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宮大工から培った技術で地震に強い3世代保つ木造住宅を提供

宮大工の技術で地震に強い3世代保つ木造住宅を建築するプロ

吉見泰政

吉見泰政 よしみたいせい
吉見泰政 よしみたいせい

#chapter1

住宅事業部「木温の家」を立ち上げ、土地の調査からプランニング、施工まで対応

 「ただ『良い家』を建てればいいのではなくて、『家族が幸せになれる、これから笑顔を育む家』をお客さまに提供することが私たちのモットー。家づくりを通して家族の笑顔と幸せを造っています」

 そう話すのは、熊本県上益城郡山都町を中心に事業を営む「吉見建設」代表取締役の吉見泰政さん。1985年に父の吉見今朝信さんが創業して以来、木造住宅の新築、リフォーム、増改築のほか、店舗の改修、合併浄化槽の設置、耐震診断などを請け負い、建物に関するさまざまな相談に応じています。

 「すべてはお客さまのために行動し、家づくりのプロとして心と技術を磨き、全社員・協力会社の物心両面の幸福追求と、地域社会への貢献を目的とする」という基本方針のもと、2012年には、住宅事業部「木温の家(こはるのいえ)」を設立。予算や希望に合わせた注文住宅を展開しています。

 「お子さん、お孫さんへと住みつないでいけるオンリーワンの住まいを実現するため、資金計画からお引き渡しまで担当者が全面的にサポートします。頻発する地震に備えるべく、まずは土地の調査を徹底して行います」と吉見さん。

 家族構成やライフスタイル、部屋の間取りや内装・外装のデザインといった要望を丁寧にヒアリングした上で、周辺環境も含め、立地に適したプランを提案しています。

 「安心感を持っていただくことも大切ですから、軟弱な地盤があれば補強し、強い基盤に整えます。お客さまの暮らしを守っていくためにも、家づくりに最初から最後まで責任感を持って取り組むべきだと考えています」

#chapter2

住宅に関する質問になんでも答えられる存在を目指し、宅建士の資格を取得

 神社仏閣の建築や修復を行う宮大工の顔も持つ吉見さん。幼い頃は保育士を目指していたそうです。
 「中学3年生の夏、父に連れられて現場を訪れた際、一から作り上げていく職人の姿がとてもかっこよくて、その場で進路を決めました」

 中学卒業後は「吉見建設」に弟子入りするつもりでしたが、父の今朝信さんから勧められ、熊本県立球磨工業高等学校に進学。木の特性や宮大工としてのイロハを学びました。

 「木も息をしているので、1年で1㎜、5年で5㎜伸縮することもあります。木材を使用する際にくせを見抜き、どちらに反るかを判断し組み立てていく。日本古来より培ってきた技が、今も私たちと共にあります」

 高校卒業後に吉見建設へ就職し、職人としての道を順調に歩み始めますが、入社して数年後に転機が訪れました。ある日、顧客から「このあたりの土地はいくらですか?」と質問され何も答えられず、このままでいいのかと自問自答するように。施工だけでなく、不動産にも詳しくなるべきだと決意し、宅地建物取引士を取得します。

 「不動産会社に転職し、住宅に関する事ならなんでも答えられるようになりました」と吉見さん。約5年間の勤務の中で知識を蓄え、再び家業へ。2021年に取締役社長に就任してからは、後進の育成にも力を注いでいます。

 「自分が育てた職人が次の世代へとノウハウを引き継いでいくことで、日本の文化として脈々と息づいてきた木造の住まいが、未来に継承されていくことを願っています」

吉見泰政 よしみたいせい

#chapter3

完成見学会やセミナー、大学の講義などを通して日本の伝統技術の重要性を発信

 自ら現場に立ち、木材1本1本の個性を見極めて細かく指示を出す吉見さん。「木の使い方には向きがあり、山に生えている状態と同じように用いることで、しっかりと建物を支えます。どこにどのように使うのが一番いいのか、節や木目の状態を見ながら組み上げていくのが他には負けない強みです」と胸を張ります。

 近年、資材の工場生産が当たり前になり、適材適所にあしらう目利きなどができず、長持ちする家が少なくなっているとか。
 「国内には、築年数が100年以上たっている歴史的な建築物や屋敷が点在しています。先人の知恵を受け継ぎ、一手間かけてあげれば3世代保つ家はかないます」

 吉見さんは「利便性の裏には不便性が出る」と語り、便利さや効率を追求するあまり、技術がおろそかになっている現状を危惧しています。

 「木材と向き合う日本の伝統技術の重要性を、完成見学会やセミナー、大学の講義などを通して、お客さまだけでなく同業の方たちにも伝えています。地域の方々に後悔のない住まいを届けることが、大工としての私の役割だと自負しています」

 熊本県で災害が発生した時、吉見さんが手掛けた住宅が事なきを得たことがあったそうです。
 「『大事な家が残って良かった』という手紙や電話をいただいことが、とてもうれしかったですね。住宅が崩れたらもう遅い、少しでも傾いた時点で、それは倒壊と同じと捉えています。10年、20年、50年と、先々までゆがみが生じないように1棟1棟、真心を込めて仕上げます」

(取材年月:2023年9月)

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吉見泰政

宮大工の技術で地震に強い3世代保つ木造住宅を建築するプロ

吉見泰政プロ

住宅事業・不動産全般

木温の家(有限会社吉見建設)

現地調査を徹底的に行い、理想を形にするための施工をスタート。使用する木材の癖を見抜き、50年先でも家のゆがみが生じたり傾いたりすることがないよう、住む人の安心感に配慮した家づくりを心掛けます。

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