作曲と編曲(アレンジ)は何が違う?
12月28日にオリジナル楽曲『en (feat. naco, 福田真由子, シマジマサヒコ & 山田真助) [2nd Edit] 』をリリースします。
「音楽でつながる瞬間」を歌で表現
コロナ禍の2021年初頭、音声SNSのClubhouseにできた音楽系コミュニティ「くらはレコーズ仮」で集まった音楽仲間たちでコラボレーション用に音楽クリエイターであり、ケーナ奏者でもあるQuena.Kが制作した楽曲がこの「en」です。
当時は総勢15名でのコラボとなり、楽曲も完成しましたがリリースには至らず、SNS内での公開にとどまっていました。
今回リリースにあたり、当時のメンバーから作詞・コーラスの福田真由子さん、ジャケットデザインも手がけるベーシストのシマジマサヒコさんの2名とともに、新たにメインボーカルに仙台を拠点とするシンガーnacoさん、そして男声コーラスに山形を拠点とするシンガーソングライターの山田真助さんを迎え、2ndエディションとしてリメイクしました。
リモートでデータのやり取りをしながらも、その中で音を重ね合わせて作品を創り上げることの喜び、クリエイティブの価値そのものを歌にした楽曲です!
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音楽を"創る"ということ
計5人で創り上げた音楽ですが、クリエイターとして私が行ったことはプロデュースの作業そのものになります。
1.楽曲の企画
2021年のスタートから「コラボレーション」がテーマでした。当時私のできる範囲は作曲とおおまかなアレンジで楽曲の骨格を作ることでした。
骨格といっても曲の全体像を掴めるようにしなければなりません。
そちらを念頭に構成を考え「デモ」と呼ばれるラフな状態を作り、コミュニティ内で発表し、参加してくれる有志を募り第一弾を完成させました。
作詞に関しては曲のメロディーができた段階で、作詞が得意な方を募集して作っていただいた形です。
そしてリリースの機会がなかったその楽曲を今回、リメイクして発表することにしました。
2.事前の作業
まずはメロディとリズム、コード(伴奏)をパソコン上で組み上げ曲の形にして聴いて雰囲気がわかるようにします。
そして参加者それぞれがわかるように各パートを譜面に起こします。
今回はボーカル、コーラス(2パート)、ベースのレコーディングに必要な資料を作成しました。
ボーカルとコーラスについてはしっかりと1音違わずに譜面に記載していきますが、ベースについてはポップスではコード譜を渡して、演奏者の解釈で弾いてもらうのが通例です。今回もベースに関してはコード譜の用意にとどめています。
ただし、こういう感じ!というのは私の中にもイメージがあるので、リファレンス演奏をデモにしてお渡ししました。
それをもとに演奏者ご自身のアレンジと解釈を加えて演奏していただきました。
ボーカルとコーラスについては「歌い回し」というものがあります。これは譜面には記載しきれないもので、音の切り方、息継ぎの仕方、発音の仕方、小節やビブラートなどの表現・・・
こういったものをお伝えするには、まずは「仮歌」というものを入れてデモをお渡しします。
今はボカロなどソフトウェアに歌わせることも可能になってきましたが、今回は私自身が仮歌を吹き込みました。
3.データのやり取り
今回は拠点が近い東北のメンバーと関東在住のメンバーとのコラボでした。遠隔地にいる方にはそれぞれにレコーディングをお願いし、データを送ってもらい楽曲に加えていきました。
その作業をしてもらっている間に、私の方では細かいアレンジを加えて完成に近づけていきます。
またケーナのパートもあるので、そちらのレコーディングも自身で行いました。
4.ボーカルのディレクション
先にも記載した通り、ボーカルについては大変繊細で、ほんの少しの解釈の違いでも全く違った印象の仕上がりになります。
人の感覚というのはそれぞれ違うもので、何を「良し」とするかは千差万別です。一つの音楽を創るには誰かが方向性を作らなければなりません。
これが「プロデュース」「ディレクション」という行為になります。(厳密にはプロデュースとディレクションは全く違うものですが、実際は境目が曖昧なところもあります)
今回はとくにメインボーカルについては丁寧に立ち合いでレコーディングを行いました。
5.ミックス作業
そして集まったデータ、素材を一つの楽曲に仕上げていく作業が「ミックス」です。本来は専門のミックスエンジニアに依頼するべきものですが、今回は私自身の作品なので、ミックスも含めてじっくりとトータルプロデュースをしています。
今回は素材が約100トラックにも及びました。これを調整していくので、たとえばベースの音を聞こえるように大きくしたらドラムのバスドラの音が聞こえなくなった・・・などあちらを出せばこちらが立たずの繰り返しで作業をしていきます。
特定の周波数だけをブースト、カットしたり、鋭い音のアタックを柔らかくしたり・・・などさまざまなテクニックを駆使していきます。
イラストや動画などもクリエイティブ全般に言えることですが、このように大変な時間と手間をかけて、こだわり抜いてできあがるのが「作品」です。 この「en」に関わらず、他のクリエイティブ作品に触れる際にも、ぜひ思いを込めて創り上げているクリエイターの存在を感じていただければ幸いです。
12月28日各音楽配信サービスにて配信開始!
このように創り上げた楽曲を、多くの方に聴いていただきたいと思います。ぜひご登録を!
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