CAMINO ORIGINALのインソール作成の流れがわかる漫画が出来ました。
-CAMINOインソール制作者本人の【体験談】-
私は、家でくしゃみをしただけで「ぎっくり腰」になった人間です。
あの痛み、本当に辛いですよね……。
でも、いまはぎっくり腰とは無縁の生活をしています。
そうなれたのは、インソールとの偶然の出会いがあったから。
そして今、自分はインソールを作る側に回っています。
【CAMINOインソールの一番最初のユーザーは、他ならぬ私自身なのです】
腰痛から解放された、私の長い体験談をぜひ聞いてください。
□中学時代にはわかっていた「背骨のおかしさ」
これは、かれこれ40年くらい前の話になります。
ある日、中学校の健康診断で「背骨が横に曲がっている」と言われました。
「この年齢でこの症状はかなり珍しいよ」とのことで、子供ながらに、自分は腰が悪いんだなと思いました。ずっと後になって、自分が「脊柱側弯症」という病気だと知りました。
とはいえ、生活に支障はなく、興味もなかったので、特に対処はしませんでした。自分自身、みんなと同じで、なんの疑いもなく元気で普通の身体だと思っていました。
中学では、当時人気のバスケットボール部に入部しました。
けれど、練習がうまくいきません。
たとえば、5メートルほどドリブルして、ゴールにシュートするだけの1人練習。
単純ですね。
けれど、私にはそれができなかったのです。
シュートするタイミングがわからず、毎日、何度も何度もトライし続けました。
ですが、みんなが当たり前に普通にできることが自分にはできないのです。
それが恥ずかしくて、バスケットは諦めました。
思えば、50メートル走を必死で走ってもいつもビリに近いタイムでした。
自分は運動音痴なのかなぁ、と思いながら生活していました。
高校ではサッカー部に入りましたが、やっぱり全部がダメですぐにやめることになりました。
□社会人になっても、「フォームがおかしい」
時は過ぎ、25歳頃にゴルフを始めました。
父に、先々を考えるとゴルフをやっていた方がいいよと言われたからです。
そこで、近所の打ちっぱなしの練習場に通い始めました。
けれど、どれだけ頑張ってもフォームがおかしく、なかなか真っすぐに球が飛ばないのです。
マンツーマン指導も受けました。
けれど、先生の方がお手上げの状態に……。
不思議なくらい、私の身体は思うように動いてくれないのです。
しかも、理由がわかりません。
それでも諦めずに練習を続けていると、先生が、素振りしているところをビデオで撮ってくれました。そして、自分のフォームを映像で見てみると……。
正直かなりカッコ悪かったです。
これだけ努力してもこんなフォームなのかとがっかりして、最後まで見られませんでした。
「こんなに頑張ってもダメならしょうがないな、向き不向きがあるな」と、私は一度もコースに出ずにゴルフもやめてしまいました。
この時、そういえば背骨が曲がっていたんだっけ……、と昔言われたことを思い出したのですが、特に何もしませんでした。
単に運動が下手なだけで、身体を悪くする原因になるとは思っていなかったのです。
□自宅で、くしゃみで、ぎっくり腰に
それから時は過ぎ、ある日、家でくしゃみをした時です。
突然、腰が抜けてしまいました。
いわゆるぎっくり腰です。
痛いというか、そもそも身体に力が入らない。
立ち上がることなんてできない。
いや、動くことすらできない。
トイレにも行けなくなり、救急車を呼んでもらうしかありませんでした。
症状が治まるまで入院です。
手術などはなく、なんとか退院できましたが、その後はぎっくり腰、腰痛との闘いの日々が始まります。
まずは正式に診断を受け、「脊柱側弯症」と「椎間板ヘルニア」だと先生に言われました。
病名は有名でしたので、
「まさか! 自分が!?」
とビックリしました。かなりの絶望を感じたことを覚えています。
これから先、どうしようか。そのうち働けなくなるのでは? と不安でいっぱいでした。
まず、できること。
それは、とにかく慎重に行動することでした。
少しでも腰に負担がかからないように……。
こわごわと、腰椎の4番、5番あたりを押さえながら生活していました。
他にも、コルセットをしたり、腰のためのマッサージをしたりと、ぎっくり腰を起こさないために、いろんなことを試しました。
でも、うまくいかないのです。
仕事をしている時、家にいる時、いつでもちょっとした動作ですぐにぎっくり腰が再発してしまいます。
その度に、腰椎の痛む2箇所にブロック注射を打ってもらうことが多くなりました。
私の父親も昔から腰痛で悩んでいたので、「いざという時にはブロック注射があるよ」と教えてくれたのです。
ブロック注射は、確かに効きます。
けれど、根本的な治療ではありません。
私の場合、日増しにぎっくり腰の回数が多くなり、ブロック注射の回数も増えていきました。
寝る時も腰痛があって眠りにくく、日常の車の運転までも困るようになった頃。
頼りにしていた先生に、「もうこれ以上は私の手に負えないから、大学病院に紹介状を書く」と言われました。
そこでMRIを撮ってみてほしいと。その後は高い確率で手術になるとも言われました。
実際MRIだけは撮りに行きましたが、手術がこわくて、大学病院に行くのをためらっていました。
もちろん、待っているだけで症状が良くなる訳もなく、相変わらずぎっくり腰になり、度々ブロック注射を打ってもらいました。
先生には、「せっかく紹介状を書いたのに、何故行かないのか」と何度も言われました。
私は、仕事があるから、とごまかし続けました。
「どうにか、手術なしで腰が良くならないかなあ……」
そう考えていた私の前に、思わぬ方向から救世主が現れます。
□足形計測器との出会いは偶然か、必然か
当時、私のお店は普通の靴屋でした。
靴屋を始めた当時から、世の中に外反母趾の方があまりに多いので、なんとかならないのかなと感じており、ある日、お店に足形計測器を導入することになりました。
そのため、計測器を使いこなすための講習を受けに行くことになったのです。
「あなたの足がどうなっているのか、まず自分自身を知っていきましょう」
会場でそう言われ、人生で初めて足形計測器なるものに乗り、測定が始まりました。自分自身の足の状態をベースに、その足形計測器の扱い方を知る、という勉強法です。
今思えば、それは本当に奇跡的な、足のアーチ構造の世界との出会いでした。ぎっくり腰から解放されるきっかけが、まったくの偶然の出来事とは、今でも驚きです。
ちなみに、私自身は「腰はかなり悪いが、足自体は何も悪くない」と思っていました。
足のアーチには興味がなく、
「扁平足ですが、何か問題でも?」
「ベタ足でも普通に生活できますよ」
くらいの変な自信すらあったほどです。
――そして、結果が出ました。
なんと両足とも全くアーチがなく、かなりの扁平足だとわかりました。
しかも、左足が外に倒れ、右足は内側に倒れているではありませんか。
ようするに、普通に立っている状態で、常に体が左に傾いていることが発覚しました。
「でも……だから何?」
とその時は思いました。自分の知識と経験では、この状態が何を引き起こすか、何一つ理解できていなかったのです。
ですが、測定してくれた人には驚かれました。
「これではダメですよ! こんな状態でよく生活してましたね」
と、こんな傾き方は珍しいという風に声をかけてくれて、私の足裏データの分析と検証が始まりました。そして細かく計算をした先生が、その時の靴にぴったりのインソールを作って入れてくれました。
その靴を履いて歩いてみました。
何も起こりません。
その日、その時は、正直何もわからぬまま家に帰り、いつもの生活が始まりました。
何事もなく日々が過ぎていき……ある日、「はっ!」とあることに気づきます。
何度も起きているぎっくり腰の回数が減っているのです。
回数で言えば10回起こるはずのところが、3回くらいになっていました。
(残り3回分も、その後起こらなくなります。詳しくは、このコラムの最後に書いておきますね)
とにかく、10回中7回のぎっくり腰がなくなるだけでも、自分にとっては奇跡的な出来事です!
「なんでかな?」
「最近、何かしたかなぁ?」
そう考えて思いついたのは、インソールです。
むしろ、インソールしかないのです。
「これだ! このインソールがぎっくり腰の回数を減らしてくれたんだ!」
まさに偶然にして必然の出会い。
私はその日から、アーチ構造、つまり【インソール】の世界にのめり込んでいきました。
自身のぎっくり腰というわかりやすい指標があるからこそ、インソール(足のアーチ構造)についての因果関係を、勉強、追究、探求していける――やる気も環境も揃っています。
こうして、「CAMINOインソール」につながる道が生まれました。
□ベストな靴の中敷き、「CAMINOインソール」の誕生
ぎっくり腰の回数が劇的に減ったことを受けて、追及、研究が始まりました。
自身の身体の状態をチェックしながら、自分の靴のインソールの位置、高さ、パーツの大きさなどを来る日も来る日も分析、検証したのです。
それには、かなりの時間がかかりました。苦労しましたが、とうとう身体にとって全く違和感のない自分のベストの位置が見つかる日がやって来ました。
寝ている時も腰が痛くない。
脚が軽い。
身体の可動域が広がる。
そして、徐々にですが、重たい荷物を持っても痛みが腰にこなくなったではないですか!
ふと気づけば、ずっと通っていた整形外科に全く行かなくなっていました。
あの時の紹介状は使わず、大学病院にも行かないまま……。
当然、周りから「何でぎっくり腰治ったの?」「そんなことあるの?」とビックリされました。
ただ、一番驚いたのはまぎれもなく自分自身です!
この現象【バイオメカニクス】※については、確実と言えるような自信もなく根拠も確証もなかったので、発見した当時は、SNSにあげることができませんでした……。
※【バイオメカニクス】身体の構造や運動を力学的に探求し、その結果を医療、テクノロジー、スポーツなどに応用する学問
かつてはまだまだ勉強不足なところもありましたが、今回、やっとこうして報告することができました。
当然ながら、今現在も、新たな研究、追究、学習を続けています。
□シューフィッターとして、体調不良の方のお役に立つ!
ぎっくり腰から始まった、インソールの研究。
並行して、靴屋としても、シューフィッターの資格を取ることにしました。
【現在は、FHA認定上級シューフィッターの資格を習得しています】
原動力は、自分の体調を良くするため。
けれど自分だけではなく、多くの方が、インソールで助かるはず。
そう信じてやってきました。
そして、シューフィッターの勉強が後押しになり、足と健康、そしてアーチ構造に対する理解がさらに深まりました。
この頃から今に至るまで、CAMINOの店舗には、数えきれない程多くのお客さまがインソールを作りに来られています。近畿圏ではテレビで宣伝もしているため、足から来る不調をなんとかしたい、と切実にお悩みの方に頼りにしていただけるようになりました。
足が悪くなった時の痛み、身体に起きる変化、現象、さらには痺れ、感覚を自身で体験してきたので、お客さまの痛みも理解できるのです。そして、
・腰が痛い
・足先が冷える
・かかとが痛い
・巻き爪で変色している。
・外反母趾
このような様々な症状で困っている方々を診てきたからこそ、今現在の技術と、幾多の科学的根拠、理論を持つことができました。
ちなみに、とんでもなく難しいお困り事を抱えているお客さまもたくさんいらっしゃいます。
足を見て、測定して……それでも、考えても考えても答えが見つからないケースもありました。そんな時は、家に帰ってもどこかにヒントがないか、骨、筋肉、解剖学に関係する本に何か糸口がないかとずっと考えています。
今までにない新たな方法がないか、あるはずだ!
教科書に載っていない新たな方法を自分で見つけたらいいじゃないか!
そんな試行錯誤の繰り返しで、今に至ります。
多くの方々に「インソールで身体が変わった!」「これからの生活に希望を持てる」と大変お喜びいただいております。
それは、腰が痛くて未来が見えなかった自分の姿と重なって、とても嬉しいお言葉です。
ほとんどの人は「どうせ治らない」と思っているだけ。
まだこの世界を知らないだけで、実は希望はあるのです。
私のように、新たな人生を手にすることを諦めないでほしい。
アーチ構造の復元で、人生を変えることができるのです。
この方法(インソール、アーチ構造の復元)は、健康の土台。
身体のインフラ構造の復元になります。
足に合った靴とインソールでより良き人生を歩むために。
CAMINOはこれからも啓発を続けていきます。
【全ては――自分自身の体験と共に】
□ぎっくり腰が完全に治らない? 10回中残り3回をなくす最後のポイント
ここからは、当たり前でいて特別な情報をお届けします。
先ほどお話ししたとおり、靴にインソールを入れてから、私のぎっくり腰は10回だったところが3回までに頻度が減りました。
でも、まだ完全にはなくならなかったのです。
何故でしょうか?
この現象の解明には、かなり時間がかかりました。
でも、ついに気づいたのです。
ぴったりのインソールを靴に入れたら、ぎっくり腰は、外では起きなくなった。
つまり、家の中だけでぎっくり腰になっていたわけです。
何故なら、【家の中ではインソールを履いていないから】……。
私にとって、この気づきは奇跡でした。
ずっとわからなかった超難解な問題が解決できた瞬間です。
整形外科の待合室で痛みを堪えながら順番を待っている時に、ハッとそれを閃いたのです。
「帰ってすぐ、家用のシューズを用意しよう! そして、外で履いているのと同じアーチのインソールを作ろう!」
そうしたら、どうでしょう!
その後は、ぎっくり腰は起こらなくなっていったのです。
この体験が、後のアーチ構造に対して理解を深める、かなり重要なカギ【キーポイント】でした。
ぎっくり腰が完全になくなったからこそ「インソールは効果がある!」と自信を持って言えるようになりました。アーチによる上行性運動連鎖によって身体に起こるバイオメカニクスを確立することができたのです。
この経験から、CAMINOでは、家用のシューズにもインソールを入れることをお勧めしています。



