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社員と企業が輝けるように。31年の看護師経験が育んだ心のケアの専門家

看護師経験を生かし働く人の心を支えるメンタルヘルスケアのプロ

石川ちえみ

石川ちえみ いしかわちえみ
石川ちえみ いしかわちえみ

#chapter1

「その人らしさを支えたい」という気持ちが原動力。社員と企業、両者に寄り添うメンタルヘルス支援

 沖縄で企業のメンタルヘルスケアを手がける「は~とふるオフィスめいみー」の代表、石川ちえみさん。石川さんがよく口にする言葉は、「もったいない」です。職場環境や人間関係などが原因で、本来力を発揮できるはずの人材が、自分らしさを発揮できないまま離職してしまう、そんな場面を目の当たりにしてきたといいます。

 「もう少し環境調整や上司の言い方、部下の受け取り方を工夫できていたら、この会社で頑張り続けられたかもしれないと思うケースがあります。そうした『もったいない』状況が、実はたくさんあるんです」

 こうした思いから、石川さんは2021年に創業。社員のメンタルヘルス相談・研修講師・経営者や管理職への提案などを行っています。
 支援の特徴はオーダーメードの内容構成です。ハラスメント防止研修にアンガーマネジメントを組み合わせたり、各業界の法改正トピックを盛り込んだりなど、企業の課題に応じて柔軟に対応。医療機関、介護施設、建設業、自治体(役所・消防署など)での研修実績があります。

 職場のパワーハラスメント防止措置は、改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)により、2022年4月から全ての企業に義務化されました。一方で、「これを言ったらハラスメントと言われるのではないか」という不安から、上司が指導をためらうケースも増えているそうです。研修では、ハラスメントのグレーゾーンを紹介しながら正当な指導とハラスメントの違いを整理し、管理職が自信を持って部下育成に取り組めるよう支援しています。

#chapter2

2つの出会いが人生を変えた。カウンセリングへの道、そして「働く人」のケアへシフト

 石川さんをカウンセリングの世界へ導いたのは、病棟で出会ったがん末期患者との忘れられない出来事でした。明るく訪室した朝、その患者さんは「元気な人はいいね」とつぶやきます。何も返せなかったことが心に残っていた頃、郵便ポストにカウンセリング研修の案内はがきが届きました。

 「ビビッと感じるものがあって、すぐに受講を決めました」と石川さん。月1回福岡へ通い、ケアカウンセリングを学びます。

 働く人の心のケアへと軸足を移すきっかけとなったのは、ある新人看護師の「辞めたい」という一言でした。丁寧に話を聴き、働く環境を整えたところ、数日後には元気を取り戻した姿を見て、「働く看護師が元気でなければ患者さんを救えない」と実感。産業カウンセラーを目指しました。
 その後、キャリアコンサルタント資格も取得し病院を退職。看護学校のスクールカウンセラーや就労支援センター、教育研究所の相談員、医師会での勤務を通じて知見を深めていきました。

 石川さんの強みは、31年の看護師経験から身体と心の両面でアプローチできる点です。ある相談者から「最近動悸が出てきた」と相談を受けた際には、まず内科の受診を勧め、心臓に異常がないことを確認したうえで精神的な要因を探りました。面談を重ねる中で、仕事も家事も育児も一人で抱え込んでいた実態が判明。本人の同意を得て夫にも状況を伝えたところ、「こんなに無理をさせていたとは知らなかった」と家事や育児に積極的に関わるようになったといいます。

 「何か症状が出たとき、身体的な疾患の可能性から考えられるのは、看護師時代に学んだ除外診断の視点が参考になっています」

石川ちえみ いしかわちえみ

#chapter3

義務化で変わる職場のメンタルヘルス。小規模事業場こそ早めの備えを

 最近特に力を入れているのが、小規模事業場へのストレスチェック支援です。2025年5月、改正労働安全衛生法が成立し、従業員50人未満の事業場でもストレスチェックの実施が義務化されることが決まりました。(施行日は 公布の日から政令で定める3年以内の日)

 「メンタル不調の方が出ると、パフォーマンスが下がり会社全体の生産性も落ちます。人手不足の中小企業では1人が休むだけでも周囲への影響は大きくなります。だからこそ、小さな事業所ほどメンタルヘルスケアが必要です」

 石川さんは中部地区医師会で、ストレスチェック外部機関の立ち上げに携わりました。集団分析結果報告や研修講師などを担当してきた経験を生かし、導入を検討する企業に対しては、実施方法や実施規程の作成支援から事業場に合った外部機関選びのポイントまで幅広くアドバイスしています。

 ストレスチェックで高ストレスと判定されながら「自分は大丈夫」と思い込んでいた社員との面談では、本人も気づいていなかったストレスを可視化し、業務調整でメンタル不調を防いだこともありました。

 「法律がどんどん変わる中で、企業が把握できていない部分も多いかもしれません。情報提供をしながら、社員の皆さんが安心して生き生きと働けるように、そして経営者の方々が大切にしている思いや創業時の志を、もっと輝かせる力になれたら嬉しいです。特に産業医がいない小規模事業場の皆さんの支えになれたらと思います」

(取材年月:2026年5月)

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石川ちえみ

看護師経験を生かし働く人の心を支えるメンタルヘルスケアのプロ

石川ちえみプロ

キャリアコンサルタント・産業カウンセラー・心理相談員

は~とふるオフィスめいみー

看護師として31年培った医療知識で、身体面・心理面の両面から働く人をサポート。企業の課題に応じたオーダーメードの研修と相談対応で、社員と企業がともに輝ける職場づくりに貢献します。

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