地元食材の魅力を存分に生かしたお弁当＆フィンガーフードのプロ吉川千明

地元食材の魅力を存分に生かしたお弁当＆フィンガーフードのプロ

吉川千明

「無いなら作ろう」から始まった理想のデリづくり

　DELI（デリ）とは、英語のDelicatessen（デリカテッセン）の略で、主に持ち帰り用の惣菜を売る店のこと。なかには店内で飲食できるレストラン的な店もあり、味に定評のある店のなかには一部ブランド化する店もあるほどです。欧米ではランチタイムや朝食代わりに利用するほか、夕飯のおかずを買う場所として日常的に活用されています。

　そんな欧米のデリを思わせるようなカジュアル感で、日本ならではのお弁当やオードブルをすべて手作りで販売しているのが、日向市駅から徒歩2分ほどの場所にある「DANBO*DELI（ダンボデリ）」の吉川千明さんです。

「お店を作ろうと思ったきっかけはデパ地下です。大手デパートなどに行くと、お総菜売り場やケーキ売り場など、いろんな食べ物が豊富にそろっていて、それがまたみなカラフルで美味しそうで、見ているだけでもとっても楽しいですよね。でも、そういった見た目も楽しいお惣菜やお弁当は、私からみて地元ではなかなか見つからなかったんです。そこで、『じゃあ無いなら自分で作ろう』と一念発起してオープンしたのが、DANBO*DELIです」と吉川さん。

　以前から近くでバーも経営していたそうですが、デリをオープンさせるにあたり、オードブル等にも活用できるフィンガーフードプロフェッショナルの資格や、アレルギー成分表示に対応した食品表示診断士の資格を取得し、食材や栄養のことなどを含め、数年ほど勉強。見た目だけでなく、美味しくて栄養バランスのとれたこだわりのお弁当＆惣菜を売る店として平成28年にお店をスタートさせました。

地元の素晴らしいお野菜や食材をふんだんに使用したものを

　吉川さんの店で提供されるお弁当や総菜は、野菜をふんだんに使ったものが多く、日替わり弁当だけでも7～8種の惣菜が入ります。そのカラフルな見た目やヘルシーさも相まってか、客の9割が女性というのも納得。「ちょっとずついろんなものを食べたい」という女性心理を満足させるような惣菜の数々です。

「男性には、少しボリュームが足りないかもしれませんが、なかには『毎日コンビニ弁当だと身体的にきつくなるので』と、健康面を気にする方々などにご利用いただいている感じですね。うちでは産地がわかるような安全安心な野菜を使用するほか、料理の色付けにも、例えばピンクだったらビーツを使うなど、お弁当の蓋を開けた瞬間にお野菜の色を楽しんでいただけるよう工夫しています。また、お野菜には旬の時期というものがありますが、時間があると生産者直売店などを巡って旬のものを目にしながらアレンジを考えるのがとても楽しいんです。生産農家さんのなかには、無農薬にこだわって作ってらっしゃる方々もいるので、そういった野菜をできるだけ使うことで、お客さまにも地元野菜や無農薬野菜の良さに気付いていただきたい。微力ながら私たちがその気づきのお手伝いをさせていただければと思っています」と吉川さん。

　吉川さんの「地元」への想い、体に優しい食への想いは、ひとつひとつのお弁当や総菜へのこだわりに通じています。

アレルギー対応や栄養バランスなど、体にもやさしい惣菜の数々

　「DANBO*DELI」ではランチ時のお弁当や、夜ご飯に活用できる惣菜の詰め合わせ他、パーティーや行楽に使えるオードブルなども人気。

「たとえうちの惣菜やお弁当を食べるのが1日1回だったとしても、その1回が1日全体の活力になるような、お客さまの役に立つような食事であることを重要視しています。ふだん体に良いものを摂っている方などは舌で判るので、ヘタな食材は使えません。そのため、ご飯も当店オリジナルブレンドで製造したオール九州産の雑穀米を混ぜて使っています。人気のメニューは、キノコや野菜をふんだんに使ったデミグラスソースで仕上げる豆腐ハンバーグや、手作りの塩麹に漬け込んだグリルチキンなどで、チキン南蛮にはお野菜がたっぷり入ったオリジナルのタルタルソースを使います」と吉川さん。

　お弁当の中身や総菜は、時季によってスタッフとともに考えるそうで「このメニュー考案の作業もまた楽しい」と、食に対する前向きで明るい姿勢もまた彩りの良さに反映されているかのようです。

「あと一番気を付けているものの一つが各種アレルギー対応。お弁当やオードブルなどのオーダーを受ける際、その点をきちんとおうかがいしていますが、アレルギー対応食であっても美味しく、見た目も楽しい内容を心がけています。やはりうちをご利用いただけるすべての皆さんが、私どもの作るお弁当やお惣菜で楽しく元気になっていただけたら嬉しいですね」

　お店ではテイクアウト以外にも店内飲食（プレート提供）でランチが可能。行事やイベント時にも事前予約で対応しているそうなので、体にも優しく、見た目も“映え”感のあるDANBO*DELIのお弁当＆惣菜で、1日の楽しみが増えそうです。

（取材年月：2020年5月）

蓋を開けた瞬間にわかる美味しさをお弁当＆惣菜で表現する

「無いなら作ろう」から始まった理想のデリづくり

地元の素晴らしいお野菜や食材をふんだんに使用したものを

アレルギー対応や栄養バランスなど、体にもやさしい惣菜の数々

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