医療・福祉分野に精通し許認可から事業承継まで支える行政書士
塚本康史
Mybestpro Interview
医療・福祉分野に精通し許認可から事業承継まで支える行政書士
塚本康史
#chapter1
医療機関や福祉施設が抱える課題は、許認可や資金調達、経営、事業承継など多岐にわたります。行政と金融、双方の現場を知る経験を生かして支援にあたっているのが、「アドバンス行政書士事務所」の塚本康史さんです。医療法人や社会福祉法人の許認可申請をはじめ、融資や補助金の申請、事業承継・M&Aなどに対応しています。
その土台となったのが、1991年に入職した社会福祉・医療事業団(現在の独立行政法人福祉医療機構:WAM)での経験です。病院や特別養護老人ホーム、保育所などへの融資に携わり、厚生労働省や財務省、自治体との折衝も重ねました。
「施設をつくるための融資業務が半分、厚生労働省をはじめとした役所向けの対応が半分でした。行政がどう考えるのか、政策がどうつくられていくのかも、そこで学びました」
一方、建築資金の融資は建物が完成すれば一区切りとなり、その後の経営課題には関われません。その後も医療機関を支えたいとの思いから、2006年に医療コンサルティング会社へ転職しました。
「さまざまな理由で経営が難しくなった医療機関をどう立て直すか、金融支援をどう進めるかを考えてきました。そして、地域にとって必要な医療機関というインフラを守るため、関係者との調整を重ねてきました」
支援の一環で事業承継にも携わり、以来20年近く経験を積んできました。当時はニーズがありながら、医療分野で事業承継を担える人材はまだ少なかったと振り返ります。行政、金融、経営の三つの視点を持って培った歩みが、現在の支援の礎になっています。
#chapter2
相談の入り口は、許認可の申請だけとは限りません。クリニックであれば医師本人や家族、一定規模の医療法人では理事や事務長から、「次の展開に向けて何をすればよいか」「新たに事業(施設)を始めるには、どんな手続きが必要か」といった声が寄せられます。一つの相談から、複数の手続きにつながることもあります。
「許認可申請だけでなく、融資支援や補助金申請、事業承継の周辺まで見ています。金融支援としてメインバンクをはじめとした金融機関への対応もできますし、宅地建物取引士の資格と組み合わせた支援もできます」
独立行政法人福祉医療機構(WAM)で培った融資実務の知識や、コンサルティング会社での経験を生かし、複数の課題を切り分けながら道筋を描きます。
「今どんな問題を抱えているのかを一つずつ聞きながら、オーダーメードで支援しています。最終的に何を実現したいのかを考えていただき、その方にとっていい選択ができるようにしたいんです」
医療法人は、設立後も事業報告や役員変更、定款変更など継続的な行政対応が求められ、将来には承継やM&A、場合によっては解散・清算という局面も訪れます。塚本さんは、一連の流れを見渡し、その場の申請だけでなく先々の選択肢も踏まえて支援します。
「次の展開を考えている方もいれば、今ある問題をどう解決すればいいのかという相談もあります。必要な手続きを整理することから始めます」
相談者が目指す先を確かめ、行政手続き、資金面、承継までをつないで考え、判断材料を整理すること。それが塚本さんの仕事のスタイルです。
#chapter3
医療法人の事業承継では、理事長の高齢化や後継者不足などから、早めに将来を考える必要性が高まっています。塚本さんが重視するのは、日頃から必要な手続きを整えておくことです。
「例えば、分院開設や付帯事業を始める際には、定款変更の認可が必要です。そのときに、必要だった事業報告や役員変更の届出が滞っていると、まず過去にさかのぼって是正しなければならないことがあります」
過去の議事録を整理し直すなどの対応に時間を要すると、新規事業の開始が遅れ、採用や資金計画にも影響します。未整備の状態は事業承継でもリスクとなり、譲受側に管理体制を不安視される要因にもなります。
「法人として求められる日々の事務をきちんと行っておくことは、積み重ねてきた実績を示す証拠でもあります。承継のときになって慌てるのではなく、普段から整えておくことが大切です」
塚本さんが目指すのは、患者が引き続き医療を受けられ、そしてスタッフの雇用も守られつつ、経営者自身が次の世代につないで安心して第一線を退ける形です。
「金銭的な対価だけではなく、自分が守ってきた患者さんがこれからも医療を受けられ、スタッフの雇用も維持される。そこまで含めて、次につないでいくことが大切だと思っています」
黒字でも休廃業や解散に至る企業がある中、医療法人の承継が途絶えれば、地域に必要な診療機能まで失われる可能性があります。法人だけでなく、患者やスタッフ、長年経営を担ってきた人の思いまで次へつなぐことを大切にしています。日々の手続きを整え、将来の選択肢を広げながら、その法人に合った出口を共に見いだします。
(取材年月:2026年8月)
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Profile
医療・福祉分野に精通し許認可から事業承継まで支える行政書士
塚本康史プロ
行政書士
アドバンス行政書士事務所
独立行政法人福祉医療機構での融資実務と、医療コンサルティング会社で培った事業承継・M&Aの経験を生かし、医療・福祉分野の許認可や融資、補助金申請、将来の承継まで、目的に合わせて一貫して支援します。
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