暮らしが一変、性能・機能が充実 ~ 築47年空き家フルリノベーション
空き家の現状と背景
近年「空き家問題」が多く取り上げられるようになりました。総務省の「住宅・土地統計調査」によれば、2023年時点の既存住宅数約6502万戸のうち、空き家は約900万戸。日本にある住宅の約13.8%が空き家になっている状態です。この大量の空き家には、利用価値の高い物件も多数含まれている一方で、適正な管理が行き届かず劣化が進む物件も少なくありません。
前回調査があった2018年の849万戸から51万戸増えました。比較可能な1973年から一貫して増え続けており、この30年間で空き家数は倍増しています。
空き家とは誰も居住していない住宅のことであり、総務省の「住宅・土地統計調査」では、空き家を以下の4つに分類しています。
①賃貸用の住宅…新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅
②売却用の住宅…新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅
③二次的住宅…別荘など、普段は人が住んでいない住宅
④上の①~③以外の人が住んでいない住宅で、居住世帯が長期にわたって不在の住宅や、
取り壊す予定になっている住宅など
空き家の増加は、景観や防犯の観点のみならず、地域社会の成長にもマイナスの影響を及ぼします。たとえば同じエリアで上記④にあげられるような長期にわたって不在の空き家が増え続けると、地域一体が過疎化。そのうち街全体が活力を失ってしまう可能性が高まります。このような空き家の発生を抑制することは、街の活性化や持続可能な社会を実現するための重要な課題です。
また、日本では新築住宅の需要が高く、頻繁に建て替えられていますが、住宅一棟を解体すると約50トンもの廃棄物が生じることも問題視されています。環境問題を考慮し、カーボンニュートラルの達成を目指すためにも、空き家を既存住宅として流通させる取り組みが求められます
空き家のリノベーションは、こうした問題を解決する有効な手段として注目されています。空き家をリノベーションすることで、地域の活性化や住宅市場の再生が期待されています。また、空き家のリノベーションは、新築に比べて費用が抑えられる場合が多く、予算に限りがある方にも魅力的な選択肢です。さらに、自治体や国からの補助金や減税制度を活用することで、さらにコストを抑えることが可能です。
なぜ今、空き家のリノベーションが注目されているのか
空き家のリノベーションが注目を集める理由は多岐にわたります。
まず、既存の空き家を活用することで、新たに土地や建物を購入するよりもコストを抑えられるという経済的なメリットがあります。
また、環境保護の観点からも、既存の建物を再利用するリノベーションはエコフレンドリーな選択肢とされています。
さらに、空き家のリノベーションでは個々のライフスタイルに合わせたカスタマイズが可能です。自分の理想の住まいを実現するために、間取りや内装、設備を自由に変更できる点が魅力的です。リノベーションによって省エネルギー性能が向上し、長期的に見れば光熱費の節約にもつながります。
また、空き家リノベーションは地域コミュニティの再生にも寄与します。放置された空き家を再生することで地域の景観が改善され、新たな住民の定住を促進します。これにより、地域の活性化が図られ、空き家問題の解決にも貢献します。
空き家リノベーションのメリット
①住宅取得コスト削減
既存の空き家を活用することで、新たに土地や建物を購入するよりもコストを抑えられるという経済的なメリットがあります。
②環境保護
リノベーションは、環境負荷が小さいことから近年多くの注目を集めています。現存する建物の骨組みを残し、その枠組みを利用して増改築や用途の変更を行うことで、老朽化した建物に新しい生命を吹き込む手法です。これにより、古い建物にも再び価値が生まれ、暮らしや利用シーンに応じたスペースが作られます。
リノベーションは既存の資源を最大限に活用するため、廃棄物の削減や新たな建材の使用を抑えることで環境にも優しい選択となります。そのため、持続可能な社会の実現にも大きく寄与すると期待されています。
③ライフスタイルに合わせたカスタマイズ
リノベーションは単なる「修繕」や「修理」とは異なり、創造的なデザインや機能追加を通じて、自分好みのデザインにカスタマイズが可能です。間取りの変更や内装のデザインをお客様のニーズに合わせて自由に計画することができます。例えば、オープンキッチンの導入やリビングの拡張、浴室やトイレの最新設備への交換など、ライフスタイルに最適な住まいを作り上げることができます。
さらに、古民家や築古物件の魅力を最大限に活かしつつ、現代的なデザインを取り入れることで、唯一無二の住まいを実現します。空き家リノベーションは単なる「修繕」ではなく、自分自身のライフスタイルや価値観を反映させた住まいを作り上げる素晴らしいプロジェクトです。
④省エネルギー効果
リノベーションにより、省エネルギー性能を向上させることも可能です。築年数が古い空き家は、断熱材の劣化や窓の性能不足などにより、冬は寒く夏は暑いという問題を抱えていることが多いです。リノベーションを通じて、断熱材の追加や高性能な窓の導入、省エネ設備の設置などを行うことで、エネルギー効率が格段に向上します。これにより、冷暖房費用を抑え、環境にも優しい住まいを実現することができます。さらに、省エネルギー性能が向上した住宅は、国や自治体からの補助金や減税制度の対象となることが多く、経済的なメリットも受けることができます。
⑤地域の活性化
空き家リノベーションは、地域コミュニティの再生にも大いに寄与します。放置された空き家を再生することで、地域の景観が改善され、むしろその魅力が新たに引き立ちます。それにより、新たな住民の定住を促進し、人口減少や過疎化が深刻な地域に新しい活気をもたらします。空き家問題の解決だけでなく、地域全体の活性化に繋がり、持続可能な社会の形成に寄与することができます。
⑥資産価値向上
空き家リノベーションの最大のメリットは、資産価値の向上です。放置されている空き家を再生することで、住宅としての価値が大きく向上します。特に築年数が経過した古い物件は、外壁や屋根、内装の劣化が進んでいることが多く、これらをリノベーションすることで新築同様の価値を持つ家に生まれ変わらせることが可能です。例えば、耐震補強や断熱性能の向上、最新設備の導入などを行うことで、安全性や快適性が大幅に改善されます。
空き家リノベーションの事例
施工事例の中から築44年の空き家をリノベーションした事例をご紹介します。
施工事詳細及びその他の施工事例はコチラからご覧ください
築44年空き家リノベーション
親族や両親が住んでいた自宅(実家)を「相続」されましたが、すでにご自身の住宅をお持ちのために、その自宅が空き家となってしまいました。初めのうちは定期的に掃除をしたり手入れをしたりして維持されていましたが、時間が経つにつれて空き家の管理が次第に負担になってきました。頻繁な清掃や修理が必要となると、その労力とコストが積み重なり、次第に維持が難しく手放すことを決められました。
経年劣化した堀車庫を解体し、新たに車高の高い車も駐車できるように外構の整備を行いました、建物は屋根や外壁を念入りに点検し、必要な箇所には補修を行ってから塗装を施しています。
リノベーション前の庭は、手入れが十分に行き届いていなかったため、雑草が伸び放題でした。まずは古くなったプレハブを解体撤去し、その後、土地をしっかりと整地し、人工芝を敷きました。