思い出を形に残すオリジナル映像制作のプロ山中弓

思い出を形に残すオリジナル映像制作のプロ

山中弓

結婚式をはじめ、ぬくもりあふれる人生のメモリアルムービーを制作

　「人生のさまざまなシーンを捉えてご家族の記憶を紡ぎ、絆を深めるお手伝いをいたします」と語るのは、高知市の「Arconest（アルコネスト）」の代表・山中弓さん。

結婚式をはじめ、お宮参りや七五三、誕生会、成人式といった子どもの成長の軌跡、企業の式典、プロモーションなど、幅広い映像を手掛けています。

　「最近ではスマホを使って手軽に動画が撮れますが、データをまとめるのが難しいと悩む人も多くいます。映像は、いつ、誰と、どこで観るかによって構成や演出を変える必要があります。当社は、事前の打ち合わせで目的や希望を入念にお伺いし、時に情感豊かに、時に躍動感にあふれた作品に仕上げています」

　ウェディングでは当日の様子を撮影・編集し、披露宴の最後に流すエンドロールムービーが、子ども向けでは初めてのランドセルや、卒園・卒業のメモリアルムービーが人気。ペットオーナーの「自分ではうまく撮れない」「一緒に写りたい」という声から誕生した“PETMO（ペットモ）”プランも好評です。

　「お母さん、飼い主さん目線で向き合うようにしています。わが子、愛犬や愛猫をいつくしむ愛情をくみ取りながら制作しますので、お客さまが求める空気感を醸し出すことができ『心が温かくなる』と言っていただけます」

　“心が通う映像づくり”をモットーにしている山中さん。撮影時にも細やかな気配りを欠かしません。

　「小さいお子さんの場合は1時間程度にとどめるなど、ストレスをかけない環境づくりを心掛けています。知り合いに頼む感覚で、気軽にご用命いただきたいですね」

CM制作、ブライダル映像を手掛けた両親の事業を受け継ぎ、創業

　山中さんの父はCM制作会社を営み、母はブライダルをメインとする映像事業に従事。自身もCMに出演するなど、幼い頃から撮影の現場に親しんでいました。

　「出産後に働き口を探していた時、母から『仕事を手伝ってくれない？』と誘われたのを機に、映像の世界に足を踏み入れました。父の会社と母の事業を引き継ぎ、2018年に東京で『Arconest』を立ち上げました。2024年に2社を統合し、現在は高知と東京でサービスを提供しています」

　代表としてのスタートは不安も大きかったものの、支えてくれる家族やスタッフの存在が大きな力になったと振り返ります。

　「何も知らない状態から始めた私に、スタッフが『完璧じゃなくていい。一緒に学んでいけばいい』と言ってくれたのが励みになりました。代表に就いてからは、両親が常々口にしていた『スタッフを大切にしなさい』という言葉がふに落ちました。コミュニケーションを重ねてご要望などの情報共有に努め、それぞれの得意分野でスキルを発揮してもらうことで、お客さまのご満足につながっていると思います」

　東京ではブライダル業界の人脈を広げ、数多くの晴れの日に携わってきた山中さん。東京での経験は、高知での仕事にも良い影響を与えていると言います。

　「SNSなどを通じて東京での実績を知ってくださり、新しいご縁をいただく機会が増えました。都市と地域の二つの視点を持つことで、トレンドや古き良き慣習など提案の幅が広がったと感じています」

子どもやペット撮影を通じて、子ども食堂や保護犬活動への寄付も展望

　山中さんが現在特に力を入れているのは、子どもとペットの撮影です。得た報酬の一部は、社会貢献に使うことを趣旨としています。

　「子ども食堂や保護犬活動をされている人のほとんどは、ボランティアだと聞きました。売り上げの一部を寄付して、少しでもお役に立てれば幸いです」

　家族の節目に立ち会い、歴史を重ねる過程に寄り添う山中さん。多くの人にぬくもりに満ちた作品を届け、サポートの輪を広げていくため、他の地域にも拠点を設けたいと展望しています。

　「他県のカメラマンとも提携していますが、もっと仲間を増やしてネットワークを強化することが目標です。ともに力を合わせ、地方を元気にする取り組みができればと考えています」

　映像は、家族を大事にする気持ちや一家の思い出を形にする手段の一つ。一人一人の声やしぐさ、表情などを色鮮やかに映し出し、時間を巻き戻すタイムマシンとなり、成長の記録として子どもたちに贈るプレゼントになるのが魅力だと山中さんは話します。

　「お孫さんから、遠方でなかなか会えないおじいちゃん、おばあちゃんに向けたメッセージはほっこりと心が和みますし、新たな門出を迎えた新郎新婦の姿に涙するご親族の姿は胸が熱くなります。笑いあり、涙ありの瞬間をたくさん残しもらうのが願いです。年月がたって見返した時に『自分は愛されていたんだな』と実感できて、かけがえのない宝物になります。これからも『未来への贈り物』を一つ一つ丁寧に形にしていきたいですね」

（取材年月：2025年5月）

色鮮やかに記憶がよみがえり、時間を巻き戻す映像は「未来への贈り物」

結婚式をはじめ、ぬくもりあふれる人生のメモリアルムービーを制作

CM制作、ブライダル映像を手掛けた両親の事業を受け継ぎ、創業

子どもやペット撮影を通じて、子ども食堂や保護犬活動への寄付も展望

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