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目指すはチャレンジできる会社。失敗を恐れず挑戦を続けて、業界のイメージも変える!

橋梁の点検調査・補修補強工事のプロ

櫻岡賢拓

櫻岡賢拓 さくらおかたかひろ
櫻岡賢拓 さくらおかたかひろ

#chapter1

自社でオリジナル製品を開発するほか、ドローンやAIを使った橋梁点検プロジェクトもスタート

 普段、何気なく使っている「橋」ですが、安全に渡るためには保守・管理が必要です。

 「弊社は、橋梁の点検・調査から補修・補強工事までの作業を一貫して行っています。近年は、橋梁に限らず、トンネルなどのコンクリート構造物にも対応しています」

 そう話すのは、「オリテック21」代表取締役の櫻岡賢拓さんです。橋にひび割れなどがないかを確認し、不具合があれば適宜メンテナンスを実施。さらには、太陽光を生かして建物の表面を浄化する光触媒の提案・施工といった環境コンサルティング、断熱塗料の営業代理店業務など10の事業を展開しています。

 また、新しい技術の開発・導入にも積極的です。例えば、舗装面から透水した雨水・融雪水などの滞留水を排水する橋梁用排水パイプ「鋳心管」は、同社のオリジナル製品で、2017年にNETIS(新技術情報提供システム)に登録。ドローンとAI(人工知能)を活用した橋梁点検プロジェクト「NoBSI(ノブシ)」のメンバーとして、作業の省力化と非破壊検査の実現に向けて邁進しています。

 「橋梁点検車等を使用し、橋の下にデッキを降ろして人の目でひび割れがないかチェックしていきます。近接目視が難しい場合には、ドローンを操縦し、隠れた問題点を明らかにしていきます」

 従来の建機と現代的なテクノロジーを併用する櫻岡さん。その実用性はまだ芳しくないともいいますが、見据えているのは未来です。
 「企業の利益からみると成功ではないかもしれません。ですが、これから業界に来る若い人たちに、面白い会社と興味を持ってほしいんです」

#chapter2

「運がいい」その言葉に込められた自分への自信とポジティブシンキング

 明るい笑顔で将来を語る櫻岡さんですが、過去には厳しい時期もあったそうです。

 「実家の建設業が経営難で、事業を閉じてしまいました。その時、いろんな方に心配をしていただき、人とのお付き合いが大切だと身にしみました」

 この経験を経て櫻岡さんの意識も変化。「廃業よりも苦しいことはない」と、何事にもポジティブに取り組めるようになったと言います。

 人のあたたかさに触れ、励まされた櫻岡さんの心には、大手電機メーカー、パナソニックの創始者・松下幸之助さんの著書「人事万華鏡:私の人の見方・育て方」に書かれたあるエピソードが深く刻まれています。

 「松下幸之助さんは、面接で『あなたは運がいいですか?』と質問して、『運が悪いです』と答えた人は、どんなに能力があっても不採用にしていました。運がいいと答える人は前向きで成長できるからだそうです。何か悪いことが起きても、『次回の礎』と肯定的に捉えることができるということでしょう。家業が倒産した時、たくさんの人に声をかけてもらって、『自分は運がいいのだ』と思えるようになりました。運がいい人である私だから、常に可能性を見いだしていきたいのです」

 逆境に負けず前に進む櫻岡さんのもとには、向上心があり能力の高い人が自然と集まるそうです。
 「人と人とのつながりがあって今の自分があります。自分ができるというよりは、周りにできる人がいてくれるというのが自分の強み。支えてくれる人たちとの縁を大事にしていきたいですね」

櫻岡賢拓 さくらおかたかひろ

#chapter3

社会を支えるやりがいのある仕事。次の世代にその魅力を伝えていきたい

 櫻岡さんは事業の拡充とともに、地域の活性化にも力を入れていきたいと熱を込めます。
 「今後も、岩手県ではまだ導入されていない工法などを、どんどん取り入れていきたいですね。時代の流れに乗れるよう業界の情報を随時キャッチし、橋梁やインフラの工事にどう生かしていくのかを考え、現場に適切に反映していくつもりです。私どもの事業を通じて、協力してくれる業者さんを元気にし、まちの発展に貢献していくことが目標です」

 会社のプロジェクトとして手掛けた「鋳心管」には、岩手県産の南部鉄器に使用されている鋳鉄が使われています。鋳鉄を選定したのは、さびに強く、耐久性に優れた性質に加えて、地元の名産のPRも兼ねてのことでした。

 さらに櫻岡さんは、人材の確保にも尽力しています。「インフラ整備という仕事の魅力を、若い世代に伝えていきたい。この業界が社会を支える大切な役割を担い、やりがいをもって働けることを知ってもらい、きつい、危険といった3Kのイメージを変えていきたいと思っています」

 バーベキューなどの社内イベントを開催する一方で、2次会などは行わずプライベートもしっかり確保。「話しかけてもらえるのがうれしい」と笑顔を見せる櫻岡さんは、和気あいあいとした雰囲気で、若手もベテランも立場に関係なく自由に意見が言える企業風土を目指しています。

 「挑戦することを忘れては成長を続けることはできません。のびのびとチャレンジできる会社だとアピールしていきたいですね」

(取材年月:2021年11月)

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櫻岡賢拓

橋梁の点検調査・補修補強工事のプロ

櫻岡賢拓プロ

インフラマネジメント事業

株式会社オリテック21

橋梁の点検・調査から補修・補強工事までを一貫して自社で対応。点検にドローンとAIを利用したプロジェクトを立ち上げるなど、周囲を巻き込んで新しい技術への挑戦を続け、地域の活性化にも一役買っています。

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