小規模事業者持続化補助金の採択率90%
今日の日農に興味深い記事が出ていました。
ワイン農業を始めるにあたり、クラウドファウンディングで自己資金を集めたという事例です。
長野県高山村の湯本康之さん(43)。
ワイン農業を始めるにあたり、差別化を図るために自前のワイナリーが必要と思った湯本さんは、6次化を検討します。
しかし、6次化の認定を受けても補助が決まるまでには時間がかかることから、これは使いませんでした。
そこで、公庫に相談したところ、自己資金があれば融資するとのこと。
しかし、海外研修や苗代で自己資金を使い果たしてしまっていた。
2014年2月、クラウドファンディング仲介のミュージックセキュリティーズのセミナーを聞いて、講師と名刺交換。
総事業費3,100万円のうち、建設費と運転資金2,300万円は公庫が融資、設備費の800万円をクラウドファンディングで調達すれば、自己資金とみなすと公庫が認めてくれたそうです。
「信州・高山村 ワイン農家ファンド」の名称で、予備費も含め840万円を、2015年3月30日夕方から、1口52,850円(2,850円は業者手数料)で募集。2018〜2022年に返済する。
年平均売上高を1,600万円と計画、分配額が58,169円になるシミュレーションを示した。契約期間中1回、ボトル4本を贈呈する特典をつけた。ホームページでは子どもの写真を載せ、家族経営で規模は小さくても個性あるワイナリーであることを強調した。募集期間は2015年9月30日までとしたが、2015年4月3日の午前中(つまり4日間)に予定額に達した。
湯本さんは「元本保証も担保もいらないので、起業するには相当のメリットがある」とのこと。
来年冬、貯蔵中のワインの味が良くなったら販売するが、そのときはファンドの参加者147人がファンになってくれると期待している。
ーーーーー
というのが記事の中身でした。これ最大のポイントは「公庫が自己資金と認めた」というところですね。
147人が55,000円出すと800万円超えますね。
クラウドファンディングはうまくいったり、うまくいかなかったりあるようです。
この成功事例を見ると、以下の要因があるのではないかと思われます。
1 ワインが魅力的
2 売上予定額、分配額の数字に信憑性があった(のではないか)
3 子どもの写真
4 もともとワイン会社で働いていたので業界でのキャリアがあった
5 しかも2010年ごろ失敗した経験があり、それを繰り返さないための投資
6 公庫担当者の理解
公庫に相談しても、自己資金がないと断られるケースが多いので、自己資金確保のために認められるということなら、クラウドファインディングには大きな意義があると思います。800万円集めて3,000万円の投資ができるわけです。(業者側からすると、2,850円/52,580円=5%の成功報酬ということですね)
弊所としても、クラウドファンディングについて研究を深めていきたいと思います。