屈指の経験と技術を持つクロック修理のプロ吉田勝彦

屈指の経験と技術を持つクロック修理のプロ

吉田勝彦

諦めていたクロックが見事に復活。クロック修理の第一人者が高度なサービスを提供

　古い洋館のホールでひときわ存在感を放つホールクロック（縦長の大時計）、先祖から受け継いだ歴史ある置き時計など、クロックは昔も今も人の心を魅了しつづけています。
時計の針がカチコチと時を刻み、ユニークな時報音で時を告げるクロック（Clock）は、目で時間を知るためのウォッチ（watch）とはニーズも仕組みも大きく異なります。ボーンボーンと鳴る低音の時報音や美しいチャイム音、一定の時刻になると動き出す人形や鳩、優雅に揺れ続ける振り子など、独創性と繊細さを兼ね備えたクロックにロマンを感じる人も少なくないでしょう。

　時計修理アトリエ吉田の代表を務める吉田勝彦さんは、クロック修理の第一人者。「どの店でも修理できなかった」というようなクロックも、見事な腕前で完全に復活させます。

　吉田さんは現在までに3000個以上のクロック修理を経験。何世紀も前に作られたアンティーク、時計職人の遊び心が伝わるからくり時計など、多種多様のクロックと真摯に向き合ってきました。クロックの流通が減少し、修理技能士の数も少なくなった今、吉田さんと同等の技術を持つクロックの修理技能士は数えるほどしかいません。

「クロックを壊れたまま使用していると、不具合が深刻化していずれは動かなくなってしまいます。また、修理に出しても完全に直せず、故障したままのものを我慢して使っている人も多いですね。クロックを本当に直したい人は、しっかりとした経験と技術を持つ修理技能士に依頼しなくてはなりません」と吉田さん。

　時計修理アトリエ吉田では、大切な時計をきちんと修理したい方や購入店が閉店してしまい、どこに修理を依頼すればよいのかわからない方など、さまざまな依頼に応えるきめ細やかなサービスを提供しています。「もう動かない」と諦めていた時計も、吉田さんの技術で再び息を吹き返し、優雅に時を刻み始めるかも知れません。

複雑なからくりを解き明かす天性の勘と豊富な経験で、クロック修理の達人に

　バイオテクノロジーの道に進むために東京の大学院で農学を学んだ吉田さん。「時計修理の道に入ったのは、学生結婚をしたために大学院終了後にすぐに収入を得なくてはならなかったからなんです」と笑います。

　しかし、老舗百貨店の時計修理会社で働き始めた吉田さんがクロックの魅力にのめり込むのに、それほど時間はかかりませんでした。吉田さんが修理技能士を極めようと心に決めたのは時計修理を始めて3年目のころ。江戸時代に作られた非常に貴重な和時計を当時の師匠とともに修理する機会が訪れました。

「その仕事をやり遂げたとき、『この時計は僕と吉田君のところに来て幸せだったね』といってくれた師匠の言葉がうれしくて。素晴らしいクロックを修理できたことで、この仕事への深い縁を感じました」

　クロックの流通量が減少している今、時計修理士として一人前になるには、経験と腕に加えて、よい仕事に巡り合うという“縁”も大切なのかも知れません。

　その後、吉田さんはクロック修理を一手に引き受けて経験を重ね、一流の修理人として知られるように。5年前に地元の西宮で独立してからは、百貨店を通した依頼の他、個人からの修理依頼にも積極的に応じています。

「クロック修理には謎解きのようなところがあり、まず時計の構造を知り、どこが悪いのかを突き止めなくてはなりません。私は考えたり、原因を究明したりすることが好きな性分。夢に出るほど時計のことを考え続けて、やっと原因がわかったときの嬉しさは言葉には表せません。クロックの修理技能士はまさに私の天職のように感じます」
そう語る吉田さんからは、クロック修理人としての情熱と誇り、そして時計を愛する心が伝わってきます。

大切なクロックが再び時と音を奏でる感動と喜びを皆さまとともに味わいたい

　吉田さんのアトリエにはホールクロックや置き時計、チャイム時計やアトモスなどの珍しい時計があちらこちらで時を刻んでいます。クロック修理にかかる期間はだいたい2～3か月。複雑な構造のものや古く傷んだ時計の場合はさらに時間がかかる場合もあるそうです。修理を手掛けるのは、個人宅や会社で愛用されている置き時計から、大ホールや有名ビルのリビングに備えられた超大型の時計まで実にさまざま。

「クロックの価値は購入価格で決まるものではありません。人の思いがクロックの価値を決めるのです。私の技術で、本当に時計を直したい人のお役に立つことができればうれしいです」と吉田さん。

　クロック修理技能士の腕の違いは一般の人には分かりづらいのが事実。クロックの時計機能を修理することはできても、細部やからくり部分まで十分に修理できるプロは残念ながら多くはありません。
思い出が詰まった大切なクロックを「どこに行っても直せない」と諦める前に、確かな経験と腕を持つクロック専門の修理技能士にぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。

（取材年月：2019年12月）

クロック修理は天職。技術・経験・知識を駆使してあらゆるクロックを蘇らせる

諦めていたクロックが見事に復活。クロック修理の第一人者が高度なサービスを提供

複雑なからくりを解き明かす天性の勘と豊富な経験で、クロック修理の達人に

大切なクロックが再び時と音を奏でる感動と喜びを皆さまとともに味わいたい

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