東西融合医学で「健康招福」をサポートする漢方のプロ伊藤宏樹

東西融合医学で「健康招福」をサポートする漢方のプロ

伊藤宏樹

オーダーメイドの漢方を処方

石川県白山市で漢方専門相談薬局「福の樹薬局」を営んでいる伊藤宏樹さんは、漢方のプロ。奥さまの綾子さんと二人三脚で健康と笑顔をサポートしています。ウッディーな店内は、まるでカフェのような温かい雰囲気。大きなガラスの向こうにある調剤室には、生薬がずらりと並んでいました。

お二人は、北陸大学薬学部の同級生で、東洋医薬学教室に所属。卒業後はそろって調剤薬局に就職しました。しかし、次第に漢方への思いが高まっていったそうです。伊藤さんは決心して、最大手の漢方薬局に転職。店長、副店長を経験し、臨床経験も積みました。

その後、人生のパートナーになった綾子さんと一緒に、念願の漢方専門相談薬局を開局。暑い日は木陰をつくり、風雨のときは宿り木としてお客さまに役に立ちたいという願いから「福の樹薬局」と名付けたのです。

伊藤さんも綾子さんも漢方薬・生薬認定薬剤師。また、福の樹薬局では、薬局製造許可を得た薬剤師だから作ることができる薬局製剤を調剤できます。

お客さまにはまず、じっくりカウンセリングから。その後、症状や体質、生活背景を伺った上で漢方を選定。120種類以上の生薬を組み合わせ、200処方以上の漢方薬を作ることが可能だそうで、一人ひとりに合ったオーダーメイドの漢方薬を処方しています。

例えば、ダイエットの相談であれば、普段の様子から話しを聞き、生活習慣の見直しもアドバイス。そして、便秘を解消すれば良いのか、代謝を高めることが必要なのか、ストレスが原因なのかといった原因を見極めます。同じ悩みでも、お客さまによって漢方の調合は違ってくるわけです。

難病の人こそ漢方薬を試してほしい

伊藤さんは、「難病の方にこそ漢方薬の良さと役割を知ってほしい」と強調します。

例えば、膠原病（全身性エリテマトーデス・強皮症など）クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、脂漏性湿疹といった病気で悩み、通院していてもなかなか良くならないという人に、「漢方薬なら症状を改善するだけでなく、併用することで副作用を軽減したり、減薬できる余地があります。独りで悩みを抱え込まずに、ぜひ相談してほしい」と呼び掛けます。

「漢方は、症状を抑え込むという発想ではありません。根本から改善して、体を正常化しようという考え方なのです」。漢方薬を服用しながら、自律神経やホルモン、免疫力の乱れを整え、自然治癒力を高めていく。そうすることによって、難病であっても治癒していけると語ってくれました。

伊藤さんは、効果を最大限に引き出す飲み方にもこだわっています。私たちが漢方を服用するイメージは、顆粒や錠剤の薬を飲む…といった感じではないでしょうか。しかし、「煎じ薬が最も効くんですよ」とにっこり。「豆の挽き立てコーヒーは香りも味も最高ですよね。それと同じなんです！」と伊藤さん。

そこで、福の樹薬局では、北陸で初めて漢方薬煎じ抽出自動包装機を導入。この機械を使うことによって、抽出した煎じ薬をフレッシュなままアルミパックに閉じ込めてお渡し。「毎日煎じる手間を省き、最高の効き目が期待できます」と大プッシュです。

煎じ薬でなかったとしても、漢方薬の味と香りにこだわる伊藤さんは、「味や香りにも薬能がある」と話し、煎じ薬になるべく近い漢方エキス剤を提供しています。

女性の悩みは薬剤師の奥様にお任せ

福の樹薬局は、奥さまの綾子さんと一緒に運営していることも強み。生理不順、便秘、冷え性、ダイエット、しみ、不妊症といった女性ならではの悩みについて気軽に相談できると評判です。三児の母でもあるため、子どもの健康についても熱心に対応。薬局の安心感を支えています。

仲むつまじいお二人の元には、漢方の効果を実感したお客さまから嬉しい声が続々届いているそう。三年間、体調不良と不眠症で悩んでいた女性が風邪も引かない健康体になった例や、ずっと頭痛に悩んでいた男性が薬も持ち歩かなくなった例、待望の赤ちゃんを授かったご夫婦などさまざま。

いずれも、「もっと早く漢方を試していれば良かった」と口を揃えるそうですが、みなさんそれぞれに「健康招福」を実現しているのです。伊藤さんも綾子さんも、お客さまの笑顔が戻った瞬間に、かけがえのないやりがいを感じると言います。

福の樹薬局では、能登ヒバエキスと奥能登珠洲産木酢液をブレンドした「天木森（てんこもり）」といった入浴剤も取り扱っていますが、今後はそういった、地域に根ざした商品にもこだわっていきたいと意気込む伊藤さん。「産官学が連携した白山ブランドの漢方生薬ができたら最高ですね」と語ってくれました。

（取材年月：2012年12月）

漢方薬で健康と笑顔をサポート

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難病の人こそ漢方薬を試してほしい

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