地方の消防署で10年勤務。消防人生で苦労したこと〜『退職』編②

矢方滉将

矢方滉将

テーマ:公務員試験


こんにちは!
株式会社ヤヲキ代表、東消塾講師のHIROです!
私は専門学校卒業後、大分県別府市の消防署で10年間働いていました。
前回に引き続き、今回は、
消防人生で苦労したこと〜『退職』編②になります。
前回の記事はこちら
これで最後になります。
この記事は私が消防を目指して試験勉強するところから、
10年間消防士として働いて退職するまでのストーリーです。

前回のあらすじ

消防署で勤務をしていく中で、
自分が仕事している以外なにも取り柄がないと思いはじめて
とりあえずなにか趣味がほしいと思い、登山に挑戦しました。
その登山をきっかけにいろんなモノの見方が変わったり
一度の人生、いろんなことに挑戦したいと思い、
消防士7年目くらいの時に退職を考えるようになりました。
もちろん消防の仕事は好きでしたが
公務員って副業がNG。
いろいろ動きましたが、すぐに副業解禁になる時代はこないですし
当時30歳手前だった自分は、
決断するなら今だと思い、退職への道を歩み始めました。
公務員の副業が当たり前になる時代も目前だと思うので
いま、消防士を目指している人は、若いうちに『安定×挑戦』ができる。
そんな最高の環境で勤務できますね!
それでは本題に入ります!

映像制作を仕事にする


前回の記事で話しましたが、
元消防士で起業されていた方と出会い、軽い感じで映像制作をやると決めました。
もちろん登山をしていく中で写真や映像に没頭していたのも重なったので、それも大きいですが。
それから私はとにかくスキルをつけようと思い、
ほぼ独学で映像制作のスキルを身につけていきました。
少しだけクリエイターさんから教えてもらいましたが、
勉強に使った教材は、ほぼYouTube。
YouTubeで発信しているクリエイターは基礎的な編集方法を山ほど解説しています。
今までのアウトドア関係の趣味を全部捨てて、インプットの時間にあてる。
仕事以外はそんな感じでずっと次の準備のために動きました。
今の時代、やろうと思えばなんだってすぐに挑戦できますね。

救助隊に配属される


そんな中、職場の勤務異動がありました。
私がその時いたのは、出張所の消防隊。
災害出動以外の時間は結構ゆったりした感じで時間が流れていました。
消防署って、その時の隊のメンバーや場所によって
勤務の流れが大きく変わるのでおもしろいですよ。
そんな感じで、休憩時間も多いので、次の仕事のことを考えている私からすれば
空いた時間に勉強ができるので最高の環境だと思っていました。しかし、、
人事異動でまさかの救助隊に配属。
別府市の消防本部は試験制ではないので、
ある日突然救助隊に配属される。そんなことがあります。
一応、自分がどんなビジョンをもって
どこの隊に行きたいのか自己申告するのですが
隊編成の都合だったり、トップの采配だったり。
いろんな都合で配置されるので、本当にランダムです。
そんな感じなんですが救助隊に配属されると、
『プライド持てよ』
『救助隊が引っ張っていかないといけない』
『救助隊が一番体力あって当たり前』
そんな風潮があります。
もちろんその考えはありだと思いますけど試験も特にない中で、突然配属になって、
『お前救助隊だろうが!』的な感じで当たられるときついですよね笑
中にはそんな人もいます。笑
正直救助隊の異動はかなり複雑な心境でした。
今まで配属されたことがないので覚えることもかなり多いですし、
引っ張っていかなきゃならない。みたいな立ち位置。
でも決まったので、仕方がないですよね。
仕事は仕事。そう思って気合いを入れていきました。

真剣なフリをするのに疲れる


救助隊に配属後、すぐにゼロからいろんなことを覚えました。
救助隊って扱う資機材が、他の隊と比べてもかなり多いんです。
ですけど、勤務がはじまったら、出動があるので
急ピッチで機材の配置や扱い方を覚えなきゃいけません。必死でしたね。笑
メンバーにはかなり恵まれていて、上司としても人間としても
リスペクトできる方々だったので、勤務自体は大変でしたが、楽しかったです。
不幸中の幸い、、なんて思ってましたね笑
ですが、自分にはもう全く別の目標がある。
でも周りには伝えてないですし、
『やる気ないです』なんて言えるはずもなく
やる気のない自分にもなりたくありませんでした。
ですけどやっぱり、勤務していると映像制作の仕事のことで
心ここに在らず。が続くこともあり、
本気で学びにいく姿勢を心からは持てませんでしたし
本気でやっているようなフリをしていつも過ごしていた気がします。
親身になって指導してくれる上司にかなり申し訳ない気持ちでいつもいました。
超複雑な心境でしたね。

退職の意を伝える


そんな感じで救助隊勤務も1年が経過。
私は、順調に映像で仕事を始める準備も進んでいました。
ある程度の貯金とある程度のカメラ機材を揃え、
休みの日は、当時繋がっていたクリエイターさんの現場に呼んでもらい、実績を積みました。
また、事業を始めるなら人脈も必要だったので、
あらゆる手を使って、人脈作りに励みました。
※悪いことはしてないですよ
例えば、居酒屋さんのカウンターで店主に自分の目標など語って
店主さんから、人を紹介してもらったり、知ってもらったり。。
かなりアナログですが、こういった小さいことが本当に今に繋がっています。
なにか事業を始めようとするなら、小さなことからでも丁寧に
積み重ねていくことが後に大きなことにつながります。
私自身何度もコレは経験したので、間違いなく言えることですね。
特に、自分が未経験の業界に突然足突っ込んで、自分で事業立ち上げるなら大事です。
その業界の人間が独立するのはよく聞きますが、
大抵、下請けとして仕事をもらえるパイプがあります。
それがないなら自分で仕事をとりにいくしかないですし
突然初めてもまずうまく行きません。
前職中にできる初期投資(お金も人脈作りも)は、すべてやりました。
もう来年にはいけるな。と思い、そこから当時の救助隊長や管理職の方々が
事務所に一人でいるタイミングを見計らって、、
『折入ってお話ししたいことがあります!』
と言って全てを伝えました。
この瞬間って緊張しますよ!笑
なんか裏切ってしまったかのような感覚になったりしますし、、
結構熱量を持って仕事をしてる。と上司も私のことを見てくれていたようで
かなりびっくりされました。
止める人もいれば、後押ししてくれる人もいて。
愛されてるなと感じましたね!
ですけど自分の中では決断と準備はできていたので、
止められても、退職の意思は一切変わりませんでした。
たぶんココで人に言われて迷うようなら、退職しない方が良かったと思います!
まあ、かなりスッキリしました。
まだ周りの隊員は、ほとんど知らないけど、組織内に自分の状況を
理解してくれている人がいるってことがかなり救われます。

ラスト1年


退職の話を伝えてから、残り1年しっかり頑張ろうと、改めて心を入れ替えました。
結局最後まで救助隊だったんですけど、
実は、最後1年は救助隊を降ろして欲しい。と本気で相談もしてました。
救助隊って、なにかとイベント事や訓練の企画
(救助指導会(大会)など、、休日返上するイベントなど)があったので
できれば、そこの負担を減らしたいと思っていたからです。
ですけど、そんなワガママは却下されましたね!笑
時が経つにつれて、周りの方には少しずつ話していきましたが
消防署って噂がすぐ回る(ネガティブな噂は特に)ので、私が話した時は
だいたいみんな知ってるって感じでしたね!
気まずいなあと思いながらも、今までと変わらず普通に接してくれる職員。
本当に感謝しながら、ラスト1年は過ごしましたね。
やめると決まっていても訓練や体力錬成への姿勢は変えずに過ごしましたし救助指導会にも出場しました。

自分が力になれることはなにか


退職まで残り半年。何か自分ができることで恩返しがしたいと思い、
色々考えたんですが、コレしかないと思いました。
『プロモーションビデオ』の制作。
自分が新しいことを始めるなら、そのスキルで
最後少しでも力になりたいと思いました。
まあ、自分自身の映像制作の実績にもなるので。
という気持ちもありましたけどね!笑
これは絶対にやりたいと思い、すぐに上司に相談すると
快く受け入れてもらい、消防長まですんなり通りました。
やりたいことは言ってみるモノですね笑
その時作った映像がコレです↓

映像業を始めて2年経ってみると、色々ツッコミどころ満載でやり直したいと思いますが、
この映像は自分の原点とも言えるので今でも自信を持って営業先で見せたりします。
結構この映像を見て感動してくれる人も多く、作ってよかったなと思います。
別府市消防本部さん、採用ツールとしてこれからも有効に活用してくださいね!笑

退職


無事に映像も作り終えて、すぐに退職の日がきました。
約10年努めた消防署。
ほんとに理不尽なことも多かったですが、それ以上に学ぶことも多く
人に恵まれて、かなり成長できたと思っています。
自分は決して消防署が嫌でやめたわけではなく、
人生の目標に対する手段として、退職を選んだ方が良かっただけです。
今の自分があるのは消防署で過ごしたおかげだと思いますし
いろんな困難に直面しても、押し返せるくらいの根性がつきました。
他の仕事にはない魅力が消防にはあります。
ここまで読んでくれたあなたはきっと現役消防士か、
消防士を目指している方だと思います。
やめた私が言うのも説得力ないかもしれませんが
消防という仕事はほんとに素晴らしいです。
ぜひ熱い気持ちを持って消防士として多くの人の力になってください!応援してます!
また、消防士を目指している方はぜひ下記のインスタグラムをのぞいてくださいね!
消防士を目指す方向けのオンラインスクール(東消塾)の講師もしてますので
ぜひ全力でサポートさせてください!これまで数百名の合格者を輩出しています。


映像制作の方(個人から法人の方幅広く対応)もご依頼待ってまーす!

では、この話も長かったですが、コレで完結させていただきます!
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!!

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過去の記事はこちら⇩
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
第8話
第9話

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矢方滉将
専門家

矢方滉将(映像クリエイター)

株式会社ヤヲキ

『会社の認知度が上がらない』そのような悩みを持つ方方々が、有効に活用してもらえる映像を提供し、業態に応じた発信方法まで徹底してサポートしています。

矢方滉将プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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