資源を未来へつなぐ自動車リサイクルのプロ
弘内英一郎
Mybestpro Interview
資源を未来へつなぐ自動車リサイクルのプロ
弘内英一郎
#chapter1
日本では、毎年約320万台もの使用済み自動車が発生。一律に処分するのではなく、環境破壊を防ぐためにも手入れして有効活用し、廃棄物を減らすことが定められています。
四万十市にある「国寅商店」の代表・弘内英一郎さんは、自動車を中心に、古紙や金属、家電などを取り扱う総合リサイクル事業を展開。循環型社会と環境保全をかなえるべく、尽力しています。
「近年ニーズが高まっているのが、車の買い取りです。半導体不足や資源の再利用が叫ばれる中で、中古車の価値が見直され、相応の価格がつきやすくなったのでしょう。私どもとしても、貴重な資源がきちんと活用されるのは喜ばしいこと。エリア内であれば、故障車、事故車、車検切れ、走行距離が10万㎞超の過走行車も原則無料でお引き取りしています」
弘内さんのもとでは、年式をはじめ、メンテナンスの状態やオプション、市場価格や需要動向まで幅広くリサーチ。一台一台の価値を丁寧に見極める査定を心掛け、廃車手続きも担います。顧客からは、「想定以上の値段で売れてうれしい」「煩雑な事務を代行してくれて助かる」といった声が寄せられるとか。
また、リサイクルパーツのECサイトも運営。内外装、機能部品など1万点以上の在庫を誇ります。
「品質基準を満たした多様なアイテムをそろえているので、整備工場によくご利用いただいていましたが、低価格で販売していることから最近は一般のお客さまが購入されるケースも増えています。リサイクルという選択肢が身近になり、『まだ使えるものを大切に使う』という考え方が少しずつ広がっていることを実感しています」
#chapter2
父が1968年に創業した会社を継いだ弘内さん。子どもの頃は「不要になったものを扱う商売」というイメージが強かったそうですが、現場に立ち始めると、家業の印象は大きく変わりました。
「お客さまから『待っていたよ』と言っていただけることが多かったんです。不用品の回収は、待ち望まれている仕事だと気づいてからは、やりがいを感じるようになりました」
26歳で代表に就任するも、時代の流れで当時主力だった金属や古紙の相場が低迷。事業を継続するためには新たな柱が必須と考え、自動車のリサイクル業へ本格的にかじを切ります。当初は知識も経験も十分ではなく、失敗の連続だったそう。
「パーツは同じ車種でも年式で型が変わることがあり、見極めが難しい。また、取り出して終わりではなく、使える状態に整備するには技術が求められます。お客さまの安全にも関わることですから、独学ではなく体系的に学びたいと思いました」
弘内さんが門をたたいたのは、日本自動車リサイクル事業協同組合(NGP)。使用済み自動車の適正処理やリサイクル部品の生産・供給を通じてCO2削減などに取り組む全国組織で、一定の加入条件を設け、経済産業大臣の認可を受けています。
「厳しい要件をクリアしたことで、知識、スキルともに専門性を備えることができました。リサイクル法に基づき危険部品や化学物質は不備なく回収し、パーツは1点1点厳正に検査して性能をチェック。NGPの商品化基準に見合った品に仕上げています」
#chapter3
1999年にNGPへ加入して以降、環境に対する思いをより一層強くした弘内さんは、環境や品質に関するマネジメントシステムなどで、国際規格のISO認証を取得。法令を順守し、環境汚染の低減や、質の高い製品を安定的に提供する仕組みづくりに努めています。
「高知県には清流として名高い四万十川が流れ、流域には緑深い山々が連なり、悠久の時を超えて息づく雄大な自然を守る責任は大きいと考えています。リサイクルは、地域の未来を支える重要な役目であると、従業員一人一人が自覚と自負を持って職務に向き合ってくれています」
部品を迅速に出荷するスタッフ、受発注を管理する事務担当、各方面へ納入する運送会社まで。必要としている人に的確に届けることで「お客さまの笑顔」につなげ、無駄なく生かすことで「持続可能な社会の実現を目指す」というスローガンを共有しているのが、強みだと言います。
今後も自動車のリサイクル事業を主軸に、限りある資源の再利用を促す活動に力を入れていきたいと語る弘内さん。解体時にはフロンガスや廃液が発生しますが、環境負荷を抑える専門設備を導入し、適切に処理しています。
「部品を再生するには技術の研さんも欠かせません。社員教育や外部研修を通じて、本来の機能を発揮できるよう細部に至るまで丁寧に整える体制を築いています。お客さまに安心して任せていただける仕事を積み重ねることで、青く美しい地球を維持し、心豊かな暮らしを子や孫に継承していきたいですね」
(取材年月:2026年6月)
リンクをコピーしました
Profile
資源を未来へつなぐ自動車リサイクルのプロ
弘内英一郎プロ
リサイクル事業
有限会社国寅商店
自動車を中心に幅広いリサイクル事業を展開。自動車の買い取りや再利用部品の提供を通じて、資源循環と環境保全に貢献。環境負荷の低減に向けた設備も導入し、持続可能な資源活用を支えています。
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
掲載専門家について
マイベストプロ高知に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または高知放送が取材しています。[→審査基準]