィルターの入っていた部分から、エアコンの風に乗せ、スプレーの洗浄剤をエバポレータまで送り込む、といったやり方です。
実は、このやり方では、カーエアコンのエバポレータには5%程度しか届いていません。
洗浄剤のほとんどが、風に乗って、エバポレータに届く前にダクトの壁に付着してしまいます。
その付着してしまった洗浄剤は、そのままダクトを伝って、エバポレータが設置されたボックス内の排水口から流れ出てしまいます。
ただ、市販品のエアコンの洗浄スプレーは、香料が配合されているため、いい香りがするため、その洗浄スプレーのニオイで、元々のカビ臭やタバコ臭などが消えた、と勘違いしてしまうのです。
多少の効果は見込むことができても、本来の効果を見込むことは難しいのです。
これは、市販のエアコン洗浄スプレーを批判するものではありませんからね。
あくまで車のエアコンの洗浄においては効果が低い、ということであって、家庭用のエアコンで本来の使用方法を守れば効果はあります。
そして、この洗浄スプレーの間違った常識の説明をご覧いただくことで、「4」のクリップ式の消臭剤では当然不十分であることはご理解いただけると思います。
カーエアコンの正しい洗浄方法と新常識
これまで、カーエアコンの大まかな仕組みや主なニオイの防止方法などを解説してきました。
ただ、すでにカビ臭がする場合や、中古で購入した車のエアコンのニオイがクサい、などといった場合、先述の防止方法を実践してもニオイが取れることはありません。
始動時にカビのニオイがする、などといった場合、洗浄をしてから、先述の防止法を実践していただくのが一番です。
ここでは、エアコンの正しい洗浄方法について解説していきたいと思います。
これまでのカーエアコンの洗浄手段
1)エアコン洗浄スプレーなどで洗浄する
2)ダッシュボードを分解してエアコンを洗浄する
これまでは、こういった方法しか存在しませんでした。
エアコン洗浄スプレーは家庭用の洗浄スプレーを使用して洗浄する方法。
そして車用のエアコン洗浄スプレーも存在します。
ただ、どちらもしっかりと洗浄ができるかというと効果は限定的です。
ほぼ一時しのぎに近いものとなります。
その代わり、価格は数千円で済むのでとても経済的と言えます。
そして、もう一つのダッシュボードを分解してエアコン洗浄、については、完全にエバポレータを外して洗浄するため、効果は絶大で、ほぼ新品に近い状態になります。
(実際に分解して洗浄している最中の画像)
ただ、コストは10万円以上で、数日間業者に預けなければならないため、非常にハードルが高いと言うことができます。
これまでは、この両極端な方法しかありませんでした。
カーエアコンの洗浄の新常識
新常識では、これまでの両極端な方法の間に入る洗浄方法が開発されたのです。
その方法は、内視鏡でカーエアコンの内部を確認しながら、同時にエバポレータを高圧洗浄する、という方法です。
この方法は、当社が独自に開発した手法で、2017年からサービスを提供しています。
先述の通り、これまでは、エバポレータを直接洗浄するためには、ダッシュボードを分解し、エバポレータを取り出し、洗浄する方法しか存在しませんでした。
当社の方法では、エバポレータを外すことなく、しっかりと洗浄できるため、外して洗浄する方法に非常に近いレベルで仕上げることができるようになりました。
モニターで内部を確認しながら洗浄作業を進めることができるので、ご利用後のお客さまからは、ほとんどのお客さまから、
「エアコンのニオイが無くなった!」
「もっと早くやってもらえば良かった!」
などと喜びの声もたくさんいただいて、ご提供する喜びを感じています。
価格は、ダッシュボードを分解する場合の10万円以上と比べかなり格安で十分な効果を得ることが可能です。
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