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相談から製作、アフターケアまで、経験豊富な一級畳技能士が一貫して対応

スピーディーな施工と対応力で快適な畳ライフをかなえるプロ

中川義秀

中川義秀 なかがわよしひで
中川義秀 なかがわよしひで

#chapter1

予算・用途・空間に合わせて提案し、「ベストな状態」でお届けすることが畳職人としての役割

 調湿機能などを備え、日本人の暮らしに寄り添ってきた畳。土台をなす畳床(たたみどこ)に畳表(たたみおもて)をかぶせ、畳縁(たたみべり)でへりを止めて仕上げます。
 畳床にはワラや発泡スチロール、畳表はイグサや和紙、樹脂などが用いられ、畳縁に使う布も色・柄ともに多様。職人はこれら素材を組み合わせ、1枚1枚製作していきます。

 「当方のお客さまは個人の方や建築業者さんなどです。一戸建て住宅やマンション、寺院、病院、空港、銀行、企業の休憩室と、納品先は多岐にわたります」と話すのは、新潟市で1964年に創業した「中川畳店」の2代目、中川義秀さん。

 国家資格である一級畳技能士や、教育を担う職業訓練指導員免許を保有。厚生労働省が制定するものづくりマイスターにも認定されるなど、確かな実績を頼りに、和室が減って畳離れが進む昨今において、多くの顧客を抱えます。多忙な毎日であっても、スピード感と柔軟な対応を心掛けているとか。

 「畳表を交換する『表替え』や裏返して張り直す『裏返し』の場合、お部屋から引き取って作業するため、お客さまにご不便をかけてしまいます。朝お預かりした際は夕方にお返しするほか、曜日や時間帯などのご要望にも極力お応えしています」

 何事にも律儀に取り組む中川さんですが、「私は、ある意味では畳へのこだわりがない」と笑います。
 「こだわりはお客さまの中にありますから。素材も仕様も価格もさまざまある中から、お客さまのご予算、用途、空間に合わせてご提案し、ベストな状態でお届けするだけです」

#chapter2

在学中から技能競技大会で優勝。仲間と切磋琢磨した訓練校時代が原点

 家業に入って四半世紀余り。1日3~4件の現場を掛け持つ日々を送っていますが、クレームはほぼないそうです。
 「ミスをやり直す時間があるなら、次のお客さまのところに駆けつけてあげたいので。正確さを期するのは時間の節約のため」と中川さん。仕事の精度を上げる姿勢は、埼玉県畳高等職業訓練校で養われたもの。全国から畳技能士を目指す若者が集まり、互いに切磋琢磨する場所だったと言います。

 「新入生は針の持ち方から教わります。体に染みこむまで、手縫いなどの基礎訓練を繰り返しました。他にも、畳の歴史や寸法学、品質、特徴など、技能士として必要な知識と技術をたたきこまれます。3年間のカリキュラムで、後半は提携事業所で現場経験も積ませてもらいました。あの時がむしゃらに畳と向き合ったおかげで、多少のことでは動じなくなりましたし、技能士として自信がつきましたね」

 在学中に頭角を現した中川さんは、埼玉県技能士会連合会が主催する技能競技大会で埼玉県知事賞最優秀賞と、川越市長賞を受賞。首席で訓練校を修了しました。当時の校長が贈った「譲ることを覚えなさい」「売れる畳を作るのではなく、喜ばれる畳を作りなさい」という言葉を、今も心にとどめています。

 「技術はお客さまのために役立てるもので、自分の腕を誇るためにあるのではない。また畳屋は時に寝室へも上がらせてもらいますから、目先の利益ではなくお客さまに信頼していただくことが第一。そんな意味に捉えています」

中川義秀 なかがわよしひで

#chapter3

畳の良さを多くの人に知ってもらい、1枚でも多くの畳を次世代に残したい

 畳づくりに豊富な知見を持つ中川さんのもとには、街の人からたびたび質問や困り事が寄せられ、一種の“駆け込み寺”のようになることもあるとか。

 「一口に畳店と言っても、職人の技量も料金もそれぞれに異なります。最近は『広告や電話で安く畳替えができるとあったけれど信じていいのか』といったお声が多く、『安価で済んだけれど、隙間や段差が生じてしまった』と修正依頼にいらっしゃるケースも増えています。一度嫌な思いをすれば『畳はもういらない』となる。業者の質の担保は業界の将来にも関わりますので、当店がお力になりたいと考えています」

 疑問や不安などを払拭し、少しでも気持ちよく利用してもらいたいと、中川さんは無料のメニューを用意。畳に関する相談や見積もりをはじめ、畳の隙間補修と段差調整、家具の移動、引き取り・納入時の清掃は費用なしでサービスしています。必ず自ら現場に出向くので、顧客のリクエストにきめ細やかに応じられるのも強みです。

 畳の世界でも機械化が進行する今、顧客満足につなげるため、中川さんも段階的に設備投資を行い、操作法の習得などに努めています。
 「住まいに畳を取り入れてもらうには、業務の効率化を図り価格を抑えることが重要です。お客さまにとって畳が身近になり、定期的なメンテナンスにより長くご愛用いただくことで、畳という伝統文化を次世代に継承していくことが私の願いです。1人でも多くの方に畳の良さを知っていただき、1枚でも多くの畳を残していきたいですね」

(取材年月:2022年12月)

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中川義秀

スピーディーな施工と対応力で快適な畳ライフをかなえるプロ

中川義秀プロ

畳職人

中川畳店

個人・法人を問わず幅広く施工して25年余り。豊富なキャリアに裏打ちされた技術が実現するスピード感と、ユーザーに合わせた柔軟な対応で、快適な畳のある暮らしを提案する。

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