人手不足×脱炭素時代の新戦略|なぜ経営者は“軽貨物事業”に注目すべきか

川上絢一郎

川上絢一郎

テーマ:法人向け軽貨物新規事業

脱炭素と人手不足の時代、軽貨物は“逆風を追い風に変える”最後の成長市場である
2028年、伊藤忠商事はアンモニア燃料を供給する世界初の専用船を実用化します。海上物流の脱炭素化が本格的に進む中、日本の港湾機能も再編・強化され、社会全体が“運ぶ”インフラの再構築へと動き出しています。

このような大局の変化の中で、今、私たちが地に足のついたビジネスチャンスとして着目すべきなのが、軽貨物配送事業の可能性です。

■「運ぶ人が足りない」現実が、ビジネスチャンスになる時代


厚生労働省の統計によると、2024年の運輸業の有効求人倍率は2.94倍。これは全業種平均の約2倍という高水準です。
また、国土交通省の予測では、2030年にはトラックドライバーが20万人不足するという深刻な見通しも出ています。

企業も個人も、何かを生産・販売する以上、それを「届ける手段」がなければ価値になりません。
軽貨物事業とは、その“最後の価値創出”を担う存在であり、今後さらにニーズが拡大していく業界です。

■ 高騰する燃料費——それでも軽貨物は利益を生み出せる


2022年以降、ウクライナ情勢や為替変動の影響で、ガソリン・軽油の平均価格は40%前後も高騰しました。これは物流業にとって死活問題です。

しかし、軽貨物配送は「単価の安いビジネス」を“効率”でカバーできる仕組みを持っています。

例えば当社(横浜市所在の軽貨物事業者)では、以下のような方法で燃料コストを抑えながら収益性を確保しています:

狭域配送(無駄な移動なし)

複数案件の同時持ち(まとめて配達)

EV軽バン・ハイブリッド車への移行

空走時間を減らすアプリ連携の運行管理

つまり、「燃費=利益率」に直結する軽貨物業界では、データと工夫で収益を守る文化がすでに根付いています。燃料費の上昇はピンチであると同時に、改善の余地=利益を増やすチャンスなのです。

■ 個人でも企業でも“軽貨物”に参入すべき理由


個人にとってはローリスクの起業モデル


車両1台とスマホがあれば始められる

初期投資50〜100万円前後で月収40万以上も可能

副業・セカンドキャリア・定年後にも最適

企業にとっては“第二の売上の柱”となり得る


自社商品を“自社で届ける”ことで利益率を改善

稼働が空いている時間・人材をマネタイズ

取引先の配送業務を請け負いBtoB売上を創出

特に中小企業においては、自社の中に“動ける物流機能”を持つことが競争優位性になります。実際、当社では製造業・飲食業・EC事業者などから「軽貨物部門を作りたい」という相談が急増しています。

■ “脱炭素”も“物流維持”も、結局は「人」が支える


港から港へのアンモニア供給を実現しようとする伊藤忠のような大企業が未来を描く一方、
私たち軽貨物事業者は「町から町へ」「人から人へ」と、暮らしと経済の“今”を支えています。

どんなにAIが進化しても、荷物は誰かが運ばなければ届きません。
今こそ、社会的にも経済的にも意義ある仕事として、軽貨物業に参入すべきタイミングです。

■ 最後に:逆風の中で動いた者が、次の時代を作る


働き手不足、燃料高、環境負荷——
多くの産業がこうした逆風にさらされる中で、軽貨物配送という選択肢は「今だからこそ強いビジネスモデル」です。

副業から始めたい方も、自社で新たな収益モデルを構築したい経営者も、
今が動き出すチャンスです。

地域の“最後の1マイル”を担うビジネスは、これからますます価値を持ちます。

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川上絢一郎
専門家

川上絢一郎(軽貨物運送業)

ハウンドジャパン株式会社

総売上30億円の軽貨物運送会社が、独自に構築した「持たない経営」のノウハウ&人脈で、在庫・人材・コストを抑えて成功に導く。業界知識のない個人・新規参入の法人が続出し、各年商の2年目平均は1億円を達成。

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