シニア犬のグルーミング第1回:シニア犬の「清潔」は、最高の介護ケア

オレンジライフ湘南の堀内です。
前回は、シニア犬にとって「清潔でいること」がいかに心の健康や尊厳に直結するかをお話ししました。単なる美容ではなく、体を綺麗に保つことが愛犬のやる気を引き出し、介護生活を明るくする第一歩になるという内容でしたね。今回は、さらに踏み込んで具体的な予防ケアについてお伝えします。
褥瘡(床ずれ)を防ぐために
寝たきりの状態が続くと、どうしても心配になるのが「褥瘡(床ずれ)」です。一度できてしまうと治りにくく、ワンちゃんに強い痛みを与えてしまう褥瘡ですが、実は日々のグルーミングで予防の精度をぐんと上げることができます。
なぜブラッシングが褥瘡予防になるのでしょうか?理由は大きく分けて2つあります。1つは、毛玉を防ぐことで皮膚の通気性を保ち、細菌の繁殖を抑えること。また毛玉ができてしまうと、その下の皮膚の状態の変化を見逃してしまうことがあります。
もう1つは、ブラシの刺激によって皮膚の血行を良くすることです。特に寝たきりの子は、自重で圧迫されている部分の血流が滞りやすくなっています。ブラッシングで皮膚を優しく動かしてあげることは、マッサージと同じような効果があり、皮膚の組織を活性化させてくれるのです。また、ブラッシングをしながら「今日も頑張ってるね」と声をかけるスキンシップ自体が、ワンちゃんの生きる意欲にも繋がります。
見て、さわって
このとき、単に毛をとかすだけでなく、皮膚の「温度」や「弾力」にも注目してみてください。褥瘡の予兆は、皮膚がうっすら赤くなったり、触ると他より熱を持っていたりすることから始まります。ブラッシングは、こうした小さな変化を見逃さないための、全身チェックの貴重な時間でもあります。たとえ毛が短くても、柔らかいラバーブラシ等で優しく撫でてあげるだけで、褥瘡のリスクを大幅に減らすことが可能です。
特に、骨が突き出ている腰回りや肘などは、重点的にチェックしてあげてください。もし毛が固まっていたり、皮膚がベタついたりしている場合は、そこから皮膚トラブルに発展する可能性があります。
次回は「トリミングサロンで断られてしまったご家族へ」についてお伝えします。



