コロナ以降の物流動向 軽貨物配送を活用するメリット
近年の物流データと経済状況から見る軽貨物事業の魅力
1. はじめに
2. 近年の物流市場の動向
3. 日本の求人倍率と人手不足問題
4. 経済状況と軽貨物ビジネスの関係
5. 軽貨物事業の市場規模と収益性
6. 軽貨物は宅配だけではない
7.まとめ
1. はじめに
近年、日本の物流業界は急速に変化し、特にEC(電子商取引)の拡大やコロナ禍を経て、配送の需要が飛躍的に伸びています。しかし、同時に深刻なドライバー不足や労働環境の問題も浮上しており、企業にとっては新たな物流戦略が求められています。そこで注目されているのが「軽貨物事業」です。
本コラムでは、物流データや日本の求人倍率、経済状況の観点から、軽貨物ビジネスの魅力と市場規模の可能性を解説します。
2. 近年の物流市場の動向
物流業界は、EC市場の拡大により、配送需要が年々増加しています。具体的なデータを見てみましょう。
国内EC市場規模(経済産業省「電子商取引に関する市場調査」より)2022年の国内BtoC EC市場規模は約22兆円に達し、年々成長を続けている。
これに伴い、ラストワンマイル配送(最終消費者への配送)需要も急増。
宅配便取扱個数の推移国土交通省「貨物輸送の現状」より)
2015年:約38億個 → 2022年:約50億個(約30%増加)
これは年々増加しており、大手宅配業者だけでは対応が難しくなっている。
このような背景から、個人や中小企業でも軽貨物事業を展開するチャンスが増えている**のです。
3. 日本の求人倍率と人手不足問題
日本全体で労働人口が減少する中、物流業界では深刻な人手不足が問題となっています。
全体の有効求人倍率(厚生労働省「職業安定業務統計」より)
- 2023年の平均有効求人倍率は 1.2倍(求職者1人に対して1.2件の求人がある)
運輸・物流業界の求人倍率
物流業界の有効求人倍率は3.0倍以上(特にドライバー職が深刻な人手不足)
企業が配送の自社化を進めることで、ドライバーを確保しやすくなるメリットがある。
軽貨物事業は、この求人市場のギャップを活用し、効率的にドライバーを確保しながらビジネスを展開できる点が強みです。
4. 経済状況と軽貨物ビジネスの関係
日本経済の状況と物流業界の動向を照らし合わせると、軽貨物事業が適している理由が見えてきます。
インフレの影響
物価上昇により、消費者の購買行動は「店舗型」から「オンライン購入」へシフト。
結果としてEC市場の拡大が進み、配送需要がさらに高まる。
大手宅配業者の値上げ
近年、大手宅配業者の送料が上昇。
中小企業が直接軽貨物事業を行うことで、配送コストを抑えるメリットがある。
このように、経済の変化に対応しながら収益を確保できるのが軽貨物事業の魅力**なのです。
5. 軽貨物事業の市場規模と収益性
では、軽貨物事業の市場規模と収益性について具体的に見てみましょう。
市場規模の成長
軽貨物配送の市場規模は 2025年には約7兆円規模になると予測されている。
企業の配送ニーズが高まり、中小企業でも参入しやすいビジネスモデル。
収益性の高さ
1台の軽貨物車両で、月間売上 50万~80万円が見込める。
複数台運用や、EC配送の委託契約を組めば売上100万円超えも可能。
固定費が低く、利益率が高いため、小規模事業者でも成功しやすい。
これらの点から、軽貨物事業は市場規模が拡大しており、売上を立てやすい環境が整っていることが分かります。
6. 軽貨物は宅配だけではない
軽貨物事業は、宅配だけに限らず多様な用途で活用されています。
企業間配送(BtoB配送)**:店舗間の商品移動、医薬品・部品配送など。
フードデリバリー飲食店や食品メーカーが利用する専門配送。
市場・食材・医薬品、自動車部品など多岐にわたる企業の配送部門の業務委託
引越し・小規模輸送**:個人・法人のミニ引越しサービス。
これらの分野では、大手宅配業者が対応しにくい細かいニーズに対応できるため、軽貨物事業の成長が期待されています。
7. まとめ
本コラムでは、近年の物流データ、日本の求人倍率、経済状況を踏まえながら、軽貨物事業の魅力について解説しました。
EC市場の拡大により配送ニーズが急増
求人倍率の高さから、軽貨物業界はドライバー不足でチャンスあり
インフレや大手宅配業者の値上げにより、独自の配送網を持つメリットが拡大
市場規模の成長が続いており、売上を立てやすい環境
このように、軽貨物事業は今後も成長が見込まれ、特に中小企業が新規事業として展開するのに最適なビジネスモデルと言えます。



