包括的なITコンサルティングで地域企業を発展へと導くプロ関慎太郎

包括的なITコンサルティングで地域企業を発展へと導くプロ

関慎太郎

システム・Webサイト開発やICT環境の保守のほか、ITコンサルティングに注力

　「地元のお客さまとお話をさせていただくと、皆さん、人工知能（AI）やモノのインターネット（IoT）について結構勉強はされていて、自分なりの考えを持っておられます。ただ、その内容を相談できる人、ITがどう経営に関わってくるのかを含めて、全方位的に説明してくれる人が身近にいないという声をいただきます」

　そう語るのは、システム・Webサイト開発や情報通信技術（ICT）環境の保守などを請け負う「フォーユーシステム」代表の関慎太郎さん。クライアントから寄せられる疑問などを受けて、特に宮城県の中小企業に向けたITコンサルティングに力を入れています。

　「バブル崩壊から長く景気が低迷し、『失われた30年』などと言われる中、日本はオンライン化が進まず、諸外国から大きな後れをとり、『デジタル後進国』と呼ばれるまでになってしまいました。これから10年後、20年後、自分の子どもたちの世代を『衰退国』と呼ばれるような状態で残したくはありません。日本をもう一度、世界の先端に持っていくためにお役に立ちたい、そう願っています」

　デジタルテクノロジーによりビジネスを変革するデジタルトランスフォーメーション（DX）化が叫ばれる現在を、ITの技術が新たに伸展する「出始めの時代」とし、中小企業にとって新しい波に乗り、生まれ変わるチャンスと関さんは捉えます。

　「日本経済をうまく回していくためには、国内企業の9割8分を占める中小企業の発展が不可欠です。自分たちの産業をどう育てていくか、共に頭を悩ませながら、底上げをしていければと思います」

ITの運用を通して「気付き」と「改善」を積み重ねることが重要

　「新しいことに挑戦する時には、より多くの視点が必要」というのが関さんの持論。プログラマーを皮切りにシステムエンジニア、ネットワークの設計者と現場で身に付けた実務力と、プロジェクトマネージャーや経営者として培った全体を俯瞰する視座がITコンサルタントとしての強みです。また、要望や状況に応じて、適切な専門家を手配できる人脈を築いているのも特長です。

　「現状ですと表面的と言いますか、システムを導入することが目的になってしまっているケースが多いようです。もっと違う使い道があるのに、なぜその用途でしか使ってないのかな、と感じる部分もあります。これからの時代のITは、取り入れて終わりではなく、成果を出してからがやっと始まり。多方面に応用をしていく過程で、今までにない『気付き』をどれだけ得られるかが重要になってくるでしょう」

　関さんが見据えるゴールは、気付きと改善の積み重ねを通して、自社の事業の営みがどう変わるのかまでを描き切ること。ITの有効な使い方が中小企業に浸透していった先に、「業界やIT技術のさらなるイノベーション（改革）が起こってくるのではないか」と話します。

　「当然、最初の事例を作ることは大変です。ただそれを怖いからといって、一歩を踏み出さないままでいると、変化を恐れず、貪欲に挑む他の国に日本はまた置いていかれてしまいます。正しく、効果的に活用していく方法を、中小企業の経営者の方と一緒に考えていきたいですね」

数多くの失敗も生かし、宮城県を世界レベルのIT先進県にすることが目標

　自らを「無口な性格」と分析する一方で、「お客さまには聞き上手だと言われる」と評する関さん。
　さまざまな企業のシステムを手掛ける中で、業種などそれぞれの分野の違いが「言葉の違い」として表れることを自覚します。以来、専門用語は極力使わず、自分の言葉に置き換えて分かりやすく話すことにこだわっています。

　一筋縄ではいかず、トライ＆エラー、つまりは試行錯誤を繰り返すのがシステム開発。「お客さまとのやり取りも含めて、精神的にも肉体的にも、とことん仕事に向き合う」をモットーに掲げるとともに、「たくさん失敗をしていること」が大きな糧になっていると言います。

　「人生的にも、大手企業の技術者としてスキルを磨くことに専念する日々から、それをなげうつような形で起業したものの、軌道に乗せることができませんでした。フリーという立場で開発業務に携わりながらも、『このままじゃ終われない』と一から経営を学び直して再起し、現在に至ります。こうすれば良い以上に、こうすると駄目になるの方の引き出しが多いのかな、と」

　関さんは紆余曲折のある自身の経験を生かし、宮城県を世界レベルの「IT先進県」にすることを目指しています。

　「ちょっと大それた目標かもしれませんよね。でも、こういう時代だからこそ、恥ずかしくても『日本を変えてやる』と声に出すことが大事だと思うんです。僕にとってチャレンジですが、共感してくれる方々とつながって、宮城から世の中を変えていきたいですね」

（取材年月：2023年6月）

地元、宮城県の中小企業のIT活用をサポートし、さらなる発展を後押し

システム・Webサイト開発やICT環境の保守のほか、ITコンサルティングに注力

ITの運用を通して「気付き」と「改善」を積み重ねることが重要

数多くの失敗も生かし、宮城県を世界レベルのIT先進県にすることが目標

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