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適切なかみ方やかみ合わせで、一生よくかめる歯を守る

正しいかみ方による顎関節症の根本治療に取り組む歯科医

石幡一樹

石幡一樹 いしはたかずき
石幡一樹 いしはたかずき

#chapter1

かみ方のクセにアプローチする治療で、顎関節症を改善に導く

 JR久喜駅前にある「いしはた歯科クリニック」は、顎関節症の根本治療に取り組む歯科医院です。院長の石幡一樹さんは、もののかみ方や歯のかみ合わせに重点を置いた治療に力を入れています。

 顎関節症は、口を開け閉めするとあごが痛い、コキコキと音が鳴る、口が開けにくいなどの症状があります。生活習慣やストレスなどさまざまな要因が重なって発症します。「ほとんどのケースで、症状があらわれるのは左右どちらかです。このことから、片方のあごばかりでかむことで関節部の動きに偏りが起き、関節や筋肉に負担をかけている可能性が高いと言えます」

 石幡さんのもとでは、痛み止めやマウスピースなどで症状を抑える対症療法ではなく、原因の一つであるかみ方のクセを取り除く運動療法を行います。正しいかみ方やあごの使い方を指導し、関節の動きを改善します。

 咀嚼(そしゃく)は無意識で行うため、クセを直すことは簡単ではありません。「それでも日常生活できちんと取り組むと多くの場合、痛みは1週間~2週間、異音は1カ月~3カ月程度でおさまります。クセを矯正できると再発予防にもつながります」。評判を聞き、東京や千葉、山形など他県から来院する人も少なくありません。

 この治療法を先がけて研究したのは、同じく歯科医の石幡さんの父です。「父自身が顎関節症になり、かみ方を見直すことで回復した実体験をもとに確立しました。〝顎関節症は治せる〟という信念を持ち、講演会など治療法の普及にも努めました。父の後を受け継ぎ、顎関節症の標準治療として全国に広めることは私のミッションでありライフワークです」

#chapter2

大学での研究をもとに、自由診療の入れ歯やインプラントを積極的に提案

 石幡さんが歯科医を目指したのは、幼い頃に父が診察する姿を見たことがきっかけでした。父と同じ道を志し、東京医科歯科大学院で、入れ歯やインプラントなどの義歯補綴(ほてつ)学を学びました。

 得意とする入れ歯の作製・調整では、口全体のバランスをみながら、かみ合わせを丁寧に整えていきます。「口を閉じたときに上下の歯が当たらないようにするなど、適切な位置で調整すると、入れ歯でもよくかめるようになります」

 自分の歯を守るため、入れ歯の質にもこだわってほしいと訴えます。石幡さんはしっかりかむことができ、長持ちするという点で、自由診療の入れ歯か、インプラントを推奨。「東京医科歯科大学での調査で、保険適用で作製した入れ歯の8割が、3~4年ほどたつと作り直しになることが分かりました。理由の一つが、入れ歯を固定するバネをひっかける歯が傷むことでした。入れ歯が原因で、自分の健康な歯を失うリスクがあるのです」

 石幡さんによると、ヨーロッパの先進国では、プラスチックメインの保険適用内の入れ歯はなく、金属メインの自由診療の入れ歯がスタンダードだそう。「口の中の健康状態によっては、保険適用外の治療の方が、メリットが大きい場合もあります。『歯にお金をかけるなんて』という声もありますが、自分の歯が守られる確率を第一に考えてほしいですね。歯には自分が思う以上に健康を保っていくための価値があるので、失った場合長期間きちんとかめる状態に戻すには代償の先払いをする必要があります」

石幡一樹 いしはたかずき

#chapter3

80歳を超えても自分の歯でよくかみ、健康寿命を延ばすことに貢献

 「縁あって来院してくれた患者さまの健康寿命を延ばすことに貢献します。健康寿命は、介護などを受けずに日常生活を過ごせる期間で、日本人の平均寿命と10年ほどギャップがあることが判明しています」と石幡さん。

 「口の中の健康は全身の健康に影響します。硬いものが食べにくいなど、口腔機能の衰え〝オーラルフレイル〟が進むと、栄養不足や体力低下を招きます。きちんとかめるかどうかが、その後の人生を左右するといっても過言ではありません。当院では80歳を超えても、理想は自分の歯で、そうでなくてもしっかりかめることを目指します」

 石幡さんが大事にするのは、患者さんと丁寧にコミュニケーションをとること。「最終的に治療するかを決めるのは患者さまなので、口の中の状況や、治療のメリット・デメリットをきちんと伝えます。10年先、20年先に自分の歯をどうしたいかをヒアリングし、治療計画を一緒に考えます」

 2022年4月には新たなクリニックを近隣にオープンさせる予定です。「お口のケアに関心が高い患者さまに向け、自由診療をメインとした施設にするつもりです」。将来的には、研修室で歯科医向けに顎関節症や入れ歯に関するセミナーなどを行う計画もあります。

 「『医者は患者の命を救う。歯科医は患者の人生を救う』という、ある歯科医の言葉に共感し、歯科医の仕事に誇りを持っています」と力を込める石幡さん。きちんとかんで、いつまでもごはんをおいしく食べられる人生をかなえませんか。

(取材年月:2021年10月)

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専門家プロフィール

石幡一樹

正しいかみ方による顎関節症の根本治療に取り組む歯科医

石幡一樹プロ

歯科医師

医療法人社団樹伸会いしはた歯科クリニック

顎関節症の改善や歯の健康維持につながる、正しいかみ合わせとかみ方の治療に注力。「生涯しっかりかんで健康寿命を伸ばす」をモットーにした入れ歯の作製・調整やインプラント治療、口全体の治療も得意分野です。

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