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TPP関連補正予算3,122億円

前之園博一

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テーマ:資金調達

12/18の閣議決定で、27年度補正予算が出ました。農林関係予算は4,008億円、うちTPP関連は3,122億円となりました。

以下、概要です。

個別農家さんや農業法人にとって、気になるのは、「畜産クラスター(610億円)」「産地パワーアップ(505億円)」の2つだと思いますし、今回補正予算の目玉となっています。

いずれも基金化されます。

基金化とは何かというと、補助金等適正化法施行令4条2項にこう定義されています。

・基金事業:複数年度にわたる事務又は事業であつて、各年度の所要額をあらかじめ見込み難く、弾力的な支出が必要であることその他の特段の事情があり、あらかじめ当該複数年度にわたる財源を確保しておくことがその安定的かつ効率的な実施に必要であると認められるもの

・基金造成費補助金:補助事業者等が基金事業等の財源として設置する基金に充てる資金として各省各庁の長が交付する補助金



日本の予算編成は、単年度編成が原則なのですが、複数年度で使えるようにしようということです。今でも複数年度で使えなくはないのですが、手続が面倒なので、簡単にしようということだと思います。ちなみに、諸外国では複数年度予算が一般的のようですね。

財務省の資料によれば、平成27年度予算においては、
「不確実な事故の発生に応じて資金を交付する事業」
「資金の回収を見込んで貸し付け等を行う事業」
「当該事業の実施が他の事業の進捗に依存するもの」
の3つを基金事業として認めるということになっています。

特に補正予算は、緊急性が高いから編成するものなので、それを複数年度化するってどういうことやねんという批判があります。

リーマンショックのあとも基金が増えました。当時の総理は今の麻生財務大臣。当時の国会答弁によれば、麻生大臣は単年度予算というものが、お嫌いなようです。

それはさておき、逐次情報を提供してまいります。





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1 TPP関連政策大綱に基づくもの

(1)次世代を担う経営感覚に優れた担い手の育成

①担い手確保・経営強化支援事業 53億円(機械や施設)

②担い手経営発展支援金融対策 100億円(無利子化)

③農業法人経営発展支援投資育成事業 10億円(出資する)

④農地の更なる大区画化・汎用化の推進 370億円(地下かんがい施設など)

⑤中山間地域等担い手収益力向上支援事業 10億円



(2)国際競争力のある産地イノベーションの促進

①産地パワーアップ事業 505億円(機械、施設、改植など)

②水田の畑地化、畑地・樹園地の高機能化等の推進 406億円

③革新的技術開発・緊急展開事業 100億円(ICT、国産ブランド品種、ロボット活用など)

④加工施設再編等緊急対策事業 46億円(各種工場など)



(3)畜産・酪農収益力強化総合プロジェクトの推進

①畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業 610億円(機械、施設、家畜導入)

②畜産クラスターを後押しする草地整備の推進 164億円

③畜産・酪農生産力強化対策事業 30億円(性判別精液の導入など)

④草地難防除雑草駆除等緊急対策事業 7億円(草地改良)

⑤畜産経営体質強化支援資金融通事業 20億円(借り換えのときの利子補給)



(4)高品質な我が国農林水産物の輸出等の需要フロンティアの開拓

①輸出促進緊急対策  33億円(輸出体制、輸送技術などを支援)

②農畜産物輸出拡大施設整備事業  43億円(共同利用施設、卸売市場施設)

③水産物輸出拡大緊急対策事業  55億円(漁港の整備など)

④日本初食品安全管理規格策定推進緊急調査事業  0.1億円

⑤外食産業等と連携した需要拡大対策事業  36億円(新商品開発など)

⑥農山漁村おみやげ農畜産物販売促進事業 4億円(外国人の受入体制整備)



(5)合板・製材の国際競争力の強化

①合板・製材生産性強化対策事業  290億円(加工施設など)

②違法伐採緊急対策事業  2億円(情報収集など)



(6)持続可能な収益性の高い操業体制への転換

①水産業競争力強化緊急事業  225億円(漁船の導入、施設整備)



(7)消費者との連携強化

①国産農林水産物・食品への理解増進事業  4億円(新商品開発、販促)



2 農林水産業・地域の活力創造プランに基づく施策等の推進

(1)新規就業・人材育成の推進

①新規就農・経営継承総合支援事業  23億円(青年等就農給付金)

②森林・林業人材育成対策  3億円(トライアル雇用など)

③新規漁業就業者総合支援事業  3億円(長期研修など)



(2)生産振興対策

①水田活用の直接支払交付金  160億円

②甘味資源作物の安定生産支援  15億円(品種転換、機械リースなど)



(3)鳥獣被害防止対策の推進

①鳥獣被害防止総合対策交付金  12億円(野生鳥の緊急捕獲)

②シカ被害対策緊急捕獲等事業  1億円(シカの捕獲)



(4)林業の成長産業化・森林吸収源対策の推進

①地域材利用拡大緊急対策  18億円(住宅に地域材を使うなど)

②森林・林業人材育成対策  3億円(トライアル雇用など)

③森林整備事業  171億円(間伐など)



(5)水産日本の復活

①漁業構造改革総合対策事業  85億円(漁船の導入など)

②ノリ競争力強化対策  10億円(強い水産業づくり交付金)

③新規漁業就業者総合支援事業  3億円

④韓国・中国等外国漁船操業対策事業  25億円



3 ロシア200海里水域におけるさけ・ます流し網漁禁止に係る緊急対策

①ロシア200海里水域における代替漁法への転換支援  3億円(調査など)

②減船対策  13億円

③我が国200海里水域・公海における代替漁業への転換支援  50億円

④ホタテ等養殖試験に対する支援   1億円

⑤漁港・漁場の整備  12億円

⑥種苗生産施設等の整備   29億円(強い水産業づくり交付金)

⑦さけ・ます加工原料緊急対策  6億円(製造ラインの改修、輸送費など)



4 防災・減殺対策等の推進(省略)

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前之園博一(行政書士)

前之園行政書士事務所

農業生産者を「経営」という視点から支援。作付面積や単収、単価などのデータから生産者の収支計画や償還計画を作成。経営計画をもとに資金繰りだけでなく、農地転用や農業の事業継承を行政書士として行う強み。

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