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家の形が“いびつ”だと揺れやすい?

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テーマ:リノベーション



家の形が“いびつ”だと揺れやすい?
中古住宅の耐震性と昭和住宅の弱点をわかりやすく解説

中古住宅を見ていると、
L字型・コの字型・凸型など、少し“形にクセのある家”によく出会います。

間取りとしては魅力的なのですが、
実は 揺れ方に影響が出やすい形 でもあります。


いびつな形の家は「揺れがまとまりにくい」

家は地震のとき、
できるだけ“まっすぐ”揺れてくれた方が安定します。
四角い家は揺れが分散しやすいのに対して、
L字型やコの字型の家では——
揺れ方にムラが出る
家のどこかに力が集まりやすい
建物が“くるっ”とねじれやすい
という傾向があります。

形のクセが、そのまま揺れのクセにつながる。
そんなイメージです。


昭和住宅でよく見られる「大きな窓」

昭和のお家には、
採光や通風をしっかり確保するために
とても大きな窓が設けられていることが多くあります。
これは当時の暮らし方に合わせた、すてきな設計意図なのですが…
耐震の視点で見ると、少しだけ注意が必要です。
なぜなら、
窓が大きい=壁が少ない
ということだから。
壁が少ないとどうなるかというと——
地震のときに“踏ん張る壁”が不足
揺れを受け止める力が偏りやすい
結果として“ねじれ”が起きやすい

つまり「窓の大きさ」が、
そのまま 揺れ方のクセ につながることがあるのです。

ケーススタディ

“角”をしっかり補強すると、家は落ち着いて揺れるようになる
ある中古住宅では、家の形がL字で、耐震診断の数値が低い状態でした。
理由はとてもシンプルで、地震の力が集まりやすい“角(隅)”が弱かった ためです。

● 実施したのは、“家の骨組みを整える”しっかりした補強

ここで行ったのは、見た目のリフォームではなく、
構造そのものをじっくり立て直す補強です。
建物の角まわりに耐力壁をしっかり配置
柱や梁の接合部を金物で強化
左右のバランスが整うように壁の位置を調整

“ちょっと直した”ではなく、
地震の力をきちんと受け止められる骨組みをつくる補強を行いました。


その結果、家の揺れ方は大きく改善し、
耐震性はしっかりと向上しました。



● 揺れが変わると、家の安心感も変わる

角が強くなると、家の揺れ方そのものが変わります。
ねじれる揺れ → まっすぐ踏ん張る揺れに
一部に力が集中 → 家全体で力を分担する揺れに
「家がちゃんと支えてくれている」
そんな感覚に変わっていきます。

まとめ


中古住宅は、弱点を理解すれば、補強でしっかり安心に近づけることができます。
補強は“たくさん壊す”のではなく、家が本当に必要としている部分を丁寧に整えること。
それが、中古住宅を安心して住み継ぐための、いちばん賢い耐震の向き合い方です。
中古住宅の耐震は、家の形や窓の配置など“その家ごとの特徴”によって、必要な補強がまったく変わります。

だからこそ——
まずは、今のお家の状態を知ること。

その第一歩が「耐震診断」です。
診断を受けると、
・どこが弱いのか
・どこを整えれば良いのか
・補強にどれくらい効果があるのか
が、はっきりわかります。

「工事をするかどうか」は、そのあとゆっくり考えれば大丈夫。
まずは“現状を知ること”が安心への一歩です。
熊本市では、耐震診断や補強工事に関する各種補助制度が用意されています。

細かな条件はありますが、
「費用が心配…」と感じる方にとって
少しでも後押しになる仕組みが整っています。

※制度内容は年度によって変わるため、
利用を検討される際は最新情報をご確認ください。

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假屋英樹
専門家

假屋英樹(不動産売買・リフォーム業)

株式会社クラブハウスエステート

不動産・リノベーションに携わって30年。中古住宅再生・性能向上リノベーションに注力してきました。「こんな家が欲しかった」人も環境も家計も喜ぶ家づくりをリノベーションで叶えます。

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