生きる意味への気づきをもたらす精神分析家
大澤秀行
Mybestpro Interview
生きる意味への気づきをもたらす精神分析家
大澤秀行
#chapter1
「LAFAERO1(ラファエロワン)」代表の大澤秀行さんは、精神分析家です。対人恐怖、不安症、うつ、不登校、ひきこもり、不眠などに対して、精神分析というアプローチでセラピーを行っています。
精神分析とは、20世紀初頭にオーストリアの精神科医ジークムント・フロイトによって創始されたものです。心の無意識下に抑圧されている感情や記憶を意識化して受け入れることで、問題の軽減を図っていきます。
「クライエントが私のところにやって来る目的は、『何のために生まれてきたのか』『生きる意味は何か』を知りたい、それが全てといってもいいでしょう。その答えは無意識にあって、自分では気づくことができません。私はクライエントがその答えを言語化できるように導いていく、いわば伴走者です。不眠、頭痛、めまいなどを訴える方も多いですが、それは自分を知りたいというきっかけにすぎません」
大澤さんはクライエントとの対話を重視。次の4点に着目して進めていきます。
「一つ目は夢です。フロイトの言葉を借りれば、夢は無意識へ至る王道です。どんな夢を見るかで無意識を知ることができます。二つ目は養育史です。育ってきた背景は、精神分析の基本になります。三つ目は“つまらない話”です。日常のささいな出来事を聞きます。飼い猫のことや隣近所で起きたこと、失敗談などで、実はそうしたささいな話の中にその人の本質が隠れているのです。四つめは身体症状で、現在の不調や病歴などを伺います。心身に影響が出るのは何かに抑圧された結果と考え、その人の心を制していることを言葉にしていきます」
#chapter2
大澤さんが精神分析家として活動をスタートしたのが1992年。以来、1日平均10人にセラピーを行っているそうです。対面のほか、電話やメールでも対応しているので、自宅にいながらコミュニケーションをとることができます。
6歳から75歳までクライエントの年代はさまざま。大澤さんは明るく朗らかな雰囲気で、リラックスしてセラピーを受けることができます。
クライエントからは、「無意識の動きを読み取り、それを言葉にしてくれるのでわかりやすい」「方針をしっかり立てて、どこに向かえばいいのかを示してくれた」「夢分析を通じて自分の幸せを理解することができた。おかげで穏やかな日常が送れるようになった」「親から自律して、個を生きられるようになった」といった声が届いています。
実は、精神分析は独学。20代で心の病を患ったことをきっかけに、出版業に携わる傍ら「岩波講座 精神の科学」(岩波書店出版)を全十巻・別巻1を読破することで知見を深めました。さらに、自己分析を行うことで病も改善に向かっていったそうです。
学びを得る中で、大澤さんが師と仰いできたのは2人。前述のジークムント・フロイトとジャック・ラカンです。ラカンはフランスの哲学者、精神科医、精神分析家で、フロイトの精神分析学を、現代思想のひとつ構造主義的に発展させたといわれています。大澤さんの精神分析の手法は、フロイトとラカンの理論を基にしています。
#chapter3
大澤さんは、ラカンの精神分析理論を軸に、さまざまな病気のメカニズムと原因について独自の視点で試みた分析を「病気は心がつくる」(論創社出版)というエッセーにまとめています。数多くのクライエントに接してきた経験から、「多くの病気は心がつくり出している」と話します。
「セラピーでは身体症状の聞き取りをしますが、体調不良などを引き起こしている要因を自覚することで軽快する場合があります。40代女性のクライエントは、あるときから花粉症になりました。その“出発地点”をたどっていくと、ヨガを始めた頃でした。なぜ、ヨガをするようになったのか尋ねると、『老け込まないように』という回答でした。つまり、彼女の場合、老いへの恐怖が花粉症という症状になって現れていたのです」
また、大澤さんは講座をセラピーの一環と捉え、心身症や夢分析、依存症、劣等感の克服、不登校、対人関係など心のありさまをテーマに取り上げて、月に11講座開講しています。
精神分析によって、「何のために生まれてきたのか」「生きる意味は何か」という問いの答えを得ることで、「本当の自分に出会うことができる」と大澤さん。
「生まれてきた理由と生きていく意味に気づいたとき、人は初めて目覚めることができます。職場や学校になじめない、仕事や学業、子育てに前向きになれないといった、何らかの生きづらさを感じたときは、絶好のチャンスと考えてください。悩みに寄り添い、本当の自分にたどり着けるように、お手伝いをいたします」
(取材年月:2021年11月)
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Profile
生きる意味への気づきをもたらす精神分析家
大澤秀行プロ
精神分析家
合同会社LAFAERO1(ラファエロワン)
精神分析家として34年の臨床実績があり、現在もメールや電話も合わせると、一日平均10名の精神分析によるセラピーを行っている。
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