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治療と予防の両立を大切に!一人一人に合わせたケアで健康な歯を

「8020」を目指す予防歯科のプロ

中村壮一郎

皆さまの歯を「治すだけでなく良くしていきたい。」と中村壮一郎院長
国道53号沿いの洒落た建物がDorf中村医院

#chapter1

セルフケア&プロケアでしっかりプラークコントロール

 国道53号沿い。岡山市立京山中学校前に、歯科・小児歯科・歯科口腔外科を専門とする「Dorf中村歯科」(岡山県岡山市北区津島京町)がある。 ベージュとオレンジ色でコーディネートした明るい院内は、個室の診察室やキッズルームを完備し、リラックスできる雰囲気。院長の中村壮一郎さんは「皆さまの歯を治すだけでなく、もっと良くしていきたい」という思いで、30年来学んできた予防歯科の観点から診療を行っています。

 「虫歯や歯周病は、細菌が原因で起こります。歯垢(プラーク)の90%以上は細菌です。これまでの歯科の治療は、患部に詰めものをしたり、かぶせたりして治療する『対症療法』が主流でした。しかし最近は、口の中全体をまず診察し、虫歯や歯周病の原因菌をコントロールする『原因除去療法』へと変わってきています。当院でも、患者さま一人一人の口の中を生涯にわたってトータルにとらえ、まず予防を実践します。虫歯を出来にくくするのはもちろん、口臭や歯周病の改善にも予防のテクニックは欠かせません」と中村さん。
 
 具体的な治療としては、原因除去療法としてもっとも重要な「歯垢清掃」(プラークコントロール)を行います。まずは検査をしてプラークの状態を把握し、家庭での歯ブラシやデンタルフロス(糸ようじ)、歯間ブラシの使い方を懇切丁寧に指導します。家庭でできない汚れ落としは、1~3カ月に1回の定期健診を含め、歯みがき・術者みがき、PMTC(歯の表面の研磨)など医院独自のケアを。「家庭でのセルフコントロールと、医院でのプロフェッショナルコントロールの両面から万全な予防をしていきます」と中村さん。

#chapter2

アメリカの予防歯科学を学び、大切さを伝え続けて30年

 倉敷市児島で歯科医院を開いていた父の背中を見て育った中村さんは、自然に自分も歯科医を目指すようになりました。大阪歯科大学を卒業後、大阪・心斎橋にある歯科医院で4年間勤務。ちょうどその頃、アメリカで予防歯科を学んで帰国し、大阪で勉強会を開いた先生方が主宰する「ODRG(大阪デンタルリサーチグループ)」に入り研究活動を始めたのだといいます。

 「父とは4年の研修を終えると帰郷するという約束でしたが、予防医学の勉強に没頭するあまり、そのまま大阪で医院を開業しようと決めました」と中村さん。以来15年間大阪で歯科医院を経営。治療面では、スタディークラブで学んだ予防医学を取り入れた治療を行ってきたそうです。1998年、実家の父が高齢になったこともありついに帰郷することを決意。交通アクセスのよい現在地に開業しました。

 ODRGで学んだ予防医学は30年前にはまだ日本ではほとんど知られておらず、患者さんへの説明にも苦慮したという中村さん。けれども地道に予防の大切さを伝え続けています。「毎日続けられるブラッシングやデンタルフロス、歯間ブラシの使い方などを丁寧に指導していきたいですね」と中村さん。

親切・丁寧な歯科指導が評判のスタッフ一同

#chapter3

皆さまの「町のかかりつけ医」として気軽にご相談を

 中村さんが、歯科医になって以来ずっと目標にしてきたのは「治療をするだけでなく、一生涯健康なよい歯と歯ぐきを作りたい」という思い。これは、1989年から日本歯科医師会が推進してきた「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という「8020運動」に通じます。「20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。一生涯自分の歯で食べることができるのは幸せです。そのためには、できれば子どもの時から、さかのぼれば妊娠中の女性にこそ意識していただきたいことなのです」と中村さんは力を込めます。

 近隣の中学校の校医を10数年間務めてきた中村さんは、最近では子どもたちの虫歯が減ってきていることをよい傾向だと感じているそう。「虫歯になる前にフッ素塗布をしたり、幼児期からフッ素入りの歯みがき粉を使ったり、家庭や学校にも予防歯科の考え方が浸透してきた成果だと思います」。中学校でも年1回、虫歯や歯周病予防について生徒に講習する機会を持っており、家庭や学校を通じて地域にもさらに深く広めたいと、活動しています。

 こうしてライフワークとして続けてきた予防歯科の普及活動。「私は、医院では患者さんの生活習慣を変えるお手伝いをしているのだと考えています。患者さんに寄り添い、一生涯、継続をできるようサポートしていきたい。今後も『町のかかりつけ医』として、予防歯科のホームドクターとしてお手伝いをしていくことができれば」と中村さんは思いを語ってくれました。
(2015年5月取材)

◇虫歯・歯周病と口腔ケアについて、Q&Aでまとめてみました。ご自身や家族の症状と照らし合わせて読んでみてください。
Q 虫歯と歯周病の違いを教えてください
A 原因となる細菌が違います。虫歯菌は歯の表面や咬み合わせの溝、歯と歯が接触している面に多く存在します。食事の後に虫歯菌が糖質(ショ糖)を分解し歯垢を作り、酸を出すことにより歯を溶かしていきます。対して、歯周病菌は歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)に存在し、歯ぐきの内面を破壊し潰瘍(かいよう)を形成します。そして、歯周病菌が血管の中に入ると全身の臓器に運ばれて様々な病気をひきおこします。進行すると化膿し、歯ぐきが腫れ、歯をささえる骨を溶かすことで歯が動揺し抜け落ちてしまうこともあります。

Q 歯科医院での口腔ケアは何ですか?
A 歯垢は歯石になると自分では取り除けないのでクリニック専用の器具で歯石を取り細菌をコントロールします。歯周病菌は死滅させても、細菌の細胞壁に有害物質が含まれているため、レーザーなどで殺菌・無毒化も行う必要があります。2つの菌の特徴を理解して、日々の口腔ケアと歯科医院でのケアを行うことが大切ですね。

Q お家でできる口腔ケアは何ですか?
A 自分にあった歯磨きや歯間清掃などに加えて「ガラガラうがい」もしましょう。喉には繊毛があり、振動することで細菌やウイルスなどを粘膜と一緒に排除しています。ですが、体調を崩したり空気が乾燥したりすると喉の粘膜にとどまってしまうことがあります。まずは、お家に帰ってきたら1回。上を向いて5秒程度、水を喉のほうにもっていくイメージで行います。粘膜が傷ついてしまうこともあるのでやりすぎには注意しましょう。行う順番も大切です。口腔内の歯を喉の奥に送ってしまわないように口腔内を歯磨きと「ぶくぶくうがい」できれいにしてから「ガラガラうがい」をすると効果的です。
 「舌苔(ぜったい)」の付着予防や「舌クリーニング」もお勧めです。舌苔は、舌の表面にある舌乳頭という細かい突起に食べかすや細菌などが付着してできた白い苔状のかたまりです。舌苔の除去を怠ると、口腔内の悪玉菌を増やし、口臭や免疫力の低下を引き起こします。舌ブラシで強くこすると舌の粘膜や味を感じる味蕾(みらい)を傷つける恐れがあるので、まずは自分にあったお手入れの指導を受けましょう。

中村先生から一言
当院は皆さまの「かかりつけ歯科医」として、予防歯科・歯周病治療・虫歯治療・インプラントを中心に行っております。また、歯垢や口腔内をチェックして虫歯菌の数や歯周病の程度を調べる「簡易検査」を行っています。今のお口の状態を知ることで、より適切なブラッシングや生活習慣に繋がります。まずはお気軽にご相談ください。

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専門家プロフィール

中村壮一郎

「8020」を目指す予防歯科のプロ

中村壮一郎プロ

歯科医

Dorf中村歯科

患者さまが一番困っている箇所を早期に解決(主訴の解決)し、お口の健康状態をチェック(診査・診断)。丁寧な歯みがき指導や術者による歯の研磨など、予防のためのケアにより生涯自分の歯を残すよう治療します。

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