顧客の心の重荷を軽くする不用品回収のプロ寺坂真一

顧客の心の重荷を軽くする不用品回収のプロ

寺坂真一

不用品回収や生前・遺品整理、ゴミ屋敷の清掃など幅広いサービスを提供

　「使わなくなったタンスやベッドを処分したい」「自治体のルールに沿った分別の仕方が分からない」「空き家の残置物を撤去してほしい」といった声に応えるのは、「やくだち隊」（岡山市南区藤田）の隊長・寺坂真一さん。

　家具や家電、楽器、衣類、書籍、日用品といった不用品の回収や生前・遺品整理、引っ越しに伴う粗大ゴミの引き取り、介護施設に入居する際の家財の仕分け、ゴミ屋敷の清掃など、多様なサービスを提供しています。

　不法投棄が問題視される中、岡山市の許可を得た産業廃棄物処分業者として法令順守を徹底し、岡山市・倉敷市を中心に年間1400件以上の案件を請け負っています。

　「お客さまに『ありがとう』と言っていただけることがうれしく、何よりの励みです。故人さまの愛用品など一人で思い出の品を抱えていた方も、私どもがお力を貸すことで『やっと心の荷が下りた』と安堵（あんど）してくださいます」

　時には「物があふれ、何から手をつけていいか分からない」と途方に暮れる声も寄せられます。隊長としてチームを率いる寺坂さんは、顧客一人一人の気持ちに寄り添うことも大切にしています。

　「例えば、お客さまのお人柄や趣味を会話からくみ取り、冗談も交えながらリラックスした雰囲気で作業を進めています。ご家族に頼みづらいことも、私たちには話しやすいと言っていただけることが多いですね」

　「やくだち隊」という名前に込めているのは、「あなたのために役に立ちたい」という思い。2010年に創業して以来、地域密着で活動し、快適に過ごせる住環境づくりに取り組んでいます。

住まいを整え、「ありがとう」と泣いて喜んでもらえることが原動力

　かつて、重機の整備士をしていた寺坂さん。機械を修理して建設工事などを支えるのも充実感がありましたが、人と関わって「ありがとう」と言われる仕事がしたいと考えるようになります。

　転職して中古品を取り扱う店で働いていた時に、出向で赴いたのが「やくだち隊」でした。赴任して3カ月ほどたったころ、前任者が退職することになり「隊長をやってみないか」と誘われ、自分の裁量を発揮するチャンスだと快諾します。

　「現場に慣れるまでは大変でしたが、お客さまと顔を合わせて要望などを聞き取り、住まいをすっきりと整えるのは爽快で、やりがいも大きかったですね。今では要領をつかんで手際も良くなり、お客さまと雑談を楽しむ余裕が出てきました。必死に経験を積んできたからこそ、皆さまが信頼してくださるのだと思っています」

　きれいになったと涙を流して喜んでもらえることが、原動力になっている寺坂さん。「模様替えをしたい」といったリクエストを受け、ライフスタイルや家族構成に合わせてレイアウトをアドバイスすることも。顧客の目線に立って細部に至るまで心を配り、「片付けを通して顧客の人生に伴走する会社」を目指しています。

　「お客さまが亡くなる直前までご用命いただいたり、以前ご利用された方からお声がけがあったり、リピート率が高いのも弊社の特長です。また、近隣の方にご不安を与えないよう、作業前にはお客さま宅への出入りを事前にお知らせしていますが、その際のあいさつがきっかけとなり、新たなご依頼につながることもあります」

買い取りとリサイクルで「もったいない」といった顧客の負担を軽減

　「お客さまの金銭的、心理的ご負担を和らげるため、今後は買い取りを強化していく方針です。まだ使えるのにもったいないと、捨てることに後ろめたさを感じている方も、リサイクルすることで心を軽くしていただきたいですね」

　洗濯機や冷蔵庫、テレビ、ブランド品、骨董品など対象はさまざま。買い取りにより、不用品回収の費用を抑える仕組みを構築しています。

　「遺品整理をしていると、数百万円相当の貴金属が見つかることがあります。貴重品はお客さまにお渡しし、手放される場合は専門家を手配して査定もいたします。また、お写真やお人形、お仏壇など、ご希望の品の供養も承ります」

　地域にとって、困ったときに頼れる存在であり続けることも、寺坂さんが思い描く展望の一つ。常に迅速な対応を心掛けていると言います。

　「少しでも早く悩みを解決してあげたいので、ご連絡があればスピーディーに駆けつけるよう努めています。お客さまからは、『すぐに来てもらえて助かった』とのお言葉も頂戴しています」

　自分一人では手に負えなくても、「こんなことをお願いしていいのだろうか」「他人に見せるのに抵抗がある」と、オファーをためらうケースも。寺坂さんは戸惑う人たちに向けてメッセージを送ります。

　「私たちは荷物を片付けるだけでなく、心の整理や暮らしの再スタートをお手伝いしたいと思っています。事情や心情に配慮し、1件ずつ丁寧に向き合いますので、生活の中で困りごとがあれば遠慮せずご相談ください」

（取材年月：2025年7月）

片付けを通して顧客の人生に寄り添い、心の整理や暮らしの再スタートを応援

不用品回収や生前・遺品整理、ゴミ屋敷の清掃など幅広いサービスを提供

住まいを整え、「ありがとう」と泣いて喜んでもらえることが原動力

買い取りとリサイクルで「もったいない」といった顧客の負担を軽減

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