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間(あわい)で見たもの

土方淨

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テーマ:ことば

見たことはないけれど


6月24日はUFOの日なのだそうだ。
残念ながら焼きそば以外のUFOは見たことがない。

子どもの頃は、UFOなんて名前じゃなく、「空飛ぶ円盤」と言っていた。
漫画やアニメに登場していた空飛ぶ円盤は定型化されていて、総じて「羽釜」みたいなものだった。
最近はいろいろなものが確認されているようで、先日あった人も、葉巻型のUFOを見たと言っていた。

フライング・ヒューマノイドというのがいるという。
人間の形をしたものが空中を浮遊するらしい。むろん私は見たことはない。

お江戸の空に見えたもの


隅田川沿いの東京都中央区東日本橋一丁目。江戸時代は矢の倉と呼ばれ、江戸後期には武家屋敷があった。
高松藩十二万石の屋敷もここにあったらしい。
松平頼胤(まつだいらよりたね)。複雑なお家事情の中、文政元年(1818)、7歳の時に讃岐高松藩の跡継ぎとなった。通称貞五郎。

彼が子どもの頃の話。家臣と一緒に凧あげをしていた。
すると空に何かが浮かんでいてこちらに近づいてくる。
近づいてきたその物体を見て驚いた。
ヒトなのである。
頭を下に、足を上にして、来ている衣服はまくれて頭や手にかかっている。
女性のように見え、号泣する声が聞こえたという。家臣も一緒に目撃した。
姿の見えない天狗が人の足を掴んで連れ去ったんだろうと話したそうだ。

江戸城には、登城したトノサマたちのお世話をする「坊主衆(ぼうずしゅう)」という役職があった。
近くにいるから色々と世間話もしただろう。松浦静山のような大名随筆家には大好物だ。だから書いた。


「ま」「あいだ」「あわい」



相手に何かを伝えるには「間(マ)」が大切だ。
何かの間であり、部屋のことも「間(マ)」という。
とりわけ、話をするとき「マ」は大切だ。
「マ」のないはなしは伝わらない。

一方で、「間」と書いて「あわい」と読む。
能楽師の安田登さんによると、同じ「間」という字を書くが、「間(あいだ)」は“挟まれた空間”で、「間(あわい)」は“交わった空間”なのだそうだ。
高松の若様はそんな空間を見てしまったのかもしれない。

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土方淨
専門家

土方淨(フリーアナウンサー)

合同会社淨

長年のアナウンサー経験で培ったスキルと、メンターコーチの資格を生かし、個々の目的に合わせた丁寧なレッスンを展開。実践的な練習を通して、自分なりの間合いをつかみ、聞き手を引き込む話し方の習得を目指す。

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