過去のプログラムご紹介
『クラシック』と言われる分野ながら、
いつでも日進月歩の技術革新と深い関係にある。
人の移動手段にかかる時間と労力、
楽譜を書くための紙やインクに始まり、
印刷技術や今ではデータ管理、
演奏を始めて記録した蝋管に始まり、
これも今ではデータ。。。
でもその途中で映像が加わり、
普及も目処がたった時にその技術に飛びついたのは、帝王の異名を持つ指揮者、カラヤン。
カラヤン監修の演奏動画は、映画監督ばりの視点で、楽器の向きをキッチリ平行にするとか、キッチリ対照させるとか、照明の向きにも拘って、何度も撮り直しがあったとか。
そして録音についても、曲の構成とリンクした厳格なテンポになるように編集することも厭わなかった。
つまり、生のコンサートでは人間的な誤差は生じるところを(実際にライブ録音では生じているところを)徹底的にキッチリと作り上げる「録音芸術」をやってのけた。
これはもう、西洋における芸術の翠を音楽に落とし込んだ、という雰囲気で、まさにその芸術の帝王として君臨する姿は、そういった動画作品でも表現されている。
でもこの「ゲージュツカの雰囲気を打ち出す」という手法を最初に意識したのは、
きっとベートーヴェンだったのではないか、と思う。
そして、このカラヤンと同時代に対照的だと私が感じていたのが、フレンドリーで、アメリカという国に多くの人が憧れていたものをキラキラに持ち合わせたようなバーンスタイン。
この二人についてのお話は、
また今度。



