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「箕面のちいさな宝石屋」は、ジュエリーに新たな輝きとストーリーを吹き込むリフォーム・修理専門の宝石店です

ジュエリーをよみがえらせる専門家

越野泰明

越野 泰明(こしの やすあき)さん
お客さんのストーリーを聞くことが出来るのが、この仕事の魅力です

#chapter1

リフォーム・修理・オーダーメードで、小さくても丁寧な手作り感に特化した店にしました

 北大阪急行千里中央駅からバスで約7分、新船場北橋で下車して西に入った箕面市船場西の住宅街にたたずむおしゃれなビルの2階に「箕面のちいさな宝石屋」があります。店長の越野泰明さんが店を構えてちょうど半年が経ちました。
 「祖父の代から大阪・南船場で時計屋をやっていました。父の代になって宝石の卸販売をするようになったのです。海外で石を買い付け、製品にして宝石店やデパートに商品を卸す仕事。私は大学を出て民間企業に就職したものの宿命ではないんですが、父親の事業を何とか伸ばせないかと思い、3年ほどで脱サラして手伝いに入りました」と越野さん。でも24、5歳の頃で「右も左もわからない」状態。お父さんから「とにかく、より多くの宝石を見ることだ」と言われ、海外にも直接仕入れに出かけ、「目利き」を鍛えたそうです。
 6年前、事業を引き継いだのですが、折からの不景気で宝飾卸業界は逆風が吹き荒れ、経営は苦しくなるばかり。「今までは宝石店やデパートなどに卸していたが、将来的にはエンドユーザーに販売したいと考えました。単なる小売りでは既存の店に太刀打ち出来ないので、リフォーム・修理・オーダーメードで、小さくても丁寧な手作り感のある店に特化しました」。インターネットでサイトを開設し、試行錯誤の末、一念発起、奥さんの実家がある箕面市に店を構えて、北摂のユーザーに絞った商売に切り替える決意をしました。徐々にクチコミで知ったり、HPを見たりした人たちが来店するようになり、商売は軌道に乗り始めました。

#chapter2

お客様の声をじっくり聞く習慣が付いたことは、僕にとってもプラスです

 不景気ながら、バブル経済時代に蓄えられた、たくさんの宝石類が多くの家庭で「持ち腐れ」として眠っている時代です。どこの宝石店でも修理やリフォームをしているそうですが、特化して専門店として発信する店は少ないそうです。
 どんな形でリフォームなどに来られるのでしょうか? 越野さんは具体的な事例を挙げて説明してくれました。「一番多いのが40~50歳代の女性が婚約指輪をリフォームするケースです。当時はダイヤなどを支える爪が立爪(たてづめ)という大きくゴージャスなのが流行していたのですが、もっとシンプルなものにするのです。面白い例としては、経済的に苦しい今の時代、婚約指輪を買う人が少ない。そこで母親から譲り受けた指輪をリフォームしてお嫁さんに引き継ぐケースがありました。また、彼女を亡くした22、3歳の学生さんが来られ『将来結婚を約束していたので、指輪をオーダーメードして墓前に供えたい』と。1時間余り思い出を聞いたら、最初は重々しい雰囲気でしたが、最後には前向きな言葉を聞かせていただき、すっきりした顔で帰られました。商売したことよりも、お話をじっくり聞けたことがうれしかったですねえ」と越野さん。新品を販売していた時より、お客様のストーリーを聞けることが、この仕事の魅力だと言います。「お客様の声に耳を傾ける習慣がつき、僕自身のプラスにもなっています」と感謝しています。
 気になる料金は「小さな店を個人でやっているため、維持費がかからない分、お客様に還元出来ます。デパートやほかの宝石店でするリフォームより、うんと安い。石の大きさやデザインによって、一概には言えませんが」と前置きして、ダイヤなら5、6万円から20万円まで、ペンダントにすると2、3万円から。価格、サービスとも「ちいさなお店だからこそできること」にこだわります。

「箕面のちいさな宝石屋」で、古くなったジュエリーに新たな輝きを吹き込みたいのです

#chapter3

お客様の通信簿(店や商品への感想を書いたアンケート)は重要視しています

 もう一つ大事にしていることは、お客様の感想で「今回のジュエリーリフォームの通信簿~今の気持ちを少しだけ聞かせてください~」というアンケートを必ず書いてもらいます。特に「何が決め手となって当店に依頼しましたか」という質問は最も重要視しています。「ゆっくり相談に乗ってもらえそう」「誠実そうだから」「親近感がある」「アットホームで良心的」「信頼できそうだ」などです。越野さんは「価格が安いから」というものより、人間性を評価する回答が多いことに感激。「より一層、信頼に応えるよう努力する」と誓います。
 もう一つ、越野さんが試みていることは「敷居の高いイメージを打破する」ことだそうです。だから、出来るだけアットホームな店構えで、服装もラフなスタイルにしています。ブログやフェイスブックで、格好つけずに本音で語りかけます。
 目標は? 「北摂地域の一番店になること!」と力強く宣言しました。でも、「押し売りは一切しない、どっちかというと弱すぎるかな?」と控えめに付け加えられました。「箕面のちいさな宝石屋」のキーワードでHPにアクセスする人が多いことに喜んでいます。キャッチフレーズは「相談できる宝石屋さん」。小さなお店で、じっくりとお客様のストーリーを聞き、古くなったジュエリーに新たな輝きを吹き込み、よみがえらせる。越野さんの目は輝いています。

(取材年月:2012年7月)

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Profile

専門家プロフィール

越野泰明

ジュエリーをよみがえらせる専門家

越野泰明プロ

ジュエリーデザイナー

相談できる「宝石屋さん」-箕面のちいさな宝石屋-

アットホームなお店を意識し、出来るだけ敷居が高いというイメージを下げて、そして来店したお客さんの声にじっと耳を傾けながらお客さんの希望に添えるようジュエリーのリフォームや修理・オーダーメードに対応する

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