家族を支え要介護者に寄り添う介護サービスのプロ
濱渦敏彦
Mybestpro Interview
家族を支え要介護者に寄り添う介護サービスのプロ
濱渦敏彦
#chapter1
厚生労働省によると、2020年度の要介護・要支援認定者数は約682万人。公的介護保険制度がスタートした2000年度と比べ、2.5倍以上に増加しています。また、65歳以上の認知症患者数は600万人を超えると推計され、2025年には、65歳以上の5人に1人に当たる約700万人にのぼると見込まれています。
「加齢により、心身の機能は少なからず低下します。誰にでも起こりうることだからこそ、いくつになっても生きがいを持ち、幸せを実感できる人生を送るためにどうしたらいいか。それをみんなで考える必要があります」
そう話すのは、「介護ネットサービス」代表の濵渦敏彦さん。2013年に、高知市東雲町で「介護館」を開設。1階で通所型のデイサービス、2階で住宅型有料老人ホームを運営しています。
「私どもは、ご本人の思いに寄り添いながら、ご家族と共により良い毎日を送るにはどうすればいいかを考えます。地域のみなさんに頼りにされる存在でありたいと願っているので、困り事があればお声掛けください」
濵渦さんは、話しやすいようにアットホームな雰囲気を心掛け、要望などには柔軟に対応しています。
「デイサービスでは朝から夕方まで過ごすのが一般的ですが、当館では、ご家族がお勤めなどを終えるまで時間を延長できます。また病院を退院後、ご自宅での生活に不安がある場合は、デイサービスと宿泊を組み合わせ、週2~3日の帰宅から徐々に在宅療養に慣れていただくこともできます」
介護度や認知症の有無に関わらず多くの人を受け入れられるよう、往診の医師や医療機関とも提携しています。
#chapter2
妻とともに准看護師をしていた濵渦さん。仕事のかたわらケアマネジャーの資格を取得し、2010年に事業所を設立しました。地域のニーズを受け、要介護認定を受けた人が自宅で介護サービスなどを利用しながら生活できるよう支援する居宅支援事業所を立ち上げます。一方でプライベートでは母親と同居し、働きながら在宅介護を続けていました。
有料老人ホーム開業を目指したのは「自分たちと同じように懸命に介護をしているご家族の力になりたい」との一心からだったと語ります。
「ご本人が自分の中で起きているいろいろな変化に戸惑うのも、それらを受け止めるご家族が先々を心配する気持ちもよく分かります。当方をご利用いただき、『今夜はゆっくり眠れます』と、ホッとした表情で話されるご家族を目にするたび、お役に立てて良かったとこちらも安堵します」
濵渦さんのもとでは、それぞれに適したサポートをかなえるため、家族の関係性、本人の性格、経済状況など、多方面から検討することを大事にしています。
#chapter3
介護支援専門員、介護事業者、家族の立場で、さまざまなケースを見てきた濵渦さん。昨今は、通所や在宅、施設入居と選択肢が増え、保険でカバーする範囲も整備されつつありますが、課題はまだまだ多いと感じています。情報が行き渡らず、必要としている人に届いていない現状も見受けられるからです。
「介護認定を受ける場合はまず、市役所の介護保険課といった行政の窓口で申請してください。職員など担当者が訪問して聞き取り調査を行い、医師による意見書と併せて判定されます。各地に設けられている地域包括支援センターでは、介護・医療に関することから金銭的なことまで幅広く相談ができます」
さらに、家族の集いなども開催されているので、悩みやストレスを共有し、交流を深めることができると呼び掛けます。
「ケアをする中で、ご本人や他のご家族の態度などにイライラして感情的になることもあるでしょう。でも、ご自身を責めないでください。しんどい時は一人で抱え込まず周りに助けを求めること、周囲の方は当事者を孤独にしないことが大切です」
濵渦さんは、日々の疲れを軽減するため、介護保険制度があり色々なサービスがあると言います。
「『頑張っても認めてもらえないことが一番つらい』とおっしゃる方は少なくありません。身近すぎて照れ臭い部分もあるでしょうが、たとえ一言でも口に出してねぎらいや感謝の言葉を伝えること。それだけで介護を担う方の心の負担を軽くすることができるはずです」
(取材年月:2023年6月)
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家族を支え要介護者に寄り添う介護サービスのプロ
濱渦敏彦プロ
介護サービス
有限会社介護ネットサービス
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