明るさと風を感じる開放的な住宅設計のプロ
高橋光輝
Mybestpro Interview
明るさと風を感じる開放的な住宅設計のプロ
高橋光輝
#chapter1
高知城の北、川沿いの静かな場所にある一級建築士・高橋光輝さんの“光計画事務所”。住宅設計について語るキラキラした笑顔も、そのネーミングにぴったりです。
「どんな家にしたいか。建築士のひとりよがりの家ではいけない」
高橋さんは、お客さまの家族構成、生活スタイルを踏まえ、家を建てることで得られる多くのメリットを、将来的に対応する設計にして描く人。
「仕切りを付けて子供部屋などを確保し、外せば開放的に使える形状にしておくと、いずれ多目的に使えます」
子どもたちが巣立ち、空き部屋や収納部屋が増えるといった晩年図の想定と、機能性、快適性、合理性を柱に、いくつものメニューから選択し組み立てる、丁寧なプランニングです。
「そして家の色彩は非常に大事です。ひとつひとつはいい色であってもマッチしない組み合わせがあります。周囲との関係もあるので不可解な印象にならないよう、特に外観の配色は重要です」
非常勤講師として高知工科大学で建築構造を、高知短大で建築基準法教えている高橋さんのお話ぶりは、施主がまだ見ぬ家をイメージし、夢を現実にするための説得力に満ちています。
「極力、お客さま重視。意向に合わせ、落ち着いた和風の家、洒落たモダンな家を作っていきます。ただ、内装には主にヒノキやスギを使っているので、県産材のいいところを見せる方向になってます。適材適所、ヒノキを柱に、梁材にはスギをおすすめしているんです」
実際に柱のサンプルを持って比べてみると、ヒノキの重量が安全性の高さを物語り「こんなに違う?」と感嘆の声が上がるそうです。
#chapter2
厳しい敷地条件でも住み心地の良い家に仕上げたい…。
南側の住宅に阻まれ光が入らない、奥行きの狭いL型の敷地を持つ施主の依頼に、高橋さんのプランニングは高さ3メートルの壁を作り、隣同士のプライバシーを守るところから始まりました。
「見たくないのに見えてしまうお互いの気まずさを解消するため、南の窓面を思い切って潰す格好です。そして中庭を採用しコートの反対側にも吹き抜けを取って、両方から光を均等に入り込ませることにしたんです。」
落成を迎えたのは冬至の翌日でしたが上からの光の効果が、高橋さんの思いとピタリと重なりました。部屋の一番北端まで陽が差し込む様子に、みんなで喜びあったと言います。
目隠しである南壁をスクリーンにして映画を観るなど、遊びのスペースに機能美も備わった建物は「光庭のある家」と名付けられました。
「間取りだけではわからないことがあります。日当たりのいいところ、風通しのいいところを重要視して、家にいる時間を楽しんでほしいんです。私の設計は、いつどのように光が移動していくかを考慮して行うので、それが予想通りにいくととても嬉しいですね」
#chapter3
夜須の山間に残る大正時代の日本家屋に、高橋さんのリノベーションが映える「青空の香る家」。
外観には以前の面影を保ちながら「室内はあくまで大胆にいきたい!」という施主の希望がありました。
大小の和室が並ぶ元の間取りをほぼなくし、薪ストーブを据えた土間やLDKが一体の広々とした空間、東側の緑豊かな景観をフルに楽しむウッドデッキ、増築部分にはロールスクリーンで仕切るゲストルームを設け、築90年とは思えないいくつものくつろぎのスペースが実現しています。
「収納があったり漆喰壁が連続していることで、一番いい景色が遮られていました。それらを取り払い出来上がったリビングは、やや変形ですが繋がりを持っていて、座る場所ごとに違った雰囲気が味わえます」
現在、同じ地域の海岸近くに住む施主にとってこの家は、新しいライフスタイルを創造する場所であり、津波から身を守る第二の住まいでもあります。
「壁を抜いて筋交いをやたら増やすのでなく、建物全体のバランスを整えることで必然的に強度に優れた家となります」
受け継いできた座敷の多い平屋の建物は、高橋さんが提案する“光と風の通る快適で安全な住まい”に生まれ変わり、テレビ特別番組『日色ともゑの木の国SP 家族の歴史をつむぐ県産材の家(RKC高知放送・2013年11月放送)でも取り上げられました。
(取材年月:2014年3月)
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Profile
明るさと風を感じる開放的な住宅設計のプロ
高橋光輝プロ
一級建築士
光計画事務所
機能美に優れたモダン住宅、変化するライフスタイルに対応する家、開放的な空間や明るく風通しの良い家、又県産材を使った木の表しの内装、住まい手の気持ちを大切にした愛着のわく家づくりが強み
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