色や模様で建物の表情を整えるコンクリート仕上げ工事のプロ
山本剛
Mybestpro Interview
色や模様で建物の表情を整えるコンクリート仕上げ工事のプロ
山本剛
#chapter1
「シンプルでありながらも重厚感のある、美しい内外装をかなえます」と話すのは、「孟山」の代表・山本剛さん。コンクリートの化粧仕上げの補修を専門に手掛け、金沢市を拠点に北陸3県で、記念館や図書館といった公共施設や個人の邸宅などを請け負っています。
「コンクリートを流し込んで固める型枠をばらした際、表面に生じる気泡の穴や欠けをふさぎ、色ムラを補正して建物の美観を向上させ、表面を保護して耐久性を高めることができます。事業者やオーナーさまの要望や意図をくみ取りながら、手間暇を惜しまず、細部まで妥協せず手を施すことを大切にしています」
山本さんは、壁や床をコテで塗り上げる左官工事の会社で経験を積み、化粧補修のキャリアも20年以上。施工にあたってはセメントを現場で調合し、建物の素地に合わせて調色しています。
「無機質な素材感を生かす打ち放しでは、特に色合わせが重要です。既存の色調や質感、経年変化を考慮して、自然な同化を目指しています」
木目をあしらい、柔らかい風合いを醸し出す杉板型枠仕上げ、ストライプ状の凹凸を形成し、太陽光や照明で立体的な陰影を描くリブ・溝付き仕上げ、滑らかでシャープな雰囲気の平滑面仕上げなど、多様な表情を演出。コンクリートならではの魅力を引き出しています。
「温度差によってムラやくすみが出るなど、何十年たっても難しさを感じています。一つとして同じ建物や条件はなく、自ら手で丹精込めて作り上げるからこそ、完成したときの達成感はひとしお。お客さまに喜んでいただくと報われた気持ちになります」
#chapter2
1953年に、羽咋郡宝達志水町で生まれ金沢で育った山本さん。さまざまな仕事を経験した後、31歳で地元の左官工事会社へ入社。現場スタッフとして一から技能を身につけます。
「異業種へ転身したので、妻からは『続けられるの?』とよく聞かれました。周囲の心配も吹き飛ばすくらい、新しい発見ばかりで毎日が楽しかったですね」
山本さんが現職に出会ったのは40代後半。ある大学の工事現場で、職人の巧みな手さばきに目を奪われたと言います。
「打設したコンクリートに色つやを出すなど、息吹をもたらす様子を見て驚きました。折しも化粧補修の需要が増えていた時期で、私もすぐに勉強して実践するようになりました」
以来、10年以上にわたって腕を磨いた山本さん。2013年、60歳の節目に独立を果たしました。
「勤務先の定年は65歳でしたから、ありがたいことに『もう少し居たら?』と引き止めていただきました。かねてより自分の裁量でやってみたいと考えていたので、人生においてもいいタイミングだと感じ、心機一転スタートを切ることにしました」
独立に際し掲げた屋号の「孟山」とは、「山の頂き」の意味。仕上げ工事の世界で一番になりたいという心意気を表しています。在職中から設計事務所や建設会社との人脈づくりに努めたことが功を奏し、現在は年間でほとんど空きがないくらいの依頼が舞い込みます。
「一人で活動するのは不安もありましたが、培ってきた技術を必要としてくださる方がいてうれしい限りです。皆さまの期待に応えたいと励みになります」
#chapter3
「北陸地方は雪や雨が多く、湿度も高いため、地域特有の気候を理解した上で施工・メンテナンスする必要があります。当方では、乾燥による収縮や、水分が凍結・膨張することで亀裂が入ったり、湿気でカビが発生したりしないよう、材料の配合や養生期間を細やかに調整しています」
ひび割れや白い粉が浮き出ている場合は劣化が進んでいるサイン。定期点検を実施して傷んだ箇所を修繕するなど、アフターフォローも充実させています。
山本さんと一緒に現場をこなすのは、手作業が好きで化粧仕上げに携わりたいと強い意志を持って飛び込んできた若手スタッフ。覚えが早く、活躍の場を広げているそうです。
「今後は人員の拡充も視野に入れ、芸術性を追求した案件にも取り組んでいきたいと考えています。試してみたいことが多々あり、お客さまにご満足いただける価値を提供するためにも果敢にチャレンジしていくつもりです」
丁寧な仕事で外観や空間を整え、人々の暮らしに寄り添う山本さんにとって、地域貢献も目標の一つ。2024年の能登半島地震で大きな被害を受けた石川県内では、被災した建造物などの修復工事が続き、ものづくりの一翼を担う者として力になりたいと語ります。
「昨今は災害が頻発しています。皆さまの大事な財産を守るとともに、住み慣れたわが家や多くの人が利用する施設をお手入れして日常を取り戻し、心豊かな街づくりをお手伝いすることで復興の一助になればと願っています」
(取材年月:2026年8月)
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色や模様で建物の表情を整えるコンクリート仕上げ工事のプロ
山本剛プロ
仕上げ工事業
孟山
コンクリートの表面の補修のほか、色や模様を加えて建物の表情を整える化粧仕上げ工事を手掛ける。20年以上の経験を生かし、設計事務所やオーナーの要望をくみ取りながら施工に反映します。
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