PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

1980~1990年代に生産されたネオクラ車の愛好家のニーズに応え、カーライフを総合サポート

旧車の修理・レストア・メンテナンス・売買を手掛けるプロ

粟田紳一郎

粟田紳一郎 あわたしんいちろう
粟田紳一郎 あわたしんいちろう

#chapter1

修理やメンテナンス、売買を手掛け、こだわりや悩みに対応

 1980~1990年代に生産された車のメンテナンスや売買を手掛けるのは、「エイティシーワークスプロジェクト」の代表、粟田紳一郎さん。「大切な愛車のコンディションを整えたい」「あの頃に憧れていたネオクラ車を手に入れたい」「長年ともに過ごしてきた愛車を売りたい」といった願いに応えています。

 「傷んだ箇所を修理するだけでなく、新しいテクノロジーやパーツを取り入れて車の可能性を広げること(レストア+モディファイ=レストモッド車両の製作)にも力を入れています」

 粟田さんは1994年に創業して以来、強いこだわりを持つ愛好家たちをうならせてきました。例えば、安定しない点火システム等を現代の精度の高いセンサーを用いてCPU制御に変更し、エンジンをより精密に制御させればエンジン性能が効率的に安定します。現代の環境にも配慮し、さらに走りや燃費向上を目的としたチューニングを施すことで、将来に何かトラブルが起きても部品の交換が容易となり、結果として長く乗り続けることが可能になるといいます。

 「長年の固定のお客さまにご愛顧頂き古い車両(一般中古車含)の売買も日々ご相談を承っているのですが、最近ではインターネットオークションで落札した旧車の整備を頼まれることもあります。80年代や90年代の自動車を扱っているのは、単に私が好きだから。同じように旧車好きの方の口コミや紹介によって、お客さまが集まってくださいました」

#chapter2

数々のレースに参戦し、セーフティーカードライバーとしても活躍

 1969年に熊本市で生まれた粟田さん。大学に進学するも、中退して某メーカー自動車ディーラーに就職します。「私の世代では娯楽と言えば車で、中でも私は6代目スカイラインが幼少の頃から大のお気に入りだったので、自身で所有し続けて熟知している日産車を売りたいと考えました」

 5年半の勤務を経て、25歳のときに個人事業主として開業。きっかけは当時熱中していた自動車レースでした。

 「会社勤めの傍らアマチュアジムカーナを含フレッシュマンレースに参戦したり、オーディションを受けたり、プロレーサーへの道を探っていたのですが、カートレース等を戦って来た10代が大勢いるなか、二十歳を過ぎて始めた私は残念ながらフォーミュラーマシンのシートを獲得するチャンスをつかめませんでした。それなら自分でチームを作ろうと。ツーリングカーレース用(箱車)の車を製作・他車でもチューニングした経験もありましたから」

 とはいえ、金銭的な余裕もなく、必死で働いたといいます。「ディーラー時代には、『中古車いるけん、おまえんとこから買うよ』と言ってくださる方もいて、本当にありがたかったです」

 さまざまなレースで活躍し、国際4輪レースライセンスを持つ粟田さん。現在はショップが忙しくなってきたこともあり、現役は退いたものの、自らのスキルを生かして年間15戦程度アクシデント発生時にコースを先導するセーフティーカーのドライバーを担っています。

 「SC-Drを務めさせていただいてから、十数年になります。SC導入時は参加しているチームやドライバーに対して勝敗に繋がる重要な所になるので失敗は許されません。そのプレッシャーと興奮は未だにたまらないですね」

粟田紳一郎 あわたしんいちろう

#chapter3

ネオクラ車にしかない魅力を求める愛好家の快適な走りを支えていきたい

 粟田さんは独立から3年後の1997年に法人改組し、有限会社エイ・ティ・シー・ワークスプロジェクトを立ち上げました。

 「現在二名で会社を運営していますが、過去に苦楽を共にしてきた従業員や技術者、整備士、専門エンジニアが周囲には十数名もいます。商いの分野問わず長年に渡る付き合いがいまだに続いていて、お互い助け合いながら、専門的な技術を入れた車両一台一台に向き合うようにしています。またその仲間や各店のお客さまも含めて年に数回、国際規格のサーキットを時間貸切しMS-Gr(モータースポーツ-グループ)走好会と称し、旧車から一般車対象のサーキット走行会も交流の一環として開催しています」

 昨今は、地球温暖化の要因となるCO2の排出量を削減する脱炭素化を志向する動きから、世界中で電気自動車の需要が高まり、メーカー間の開発競争も激化しています。「アクセルを踏みこんだときの排気音や振動など、静かに稼働するEVモーターにはない魅力を持つ内燃機は今後もなくならないでしょう。少数派になったとしても勉強を続け、技術を継承していくつもりです」と意欲を見せます。

 「旧車には数多くの人が魅了されているように、旧車にしかないカッコよさがあります。古いエンジンでも、当時の多連キャブなどを生かした『キャブならではの吸気音や鼓動』を楽しむ事も可能ですが、今の車に負けない制御や燃費、走行性能を実現できれば、快適にドライブすることができます。皆さんがカーライフを満喫するお手伝いをしていきたいですね」

(取材年月:2023年11月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

粟田紳一郎

旧車の修理・レストア・メンテナンス・売買を手掛けるプロ

粟田紳一郎プロ

自動車販売買取メンテナンス業

有限会社エイティシーワークスプロジェクト

ネオクラシック車両の修理やレストアメンテナンス、売買を専門に手掛けています。「車を売りたい」「あの頃憧れたあの車を購入したい」「所有の車の調子がいまいち」「必要な部品が生産中止」などをサポートします。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ熊本に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または熊本朝日放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO