軽貨物事業の経費を左右する「ガソリンカード」活用術〜2025年4月の高騰局面をどう乗り越えるか〜

テーマ:個人で起業したい人向け

2025年4月現在、原油価格の上昇や為替の影響により、ガソリン価格は全国的に高止まりが続いています。
特に軽貨物運送事業において「燃料費」はコスト構造の中核であり、経営を圧迫する最大要因のひとつです。

これから軽貨物事業に着手しようとする中小企業の経営者にとって、「どのように燃料コストを抑えるか」「経費処理を効率化できるか」は、収益構造の健全化に直結する大切なテーマです。

本コラムでは、経営判断の視点から「ガソリンカード」の活用メリットと、導入時のチェックポイントを整理しつつ、事業形態に合わせたおすすめのカードもご紹介します。

なぜ今、ガソリンカードの導入を検討すべきか?


まず前提として、2025年4月現在のガソリン価格は全国平均でリッター180円前後。
ハイエースクラスで月1,000Lを消費するような事業規模になれば、年間で200万円近い燃料費がかかる試算になります。

この燃料コストを1Lあたり2円でも下げられれば、年間で24,000円。
さらにポイント還元を含めれば3万円以上のコスト削減に繋がります。

わずか数円の差でも、積み重なれば事業の利益率を大きく左右する「経営的インパクト」があることは間違いありません。


ガソリンカードを導入する3つの経営的メリット


① 燃料費の割引・還元によるコスト削減


ガソリンカードを使うと、通常よりも割安な単価で給油できたり、ポイントによるキャッシュバックを受けられます。

代表的な例は以下の通りです



  • ENEOSカード S:ガソリン・軽油がリッター2円引き
  • アポロステーションカード:同じくリッター2円引き+ポイント付与
  • 楽天カード(ENEOSで使用):ポイント1.5倍還元(100円で1.5ポイント)



また、一定期間のキャンペーンや、利用明細Web化による追加割引もあり、カード選び次第では年間で数万円〜十数万円の経費圧縮が可能です。

② 経費処理の効率化(特にクラウド会計との連携)


軽貨物運送では日々の給油が頻繁に発生します。現金払いであれば、すべて領収書を保管・記帳しなければなりません。対してガソリンカードなら、月次の利用明細が一括で確認可能。さらにクラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)と連携させることで、自動仕訳・自動反映が可能になります。

結果、事務工数の削減と申告ミスの予防にもつながります。

③ 従業員管理と不正利用の防止



社用車を複数保有する場合、**クレジット機能のないガソリン専用カード**を従業員に配布することも可能です。これにより、私的利用などのトラブルリスクを未然に防げます。

ガソリンカードを選ぶ3つの基準(導入前のチェックポイント)


① 拠点・営業圏内に対応店舗があるか?



いくら割引率が高くても、普段利用するスタンドで使えなければ意味がありません。カード発行前に、自社車両がよく利用するガソリンスタンドで使えるかどうかを必ず確認しましょう。

たとえば、ENEOSは国内最大手でカバー率が高いため、特に広域に配送を行う企業には相性が良いとされています。

② 年会費の有無と特典のバランス


年会費無料のカードも多くありますが、有料カードの中には割引率が高く、ロードサービスなどの付帯機能が充実しているものもあります。

年会費がかかっても、頻繁に給油を行う車両が多ければ十分元が取れるケースがほとんどです。

③ クレジット機能付き or 専用カード(非クレカ型)か



  • クレジット機能付きカード:楽天カード・ENEOSカードなど → ポイントが貯まりやすく、個人事業主・経営者におすすめ。
  • 非クレジット型カード(協同組合型):従業員用や法人用に複数枚導入したい場合はこちらが安全・便利。


経営スタイルに応じた「おすすめガソリンカード」



目的別 カード名 特徴
コスト削減・ポイント重視 楽天カード 年会費無料・還元率最大3%・ENEOSで優遇
経費処理・実務重視 ENEOSカード S 全国対応・月次明細・ロードサービス付
従業員向け・管理重視 高速情報協同組合カード/ETC協同組合カード 非クレカ型・不正防止・後払い対応


■ 中小企業が「ガソリンカード」を導入する意義とは?



軽貨物事業は、低資本でスタートできる反面、ランニングコスト(特に燃料費)の管理が甘いと利益が出にくい業種でもあります。特に現在のような高燃料時代においては、「いかに1円単位のコストに敏感であるか」が、事業成功の鍵になります。

ガソリンカードの導入は、単なる節約ではなく「経営判断」です。導入によって得られるのは、コスト削減だけでなく、業務効率・従業員管理・リスクヘッジといった複合的なメリットです。

最後に:ガソリンカードは“作らないと損”な経営ツール



今後さらに燃料価格の変動が予測される中、ガソリンカードの活用はもはや選択ではなく、事業運営上の必須インフラと言えます。

これから軽貨物事業に参入しようとする経営者の皆さまには、初期段階から「燃料コスト管理」への意識を高く持っていただくことを強くおすすめします。

ガソリンカード導入に関するご相談や、軽貨物事業立ち上げ支援も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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ご希望があれば、この記事をWord形式またはWeb記事形式で整形してお渡しすることも可能です。掲載媒体に合わせて調整いたしますので、お気軽にお申し付けください。

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川上絢一郎
専門家

川上絢一郎(軽貨物運送業)

ハウンドジャパン株式会社

総売上30億円の軽貨物運送会社が、独自に構築した「持たない経営」のノウハウ&人脈で、在庫・人材・コストを抑えて成功に導く。業界知識のない個人・新規参入の法人が続出し、各年商の2年目平均は1億円を達成。

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