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0歳から100歳まで、多くの人に寄り添いサポートすることで地域に恩返しを

地域密着型の高齢者・児童福祉のプロ

渡邊隼人

渡邊隼人 わたなべはやと
渡邊隼人 わたなべはやと

#chapter1

高齢者と子どもが触れ合える介護福祉施設を運営

 日南市(宮崎県)で、介護施設や保育園を運営している「ごんはる」の代表・渡邊隼人さん。行政機関に勤めていた11年のうち8年は福祉課に在籍し、その後、実家の酒屋を5年、切り盛りしました。両親の他界を機に、これまで支えてきてくれた地域の人に恩返しをしたいと同社を設立しました。

 周りの人が高齢になり、遠方の老人ホームに行く様子を目にし、「家族も友人も通いやすい施設がこの街に必要なのではないか」と考えるようになったといいます。

 渡邊さんの施設は、「高齢者施設」(住居型有料老人ホーム)と「児童施設」(キッズルーム)が併設されているのが特徴で、高齢者と幼い子どもたちが触れ合える場所になっています。

 有料老人ホームは、業態にケア内容によって入居条件が異なり、要介護度が高くなると別の施設に移らなければならない場合があります。渡邊さんは「人生を終える瞬間まで自分らしく生きてほしい」という願いから、終身利用ができる施設を開設。入居者や家族から「細やかにケアしてくれるのでありがたい」といった声が寄せられているそうです。
 
 「入居している方々と家族のように過ごせることは、私の励みでもあります。最期まで、穏やかに暮らしていけるようにしっかり努めます」と話す渡邊さん。人生の終わりに寄り添い葬儀にも参列しています。

 また児童施設は、19時で終了する保育所が多いなか20時まで開所。保護者たちから「仕事のあと、買い物をしてから迎えに行くことができる」と喜ばれているそうです。

 「子育てにも地域のサポートが必要です。二人の子どもを育てた経験を生かし、少しでも保護者のお役に立つことができればうれしいですね」

#chapter2

誕生会やクリスマス会、そして「自分のやりたいことをかなえる」ためのイベントを開催

 「ご入居者さまの中には、早くに子どもを亡くした方もいらっしゃいます。キッズルームに集う子どもたちにわが子を重ね合わせ、『この子たちに勇気をもらい、亡くなった子どもの分までがんばろう』と生きがいを見つける方もいらっしゃいます」と渡邊さん。

 入居者と子どもたちが交流を深められるように、高齢者施設と児童施設が合同でイベントを開催しています。子どもたちの発表会も兼ねて行われるクリスマス会には、入居者の家族や友人も参加することができます。

 また、夏祭りではステージで入居者が躍りや歌を披露するほか、職員が模擬店を出店。地域の人も足を運び、毎回、大いに盛り上がるといいます。

 毎月、行われる誕生会も入居者や子どもたちの楽しみのひとつ。入居者からは、子どもたちに手作りのプレゼントを、子どもたちからは手紙が贈られます。絵が得意だという職員が色紙に誕生日を迎える本人の絵を描いて手渡すなど、みんなでお祝いしているそうです。

 通年で催されている「あなたの夢をかなえましょう」というイベントでは、「孫の最後の高校野球を観戦したい」「自宅に一度、戻りたい」「外食したい」など、悔いが残ることがないように「元気なうちにやりたいことをしよう」と発案されました。

 「『終わりよければすべてよし』介護には、暗いイメージがあるかもしれませんが、最期まで楽しく生き生きと過ごしてもらうことを目標にしています」と穏やかでありながらも力強い表情に。

渡邊隼人 わたなべはやと

#chapter3

介護事業を運営する経営者の相談を受ける「コンサルテーション」もスタート

 2019年12月に、運営していた有料老人ホームのひとつをM&Aで経営譲渡したという渡邊さん。その際、自分と他の事業者との間に、介護や経営に関する考え方などに違いがあることに気づいたといいます。

 介護業界は、介護職員の不足や離職、入居者を受け入れるための施設管理やケアの方法、運営費用など、さまざまな課題を抱えています。しかし、高齢者の尊厳を守り、生活を支えていくためには改善策を講じていくことが大切です。

 こういった現状をかんがみ、介護事業に不安を抱える経営者の一助になれないかと思案した末、2020年から経営者向けのコンサルテーションも始めました。

 経営者の悩みの多くは「入居者の定員割れ」「介護施設の運営方法」「新規施設の立ち上げ方」で、現在は、渡邊さんが受講した介護系セミナーなどで出会った人の相談を受けています。

 今後は、ホームページやSNSを通じて情報発信をしながら、コンサルテーション事業を拡大・充実させていきたいと話します。

 社名の「ごんはる」は、所在地の郷之原を表す方言で、渡邊さんの地域や社会に貢献していきたいという思いが込められています。一人一人が幸せや喜びを感じられる日々を送れるように、自らも精進していきたいと語りました。

(取材年月:2021年3月)

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渡邊隼人

地域密着型の高齢者・児童福祉のプロ

渡邊隼人プロ

介護福祉

合同会社ごんはる

同じ施設内で高齢者福祉および児童福祉を担っており、0歳から100歳までの福祉や介護の悩み事相談を一貫して行えます。その他、2020年より介護事業の運営に悩む経営者向けのコンサルテーションも始めました。

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