第2回:エンディングノートは家族への贈り物
50代・60代になると、多くの方が「親の介護」と「自分の老後」の両方を考えなければならない時期を迎えます。介護は突然始まることも多く、心の準備や知識がないままに対応せざるを得ないケースが少なくありません。
例えば、親が倒れて入院した後、退院するときに病院から「介護が必要ですから、介護保険の申請をしてください」と言われる場面があります。ここで初めて「要介護認定」という制度を知り、慌てて市役所や地域包括支援センターに相談する方がとても多いのです。申請から認定が下りるまでに1か月程度かかるため、その間に在宅介護をどうするか、家族が右往左往することも少なくありません。
また、介護の程度によって選べる施設も変わります。
・要支援1・2ならデイサービスや訪問介護を使いながら自宅で暮らせます。
・要介護3以上になると、特別養護老人ホームへの入所が検討できるようになりますが、待機者が多くすぐに入れないのが現状です。
民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は入居しやすいですが、費用が高めになる傾向があります。
こうした選択肢は、事前に家族で話し合っていなければ「どうすればいいの?」と混乱し、本人の希望とは違う形で決まってしまうこともあります。
私自身も父の介護が必要になったとき、父はまだ自分で動けていたので「介護認定などまだしない」となかなか認定を受けてくれませんでした。その結果、家族に負担がかかることになりとても大変な思いをしました。
そのときに「もっと父と介護のことを話せていたら、もう少し良い時間を過ごすことがきただろう」と強く感じました。
親の介護を経験することは、必ず「自分の未来」を考えるきっかけになります。いずれ自分が介護を受ける立場になったときに「どんな暮らしを望むのか」「施設を利用するのか、自宅で過ごしたいのか」を少しずつ整理しておくこと。それは家族への思いやりであり、自分自身の安心にもつながります。
終活は、親から学んだ経験をもとに未来を整えていく“バトンリレー”。BLESSは、そのリレーを支える伴走者として、皆さまの安心づくりをお手伝いしています。



