宝石鑑定士、ジュエリーと貴金属のプロ小野寛明

宝石鑑定士、ジュエリーと貴金属のプロ

小野寛明

結婚指輪、婚約指輪、オーダーメイドジュエリー、リフォーム、修理、買取りを手掛け、数多く相談に対応

　「二人の愛を誓う結婚指輪をはじめ、記念日や誕生日、自分へのご褒美など、人生のさまざまな場面で購入するジュエリーにはストーリーがあります。宝石鑑定士のスキルと永年培ってきた審美眼を備えた当方が、大切な記憶として紡がれていく、かけがえのない逸品をかなえるお手伝いをいたします」

　そう語るのは、宮崎県延岡市にある「Jewel MIKI ジュエルミキ」の代表で、宝石鑑定士の小野寛明さん。1977年に両親が創業した店を継ぎ、ブライダル（結婚指輪・婚約指輪、婚約ネックレス）、ネックレスや指輪、イヤリング、ピアスのオーダーメイド、ジュエリーのリフォームや修理、買取、そしてジュエリーに関するあらゆる相談に応じています。

　「私どもは、創業以来『信頼』『安心』『高品質』をモットーに、ジュエリーを通じて幸せのお手伝いをさせていただいております」

　ブライダルにも力を入れる小野さん。ダイヤモンドを施したエンゲージリングやエンゲージネックレス、毎日つけるマリッジリングを決めるにあたり、二人の声に耳を傾け、双方が納得できる1本が見つかるまで細やかにサポートしています。

　「結婚指輪は『幸せの証し』と言われるように、ジュエリーの中でも特別な思いが込められるものです。お二人が長きにわたり仲むつまじく過ごせるよう、『ずっとつけられる指輪』を扱っています。金婚式を迎える50年先まで身につけることを想定し、指なじみの良さやメンテナンス性にこだわっているところに共感し、取り入れています」

規模や店舗数ではなく一人一人の顧客に感動と満足を与える店作りを目指す

　日常的にジュエリーに親しんできた小野さんは、23歳で宝石鑑定士の資格を取得。東京の商社で目利きの経験を積んだ後、延岡に戻ります。

　「帰郷した当初は、従業員を雇い事業を拡大したいという野望に満ちていました。資格を有し、商社での営業成績も良く自信に満ちていましたから、流行の先端を行く東京と延岡のギャップを埋めてやると意気込みました」

　結婚式場とタイアップして結婚指輪を販売するブライダル事業が成功し、延岡市の他に宮崎市や大分市にも店舗を構えます。金の価格が上がり始め、取引の市場が活発になると買い取り専門店も出店。10店舗近くを展開するようになりました。

　「経営業務に加え、サービスの質を保つため人材育成に携わることが多くなると、『何か違う』と違和感が大きくなったんです」

　次第に競合も増え、来店特典として商品券を配ったり、即決させたりする販売スタイルで、値引き合戦も起きてきました。
　「例えば、私はこのジュエリーがなぜ10万円かを、素材や製造方法を踏まえ説明することができます。お客さまが言葉にできない要望もくみ取り、品物をおすすめしたり、他のブランドや製品との違いを説明することもできます。ですがそれを、同じレベルで全店のスタッフに求めるのは容易ではありませんでした。これではお客さまに最高の逸品で感動と満足を与えたいというお店のポリシーが果たせないという気持ちが強くなり、ジレンマが生まれました」

　小野さんは自ら接客し、専門知識に裏付けされた提案をすることがあるべき姿と気づき、自分がフォローできる範囲の延岡店、大分店を残し、他の店舗をたたむ決断をします。

ジュエリーの特長や価値に合わせた提案で、それぞれの思いや希望を形に

　ジュエリーの販売から発注、検品、納品、そして経営全般は小野さんが管理する傍ら、75歳を超えた両親も店頭で来客を迎えます。
　「熟練スタッフの両親を頼りにご来店くださるお客さまもまだまだたくさんいます。この延岡の地で、ジュエリー一筋で45年以上も続けてきたことは称賛に値します。自分がこの仕事を天職だと感じるのは両親のおかげです」

　幼い頃から、「お客さまに喜んでもらえるように」と誠実に対応する両親の様子を見てきた小野さんは、自身も一人一人に合わせたコミュニケーションを心掛けています。

　「あるお客さまは、お母さまの形見のルビーの指輪を買い取ってほしいと来店されました。査定の結果、高値が期待できず『買取ではなく、お母さまの守護石をネックレスにして形見外さず付けているのはいかがでしょうか』と助言いたしました。また、バラバラに壊れてしまったリングを手放すほかないというお客さまには、元通り修復できることをご説明しました」

　古いデザインから作り変えて普段使いするのか、修理にとどめるのか、売却するのかなど、ジュエリーの特長や価値を伝え、複数の選択肢を用意して顧客の希望に応えます。

　「親御さんなどから相続したものをお持ちになる方もいらっしゃいますから、これからもご本人やご家族の思いを引き続き、形にすることでお役に立ちたいと考えています。両親が大事にしてきた『お客さまに喜んでもらうように』という姿勢を忘れず、プロとして適切なアドバイスをして、ジュエリーを通じて幸せになってもらうことが私の社会貢献。末永くご愛用いただける逸品を、皆さまにお届けしていきたいですね」

（取材年月：2024年4月）

結婚や人生の記念日などに購入するジュエリーを通して「幸せ」を届けたい

結婚指輪、婚約指輪、オーダーメイドジュエリー、リフォーム、修理、買取りを手掛け、数多く相談に対応

規模や店舗数ではなく一人一人の顧客に感動と満足を与える店作りを目指す

ジュエリーの特長や価値に合わせた提案で、それぞれの思いや希望を形に

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