ペット葬儀「ご縁という考え方」
ペット葬儀の現場に立つと、ご家族さまから「感謝」や「ご縁」という言葉をお聞きすることがあるのですね。
仏教には「縁起(えんぎ)」という教えがあります。
むずかしく聞こえますが、
意味はとてもシンプルです。
「すべてのものは、つながりの中で存在している」という考え方です。
この世に、完全にひとりで成り立っているものは何ひとつない.....
たとえば、お米。
お米は食べ物ですが、
それは“食べる人”がいるから食べ物になります。
もし人がいなければ、
そこに生えているただの植物です。
そこに農家の人、雨、土、太陽、
運ぶ人、売る人、炊く人。
たくさんの存在が関わって、
ようやく一膳のごはんになります。
一粒のお米でさえ、
それだけ多くのご縁の中で成り立っているのですね。
人も同じです。
私たちは「自分は自分」と思っていますが、
本当は、たくさんの関係の中で形づくられています。
母と話すときの自分。
友人と話すときの自分。
仕事中の自分。
同じ人間なのに、
少しずつ顔が違います。
でも、どれも本当の自分。
相手がいるから、
その自分が生まれます。
もし誰とも出逢わなければ、
今の自分ではなかったはずです。
自分という存在も、
縁の中でできあがっている。
それが縁起の考え方なのですね。
盆栽の木は、鉢の大きさ以上には育ちません。
なぜなら、根が広がれないからです。
木は、根が伸びた分だけ大きくなります。
人の心も似ているかもしれません。
自分のことだけを考えていると、
心の鉢は小さくなります。
でも、
誰かのために、
何かのために、
と考えたとき、
心の鉢は少し広がります。
すると、見える景色も変わります。
縁起とは、
「自分はひとりで生きていない」と気づくこと。
今ここにいる自分は、
家族がいて、
友人がいて、
出会いがあって、
過去の経験があって、
そのすべての重なりでできています。
そしてこれからも、
新しい縁によって、自分は変わっていく。
だからこそ、
閉じるよりも、開くこと。
奪うよりも、分かち合うこと。
自分さえ良ければいいと思った瞬間、
世界は小さくなります。
誰かの存在を大切にした瞬間、
世界は広がります。
縁起とは、
つながりを思い出す教え。
私たちは、
思っている以上に、
深く、やさしく、
つながって生きているのですね。
ペット葬儀の現場、皆さまとのご縁に感謝。


