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知恵を絞って要望に応え、ものづくりのまちを支える存在に

クルマで街と企業、生活を支える物流コンサルタント

八田俊吾

八田俊吾 はったしゅんご
八田俊吾 はったしゅんご

#chapter1

倉庫業と運送業のほか、自動車の販売・修理、リース、カーシェア業、保険代理業を展開しています

 ものづくりのまち、東大阪市。金属やプラスチック、ゴム製品、機械の部品、生活雑貨など、多様な“モノ”を生み出す事業者や販売会社を裏方としてサポートしているのが「あんどっところ」です。資材や商品、製品を保管する倉庫物流業を主業とし、グループ会社にて商品を顧客の元へ届ける運送業の他、自動車の販売や修理、鈑金、タイヤメンテナンス、カーリース、カーシェア、生損保保険代理業、プラスチック製造などを展開しています。

 「弊社は、クルマで街と企業、ビジネスや地域の皆さまの生活を支えることをテーマに、せっかく頂戴したリクエストには、やる前からシャッター降ろさず『やってみること』を大切にしています。便利は有償、不便は不人気と考え、スタッフ一同、一人は非力、他力は無限、チカラ合わせれば夢拡がるととらえて少しずつですが事業を拡大させてきました」

 そう話すのは、代表取締役の八田俊吾さん。2005年に創業して以来、約20年にわたって会社を切り盛りしてきました。自社だけでは難しい案件であっても、コツコツと築き上げてきたネットワークを駆使し、対応できるのが強みです。

 「お客さまは、いろんな要望がおありです。頭をひねり、より良い提案をし、その要望に応えていくのが私どもの役割であり目標です。例えばお客さまのご担当と経費削減のために知恵を絞り、成果が出て喜んでもらえたときにやりがいを感じます」

 社名の「あん」は「案ずる、アイデアを考える」こと。「どっと」は、商売の街・大阪らしく「どっといこうぜ」の威勢を表し、「ころ」は大きな荷物を動かす際に使う丸棒に「お役に立つサービス」の意味が込められています。創業の理念は、「あんを絞ってお客さまのお役にたつサービスを提案する」です。

#chapter2

22歳で父親の会社に入社。40歳の節目に独立し、仲間に支えられスタート

 八田さんは1964年、東大阪市と同じ河内エリアの北部に位置する枚方市で生まれました。22歳のときに父親が営む物流会社へ入社し、現場、管理から営業、経理など幅広い業務を経験。「会社を運営していくための知識の多くをここで学んだ」と振り返ります。

 「後を継ぐつもりだったのですが、父から『自分のやり方を突き通したかったら、自分で一からやってみろ』と告げられ、40歳の節目で独立することにしました。何としてもやり遂げなければと必死でしたから、不安なんて感じている暇はありませんでしたね」
 
 初日は関係各所へのあいさつ電話で1日が終わりましたが、駅のホームで電車を待っていたとき、所属していた青年会議所の後輩から携帯電話に連絡が入ります。「新潟のあるメーカーが倒産したため、差し押さえられる前に発注していた品物をすぐにでも引き揚げたい」とのこと。急いで物流サービス部会に所属する新潟青年会議所の後輩に相談したところ、快諾してくれたそうです。

 「後輩は経営者で忙しいにもかかわらず、自らトラックに乗り運搬してくれたのです。まだ実績のない私を信じて助けてくれたことが有り難く、信用を裏切るようなまねだけはするまいと心に決めました」

 仲間の厚意で初めての案件を無事に終えましたが、まだまだ依頼は少なく、アポイントを取るだけでも一苦労。販路拡大のために毎月1回夜行バスで東京に通い、営業活動に励んでいましたが、ご紹介いただきアポイントがとれても、事務所の入り口で名刺交換するだけなんてことも多々ありました。

#chapter3

事業を軌道に乗せ従業員も増加。働く環境を整え、今後は事業承継も視野に

 新しい船出は順風満帆とはいきませんでしたが、努力のかいがあり、毎年1人で1~2億円を安定して売り上げるまでになりました。

 独立から10年がたち、東大阪市に大型倉庫を借りられる話が舞い込んできたのを機に、八田さんは従業員を雇うように。規模が大きくなるのと比例して人数も増加。働く誰もが充実した毎日を送れるよう心掛けてきました。

 「業績はもちろん大事ですが、それが全てではありません。ともに働く仲間がお客さまの役に立っているのだという実感を得て、毎日会社に行くことが楽しめる環境が必要です」

 2020年には社員食堂を開設。栄養満点な食事の提供を通じ、従業員の健康づくりに努めています。「私が生まれた頃は、会社で母がまかないを作っていたそうです。おなかがすいては仕事にも身が入りませんから、しっかり食べてほしいんです。社員食堂を通じてスタッフ同士のコミュニケーションをよくしたい。」ことが目的です

 懸命にかじ取りをしてきた八田さんの大きな関心事が事業承継です。ここ数年の間に会社をいくつかに分け、熱意ある人にチャンスを与えるための準備をしてきました。

 後継者になるための条件を明示しているそうで、それは、ずばり「人のお世話ができる人」

 「要領がよく賢い人、営業成績が優れる人もいますが、組織を率いていく上では、さまざまな問題が出てきます。それを的確に裁き、組織が進むべき道を作っていける人でなければ経営者は務まりません。パートを含め、全員にチャンスがあります」

(取材年月:2023年7月)

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専門家プロフィール

八田俊吾

クルマで街と企業、生活を支える物流コンサルタント

八田俊吾プロ

倉庫業、運送業

株式会社あんどっところ

大阪府内で複数の倉庫を管理し商品の保管・流通加工、発送を行っています。物流コンサルタントとして、安全機器の販売、生損保保険、自動車販売、メンテナンスリースの提案など、業務効率化をサポートします。

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