「手段の目的化」のワナにご用心。目的からブレないことが大事(岡山県の中小企業経営者さまへ)
DXって結局、なんなん?
よく耳にする「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉。
なんとなくは聞いたことがあるけど、
実際に「じゃあうちで何をすればええんじゃ?」と聞かれると、
「うーん……」となってしまう方も多いんじゃないでしょうか。
しかも「DX=最新のITツールを導入すること」みたいなイメージが先行して、
「ウチには関係ない話じゃろ」「予算も時間もないし…」と感じてしまっている
中小企業の方も少なくないはず。
でも実は、DXってもっと地に足のついた話なんです。
派手な投資や大がかりなシステム導入のことじゃありません。
DXは「旅」みたいなもの。ゴールはひとつじゃない
DXを一言でいうなら、「デジタルの力を借りて、会社をちょっとずつ良くしていく」こと。
- 毎日くり返してる面倒な手作業を少しでも楽にしたい
- 社員の働きやすさをちょっと良くしたい
- お客さんとのやりとりをもう少しスムーズにしたい
そうした“今ある困りごと”を見直していくことが、立派なDXの第一歩なんです。
大企業のように何百人ものチームで一気に変革する…なんてことは必要ありません。
むしろ中小企業にとって大切なのは、“小さな成功体験を積み重ねること”です。
現場からの「これ、便利になったなあ」が変化のはじまり
ある製造業の会社さんでは、ベテラン社員の経験に頼っていた設備の稼働状況を、
安価なIoTセンサーで見える化したことで、
「カンに頼らず、誰でも設備の状態を把握できる」ようになりました。
すると、「あの作業は機械の稼働に合わせてやったほうが無駄がないな」
「次の段取りにかかるタイミングを変えよう」など、現場の会話も少しずつ
変わっていきました。
社長さんは、「IoTが自分たちの工場にも入ったことで、働く社員の意識が
少し前向きになったように感じる」と話されていました。
これまで“自分たちには縁がない”と思っていたことが、現場で実際に形になると、
「ウチでもやれるんじゃな」と気づくきっかけになったようです。
はじめは“課題探し”からでOK
DXは派手な改革じゃなく、“今のやり方を見直すこと”から始まる旅です。
- 毎日の手作業、これって本当に必要?
- ムリに社員が覚えてるExcel表、もっと楽にできない?
- 顧客対応、今よりうまく回せないかな?
そんな問いかけから、DXは動き出します。
だからこそ、「何を導入するか」よりも、まずは「どこに困りごとがあるのか?」に
目を向けることが大切なんです。
まとめ:小さな一歩が、会社の空気を変えていく
- DXは、今ある業務をちょっとずつ見直していく“旅”のようなもの
- ゴールは会社ごとに違ってOK。大切なのは“ありたい姿”を持つこと
- 大きなことをいきなりやらなくていい。小さな改善からはじめよう
- 「これ、便利になったな」が、社員の意識と会社の雰囲気を変えていく
「なんかええこと言うとるけど、ウチにできるんかいな…」と感じた方、
外部の専門家と一緒に、進めていくという選択肢もあります。
次回は、「IT導入が目的になってしまう落とし穴」について、一緒に考えていきましょう。



