【知らなきゃヤバい】津波に一瞬で飲み込まれる人が地震直後にとる行動10選。意外にしてる人多すぎです。

皆さん、こんにちは。HIRO防災です。
今回は、避難所の女性から寄せられるSOSについて、深く掘り下げていきたいと思います。
避難所運営においては、過去に取り上げられてきた「クレクレ問題」(物資要求の集中)以外にも、
女性特有の、そして命に関わる深刻な問題が存在します。
大地震などの災害が発生した場合、残念ながら犯罪も起きやすくなるという現実をしっかり認識しておく必要があります。
例えば、過去には熊本自身などで空き巣の被害が多発したり、悪徳業者による詐欺電話が確認されたりしています。
南海トラフ巨大地震などの将来の災害においても、同様の事態が起こると覚悟しておくべきです。
特に避難所生活において、女性が直面する超理不尽な「負のループ」すなわち性犯罪リスク、健康危機、 そして無意識の役割固定化が生む負担について、元消防士の視点から解説します。
自己紹介

私は大分県別府市の消防本部で約10年間勤務していました。
消防隊、はしご隊、救助隊などを経験し、
平成28年熊本地震での災害活動や、大分県中津市の山崩れ、広島県の豪雨災害での捜索活動など、多くの大規模災害現場での経験があります。
この経験をもとに、皆様に分かりやすく防災について発信していきたいと思っています。
では、解説します!
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第1章 性被害のリスクと「命を脅かす我慢」

避難所における女性特有の最大の問題として、多くの人が性犯罪を真っ先に思い浮かべるでしょう。
過去の事例として、女性がトイレに行った際の覗き見、授乳中の覗き見、車の中で体を触られたといった被害も起きています。
警察も「災害便乗罪」について注意喚起を出しています。
1. 女性が気をつけても解決しない問題
重要なのは、これらの性犯罪や性被害のリスクは、女性が気をつければどうにかなるというわけではないという点です。
周囲の男性、特に避難所を運営するメンバーが、しっかりと対策を取る必要があります。
2. 危険を避けるための「水分我慢」の連鎖
性犯罪や危険な目に遭うことを恐れる女性の中には、トイレに行く回数を減らすために水分を飲まないようにするという行動をとる人がいます。
しかし、これは健康と命に直結する非常に危険な我慢です。水分を我慢すると脱水症状に陥るほか、女性は膀胱炎になりやすいという特性があります。
さらに、膀胱炎の細菌が腎臓に移ると腎盂腎炎となり、最悪の場合、細菌が血流に乗ることで敗血症(意識障害などを伴い、命に関わる)に至るなど、
取り返しがつかない事態になります。
我慢によって体調が悪化し、また我慢する、という流れは「負のループ」に入るだけです。
この負のループを断ち切るためにも、男性を含めた周囲が状況を認識することが重要です。
第2章 無意識に固定化された「性別役割」と理不尽な負担

女性特有の問題は性犯罪だけではありません。「性別による役割分担」も過去に大きな問題となっています。
1. 炊き出しと家事負担の集中
避難所では炊き出し(食事の準備)があったりもしますが、
「家事は女性がするもの」「ご飯を作るのは女性の役割」という認識を持つ人が多い場合、
炊き出しや掃除といった家事全般の負担が女性に集中してしまいます。
過去の事例では、女性が朝から晩まで炊き出しや掃除を担い続けたり、強制的な雰囲気に流されてしまったりすることがありました。
この過剰な負担は女性のストレスとなり、最悪の場合、倒れてしまうリスクがあります。
もし女性が倒れて稼働しなくなれば、避難者全員が食事を食べられなくなるという、さらに深刻な事態を引き起こします。
2. 負担を平等化するための具体的な仕組み
本来、女性側から「負担が重い」と打診させるべきではありません。
この理不尽な負担を解消し、一部への集中を防ぐためには、運営の仕組み作りが不可欠です。
具体的には、運営側が当番表を作成し、見える場所に掲示することです。炊事、掃除、廃食、受付、見回りといった仕事を分解し、
例えば30分程度で順番にローテーションする仕組みを明記し、担当をつけることで、特定の性別や個人に負担が偏ることを防げます。
第3章 暗闇と集団生活におけるリスク軽減策

避難所生活では、暗闇と集団生活によって生じるリスクも深刻です。夜間の暗い、見えにくい、人目がない状況は、女性に強い不安を与え、
覗き見やつきまといへの恐怖から「動きたくない」という心理状態を引き起こします。
また、夜間に移動せざるを得ない状況では、転倒や迷い込みのリスクが高まり、精神が錯乱状態になることもあります。
1. 運営による「環境と運用」の整備
これらのリスクに対し、女性一人に「気をつけて」と言うだけでは限界があります。避難者を守るためには、環境と運用で守る必要があります。
• ゾーニング(空間の分離):
女性専用のスペースを設け、簡易的なカーテンなどでプライバシーを保護します。 また、整理用品(ナプキンなど)は、恥ずかしさを感じずに受け取れるよう、黒い袋などにまとめて女性スペースで受け取れるよう工夫する(ゾーニングする)ことが大切です。
• 照明の工夫:
トイレ、廊下、出入り口付近に小さな明かりを置くだけでも、真っ暗な状態とは大きく異なり、安心感につながります。
• 見回り体制:
2人1組で時間を決めて巡回し、腕章や名札を着用することで、避難者に「24時間見守ってくれている」という安心感を与えることができます。 入り口に「見守り椅子」を設けることも有効です。
• 相談窓口:
相談先として男女各1名の担当者を決め、電話番号などの連絡先を掲示板に明記しておくことも重要です。
• 緊急時の対策:
笛や防犯ブザーといったすぐに助けを呼べる手段を用意しておくことも有効です。
第4章 負のループを断ち切るための「仕組み作り」

大地震発生直後の混乱した精神状態では、避難所の運営側も完璧に配慮するのは難しいのが現実です。
だからこそ、仕組み作りと、女性自身の参画が不可欠となります。
1. 女性が運営の中心へ
いくら支援物資が届いていても、恥ずかしさや不安から使えない、取りに行きたくない状況では意味がありません。
女性が運営メンバーに入ることは、この負のループを断ち切るための鍵です。
女性が運営に参加することで、整理用品の取り扱い、授乳の動線、夜間の不安といった言い出しにくい困り事が表に出やすくなり、改善サイクルが早まります。
実際、国も防災の中心に女性が少ないことを指摘しています。
2. 初日に決めるべき3つの運営の工夫
長期的な避難所運営で皆が過ごしやすい環境を作るためには、以下のような運営の工夫を初日に決めておくことが推奨されます。
1. 班制度の導入。
2. 当番表の作成。
3. 時短参加の徹底
例えば、一回の作業時間を30分など短時間に区切り、ローテーションを回すことで、メンタル的な負担や疲労を軽減できます。
良い提案はまず試してみる、という改善のサイクルを回すことで、避難所生活の質は確実に向上します
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いかがでしたか?
このコラムが皆さんの防災知識の参考になれば幸いです。
HIRO防災では、他にも災害対策に関する様々な情報や動画を発信していますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
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