不動産管理と終活のプロ村上則夫

不動産管理と終活のプロ

村上則夫

不動産オーナーの財産の包括的なケアを目指す

　大河原町で不動産会社「（有）村建地所」を経営する村上則夫さんは、仙南地区を中心に不動産の売買、賃貸、仲介、管理など、トータルアドバイザーとして幅広い業務を手掛けています。

　大河原町で生まれ育った村上さんは、1995年の創業以来、地元での取引を礎に堅実な経営で信頼関係を築いてきました。しかし、長年にわたりお付き合いしてきた不動産オーナーの方々の高齢化が3、4年ほど前から気になり始めたといいます。創業当時、60代前後だったオーナーさんたちは今や80代。本人や家族が相続のことを心配する世代になっていました。

　「お世話になった方々の財産を守るために、自分が包括的にお世話できたほうがいい」と考えた村上さんは、終活の勉強を始めて「終活カウンセラー上級インストラクター」「家族信託コーディネーター」の資格を取りました。
　「不動産業は、オーナー様の財産を一から十まで把握しています。何千万円という大事な財産の管理や売買を任せてもらうには何よりも信頼関係が欠かせません。その信頼をいただくために私が提供できるのは知識や情報です。年金、保険、お墓、葬儀、すべてをケアできるよう、終活を勉強したのです」。

　近年は相続にまつわる選択肢が増えてきました。それに関する法律も変化しています。そんな時代だからこそ、元気なうちに問題をすべて洗い出し、不安を一つ一つ解決して余生を楽しく過ごすための「終活」が大切だと村上さんは薦めています。

発想をフレキシブルに。YouTubeで情報発信

　村上さんが最近力を入れて取り組んでいるのが「YouTube」による情報発信です。年金のこと、相続のことはもちろん、村上さん自身が実践する健康法まで、5～10分ほどの長さの動画をアップして、ホームページから紹介しています。YouTubeによる発信を始めた理由を「不動産業界のイメージアップを図りたいから」と村上さんは話します。

　「一般の方って、不動産会社に対するいい印象があまり無いんですよ。家を買うのはほとんどの場合は一生に一度で、高額な支払いがあるから〝騙されないぞ〟という気持ちで構えて来られる。そこに私は信頼関係を築きたい。だからYouTubeでは、不動産の上手な売り方・買い方や、物件を購入する時に注意するポイントなども発信しているんです」。

　週に2回あげられる動画での丁寧で真摯な話ぶりからは、村上さんの実直な人柄が伝わってきます。まず動画を見てどんな人間かを知ってもらったうえで、安心して相談していただけるように、という狙いもあります。
　「広告収入目当てのユーチューバーが流行りですが、私の動画はあくまでもお客様への情報発信ですし、自分の勉強でもあるんですよ。今はいろんな方法で発信していくことが求められています。労力を使わずに利益を得ようとしてはだめですね」。

親から子へ、子から孫へ…地元で信頼のバトンをリレー

　村上さんは、家族と相続について話し合うために必要なエンディングノートの書き方セミナーも定期的に開催しています。
　「不動産の終活には、さまざまなケースがあります。信頼できる家族に管理を任せる家族信託がいいのか、売却して現金化したほうがいいのか、いずれにしても家族が顔を合わせて話をし準備をしておくことで、相続トラブルを最小限にできるのです」。
セミナーでは、20歳の時、司法書士だったお父様を突然病気で亡くし相続で苦労した経験を話すこともあるそうです。
　「父亡き後、紆余曲折あって不動産会社を創立したのですが、お客様を訪ねると父が作った権利証を皆さんが持っている。『村上さんの息子さんか、お父さんにはお世話になった』と家へ上げてもらうこともよくありました。その時、父への感謝とともに商売には何よりも信頼が大切と痛感したんです」。

　その後村上さんはコツコツと工夫を重ねて商売を続け、創業から25年が経った今では「大河原の土地は村建地所に聞け」と言われるまでに信頼を築き上げてきました。
「信頼をいただいた仕事は数が少なくても充実感、達成感があります。長い目で見ればそのほうが継続の強い味方になる。将来は私が父から受け継いだ信頼を息子につないでいけたらと思っています」。
　相続財産の半分近くを不動産が占める現代。大切な財産を生かす相続をするために信頼のおける相談相手を探している方は、村上さんに連絡してみてはいかがでしょうか。

（取材年月：2020年4月）

豊かな余生を送るための不動産管理をアドバイス

不動産オーナーの財産の包括的なケアを目指す

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親から子へ、子から孫へ…地元で信頼のバトンをリレー

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