東日本大震災から学ぶ生命保険の大義

宮﨑栄一

宮﨑栄一

テーマ:生命保険アドバイス

こんにちは。創明コンサルティング・ブレインの宮崎栄一です。

昨日は、生命保険業界では著名な税理士の井上得四郎先生が主宰する「生保支援会計人協議会」の全国大会(東京・恵比寿のアックスコンサルティング本社にて)に出席してきました。

師事する井上得四郎先生が、「保険情報」という雑誌に書かれた「忘れられた生保販売の大義~保障と解約返戻金が救う~」という文章を、ここで紹介させてください。

『今回の大震災で、生命保険の販売について痛感したことがあります。それは「生命保険を売る大義」です。
生命保険は一体何のために売るのでしょうか?節税だとかに惑わされ過ぎてしまったのではないでしょうか?
例えば、節税商品としていちばん売れているガン保険、今回の大震災で役に立ちましたか?福島の原発で、ガンで亡くなられる方が増えるのでしょうか?
それが現実となっても、先の話です。節税目的でガン保険に入られて震災地の方々は感謝したでしょうか?あり得ません。生保の大義を忘れた売り方をしたからです。
これを書いている現在の東日本大地震の、死者9,523人、行方不明1万6,094人です。戦争以上の被害者です。この方たちに必要なのは「死亡保険金の大義」なのです。
かつて、私(注:井上先生)が生命保険会社に勤務していた昭和42年ごろのことです。息子さんが交通事故で亡くなられ、保険金を支払いました。
当時は振り込みではありません。風呂敷包みで、自転車で届けるのです。母親にお渡しすると、母親は土下座して、涙して感謝するのです。これが生命保険の大義です。
それが振り込みに替わり、何の感触もなくしてしまいました。集金業務もなく、口座振替になってしまった。毎月ご自宅を訪問する機会をなくしてしまった。そして大義も忘れられてしまったのではないか。
だから、わざわざ、契約内容の説明に行かざるを得ない状況になってしまったのです。メガバンクの通信機能が崩壊している大震災のなか、自転車で保険金を現金で届けたら、お客さまは感激して、生保の意義を感じてくれるのではないでしょうか。
二つ目の大義は新しい。解約返戻金という、加入目的です。すでに述べた通り、東京で事業をしている会社ですら、被害は大きい。
売上激減、返済必要、復興のための費用、これらは現金でカバーしなければなりません。くれぐれもご理解いただきたいのは「実質返戻率」でカバーされるのではない、ということです。
大震災の前には、実質返戻率など全くの無力です。現実的なのは「解約返戻金の金額」という絶対性です。この意味で、生き残れた場合の「力としての解約返戻金」は大きい。
今回の大震災は生保に大きな教訓を与えました。万が一の場合の保障と、生きていく力としての解約返戻金です。
その2つを兼ね備えているのは、ガン保険ではなく、逓増定期保険なのです。逓増定期保険の魅力は、この保障と解約返戻金にあります。いつも私(注:井上先生)がいう次の算式を思い起こしてください。

支払保険料累計-解約返戻金=掛捨保険料

この掛捨保険料の少なさ、保障能力の大きさ、逓増定期保険に勝るものはありません。いまこそ、この保障能力と解約返戻金の絶対額で大いに売るべきです。
お客さまにいざという時に感謝される販売とは何か。黒字も赤字も、節税も、返戻率も、しょせん空論です。』

生命保険の営業職員や代理店の方たちが読まれる雑誌なので、文章の対象がお客さま向けではないのですが、思いは伝わるでしょうか。

私たち「生保支援会計人協議会」のメンバーは、こうした井上得四郎先生の思いやノウハウを啓蒙していくための、勉強会やセミナーをこれから企画していきます。

また、「優績倶楽部」として立ち上げ一緒に研鑽を積む仲間を募集していきます。 ⇒
http://www.yuuseki.com/

今後の活動に、どうぞご期待ください。


【私たちの運営サイト】
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宮﨑栄一
専門家

宮﨑栄一(公認会計士)

(株)創明コンサルティング・ブレイン/公認会計士・税理士宮﨑会計事務所

公益性の高い社会福祉法人を永続させるためには、ガバナンスの強化と経営力の強化が必須です。今後、重要性を増す監事監査・内部監査の充実と会計監査の導入、新指導監査ガイドラインへの対応まで支援します。

宮﨑栄一プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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