「知らなかった」では済まされない時代へ──業務委託契約とマネジメントの重要性を軽貨物配送業から学ぶ
かつて「名刺交換」は日本のビジネス文化における“最初の儀式”とも言われてきました。
お辞儀をしながら両手で差し出し、相手の名刺を丁寧に受け取る——そんな光景は長年、商談や会合のスタートシーンとして定着してきました。
しかし、その当たり前が、今大きく変わろうとしています。
名刺管理サービスの大手・Sansan株式会社は、2025年4月に紙の名刺を再生して「カード型のデジタル名刺」に変換するという画期的な取り組みを発表しました。この新サービス「マイエイトカード」は、イベント会場などで回収した不要な紙名刺を再利用し、スマートフォンにかざすだけで名刺情報を読み取れるデジタルカードへと変えるものです。
国内では年間およそ45億枚の名刺が生産されていますが、そのうち実に約20億枚が活用されずに廃棄されていると言います。
これによって排出されるCO2は約1.7万トン。これは東京ドーム411個分の森林が1年かけて吸収する量に相当します。
つまり、名刺ひとつとっても、古い慣習をそのまま続けることが、無駄と環境負荷を生み、さらには新たなビジネスチャンスを逃しているという現実があるのです。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)は「待ったなし」
この事例が象徴するように、あらゆる業界で「古い慣習」が問われ直されています。そして、その多くはDXによって解決できる課題です。
しかし現実には、未だに「紙の契約書」「電話・FAXでのやりとり」「エクセル手入力の業務管理」などが当たり前のように残っている企業も少なくありません。特に中小企業では「今のままで何とかなっている」「デジタルに不慣れ」といった理由で、DXが後回しにされがちです。
しかし、こうした“古い慣習”を放置していることこそが、最大の機会損失です。
今や大手企業はもちろん、ベンチャーや個人事業主に至るまで、デジタルを前提にした業務設計がスタンダードになりつつあります。商談、契約、採用、顧客管理、広報活動まで、全てがデジタルを介して進む時代において、アナログ業務にしがみついていては、スピード感にも対応力にも限界が出てしまいます。
当社の取り組み:クラウドサインとドライバーDX
私たちは軽貨物運送業を営む中で、このDXの波を受け止め、むしろ先んじて活用することで成長してきました。
たとえば、ドライバーとの契約や管理業務はすべて「クラウドサイン」で完結できるように整備しています。従来であれば、紙の契約書を印刷し、郵送や面談を通じて署名・押印し、事務所で保管し…という手間が必要でした。しかし現在は、スマホ一つで契約書の送信、署名、保管が完了します。これによりドライバーの採用スピードが格段に向上し、タイムリーな案件マッチングが可能となりました。
また、荷主様との契約や業務報告においても、クラウドベースの契約・情報共有を導入し、ペーパーレス・スピーディな対応を実現しています。
特に軽貨物業界は「スピード命」の世界。ドライバー獲得においても、荷主との信頼構築においても、DX化による“タイムロスの削減”が大きな武器になっているのです。
中小企業だからこそ、柔軟に変われる
大手企業は資本力や人材力があるからDXに取り組める——そう考える方も多いかもしれません。
しかし、私たちのような中小企業だからこそ、**現場目線で柔軟かつスピーディに導入できる**という強みがあります。
「デジタルに強くないから…」ではなく、「今できる範囲で試してみる」。たとえば、まずは契約書のやりとりからクラウド化してみる、名刺管理をアプリに置き換えてみる、というように、小さな一歩から始めることで確実に変化が生まれます。
そして何より、**DX化の先には“働きやすさ”と“選ばれやすさ”があります。**
業務がスムーズに回る会社、無駄なやりとりをしない会社、環境にも配慮した取り組みをする会社──そんな企業で働きたい、そんな企業に仕事を頼みたいと考える人は、確実に増えています。
最後に~古い常識を手放し、新しい時代へ
Sansanの「デジタル名刺化」は、名刺というシンボリックな“紙文化”の終焉を告げるものです。これは単なるサービスの進化ではなく、私たち一人ひとりのビジネス観のアップデートを迫るメッセージではないでしょうか。
名刺の代わりにスマホをかざす時代。契約書の代わりにクラウドでやりとりする時代。そんな時代に生きる私たち中小企業こそ、チャンスはまだまだあります。
変化を恐れず、まずは一歩から。
私たちはこれからも、軽貨物運送業というフィールドから、DXの力で「働きやすい」「選ばれる」企業を目指していきます。
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