キャッシュレス世代のこどもたちへの金融教育

大場由香

大場由香

テーマ:金融教育

マネーセミナーを開催するにあたり、参加者の方々から最近よくご質問頂くのは
こどもたちへの金銭教育についてです。

キャッシュレス世代のこどもたちへの金融教育の必要性



現代の子供たちは、キャッシュレス決済が普及する社会で育っています。
そのため、伝統的な現金のやり取りを目にする機会が少なく、金融の基本的な概念を理解するのが難しい場合があります。
以下の二つの事例は、キャッシュレス世代のこどもたちが直面する問題を示しています。
そして、これらの事例を通じて、こどもたちに金融教育を行う必要性について考察してみましょう。

事例1: 銀行の窓口での出来事



幼稚園に通う女の子は、ママと一緒に銀行に行くのが日常の一部です。
ある日、銀行からの帰り道で彼女は「ママ、あの銀行のお姉さんいつもお金をくれる良い人ね。優しいね」と言いました。ママは笑いながら、「あのお金はお姉さんのお金じゃないのよ。パパがお仕事して稼いだお金を銀行に預けていただけなの。パパのお金なの。お姉さんがくれたわけじゃないのよ」と説明しました。
しかし、女の子は「うそーーー!パパのお金じゃないよ。だってそんなの見たこと無いもん!」と納得しませんでした。
現金を目にする機会が少なく、パパが現金を持って帰る姿も見たことがないため、幼稚園児には理解しづらかったのです。

事例2: ATMでの出来事



ある5歳の女の子は、パパと一緒におつかいに行きました。
お店にいるときに、パパのスマホにママから電話がかかり、帰りに銀行のATMによって現金を引き出してきてほしいという用件でした。
パパが「わかった、●●銀行のATMによってかえるよ」と言うと、ママは「▼▼銀行のATMによってきてほしい」と言いました。話の途中で5歳の娘はパパからスマホを奪い取り、「ママ、大丈夫!わたし、しっかりしてるから任せて!パパはATMの使い方知らないでしょ!わたしがついてるから大丈夫、▼▼銀行のATMは4つあるからね4つ全部でお金出して帰るから!わたしお金の出し方知ってるから!いっぱいお金持って帰るね!」と言いました。

金融教育の必要性



このような事例は、キャッシュレス社会で育つこどもたちが金融の基本を理解するために、どのような教育が必要かを考えるきっかけとなります。

1. 金銭の概念を教える

キャッシュレス決済が普及する現代では、現金を見る機会が減少しています。こどもたちにとって、お金の価値やお金がどのように使われるかを理解することが難しくなっています。そのため、家庭や学校で現金のやり取りを通じて金銭の概念を教えることが重要です。

2. 実際の体験を通じた学び

こどもたちが実際にお金を管理する経験を通じて、金銭感覚を身につけることが重要です。例えば、定期的にお小遣いを与え、その一部を貯金するように指導することで、計画的なお金の使い方を学ばせることができます。また、銀行やATMの利用を体験させることで、現実の金融システムについて理解を深めることができます。

3. デジタル金融教育

キャッシュレス決済やデジタルバンキングの普及に伴い、こどもたちにはデジタル金融の知識も必要です。安全なオンライン取引の方法や、個人情報の保護について教えることで、デジタル社会での金融リテラシーを向上させることができます。

結論

キャッシュレス世代のこどもたちにとって、金融教育はますます重要になっています。現金を目にする機会が減少する中で、金銭の基本概念を理解し、賢明な財務判断を下す能力を育むためには、家庭や教育機関での積極的な教育が必要です。親や教育者は、こどもたちが将来の経済的自立に向けて必要なスキルを身につけるために、金融教育に力を入れるべきです。これにより、こどもたちは健全な金銭感覚を持ち、デジタル社会でも安全に金融取引を行う力を身につけることができます。
そして、パパやママが頑張ってお仕事することによってお金を得ているのだという事も、日頃から肌で感じる事ができると良いのかもしれませんね。

今後は、親子で学べるこども向けマネーセミナーの開催を検討する予定です。

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大場由香
専門家

大場由香(ファイナンシャル・プランナー)

マネーセミナーを通して、お金の知識が無く不安を抱えている人やお金を上手にふやしたいと思っている人と、一緒に考えサポートしている。

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