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子どもの笑顔がつながり広がる社会を目指し、児童福祉サービスに尽力

子どもの笑顔を引き出す児童福祉のプロ

森康平

森康平 もりこうへい

#chapter1

遊びを通して社会性を育む放課後等デイサービスと児童発達支援を展開

 兵庫県の尼崎、伊丹、宝塚で福祉事業を展開する「ホーネスト」の森康平さん。放課後等デイサービス・児童発達支援「すまいるりんく」の統括管理責任者を務めています。

 発達障害や軽度の知的障害がある小学生から高校生を迎え入れる放課後等デイサービスでは、遊びを通して社会性を育むことに力を入れています。

 「宿題を終えると、それぞれが好きな遊びをして過ごします。交通量が少なく自然豊かな環境にあるため、みんなで公園や河川敷を散策することもあります。さまざまな活動の中で同世代の子や大人と関係性を築く経験を積み、中学生になる頃には、学校の友達と一緒に出掛けられるようになることを目指しています」

 施設では、子ども2人に対し職員が1人付く手厚いフォロー体制を整えているのも特長だとか。
 「当方には、専門職をはじめ、幅広い年代、多様なバックグラウンドを持つ職員が在籍しております。大学生の指導員が年の近い子どもの話し相手になったり、子育て中の指導員が保護者の方の相談に乗ったり、細やかに寄り添います」

 森さんは、地域の子どもから「放課後等デイサービス」ではなく、「すまいるりんく」として認識してもらえるよう働き掛けていると話します。
 「施設に通っているという理由で、学校でいじめの対象になることがあり、『デイサービスに行く』と言えなくなってしまうんですよね。学校へ迎えに行く時は、他の児童、生徒らと同じ目線に立ちオープンに接することを心掛けていて、最近では『俺もすまいるりんくに行きたい』と親しみを感じてくれる子も出てきました」

#chapter2

児童福祉に興味を持ち福祉の道へ、「すまいるりんく」を開設

 大学卒業後、パイロット候補生として航空会社に入社した森さん。ところがコロナ禍の影響で、半年もたたず地方子会社への出向が決まります。先行きが不透明な状況から、グループホームを経営する父の助言を受け福祉の道に入ります。
 「転職後はグループホームの利用者さまや関係者の方々の声に耳を傾け、ニーズをくみ取り運営に生かすよう努めました」

 関係者らと対話を重ね地道に行動した結果、それまで空きのあった3施設が全て満員に。その後も利用者の家族らとこまめに連絡を取り合うなど、信頼関係の構築に注力しました。

 「ある時、短期入所で高校生の子が来たんです。子どもが好きだったこともあり、児童福祉に興味を持ち、いろいろ調べる中で、自分が暮らす地域の児童虐待件数が多いことを知りました。子どもたちの居場所を作りたいと父に協力を仰ぎ、2021年9月、尼崎市で『すまいるりんく』を立ち上げました」

 2022年6月には、第2教室を開設。保護者からは「ここに通うようになって、家でも親の話をしっかり聞くようになった」「落ち着いていすに座り、宿題ができるようになった」といった声が寄せられるそう。

 「何か特別なことをしているわけではなく、日々の積み重ねの結果だと思います。例えば、なかなか宿題に取り掛かれない子には、『まずは鉛筆を持とう』など、小さな行動を繰り返し伝えます。私どもは療育・教育・育児を区別することなく、全てが重なり合いつながるイメージを大切に、子どもたちの成長を後押ししています」

#chapter3

保護者に向けた障害児・特定相談支援も実施するほか、施設見学にも対応

 「ご家庭でも学校でも当施設でも、子どもたちが心身ともに健やかに普段通りの生活を送れることが一番うれしいですし、その状態を維持できることにやりがいを感じています」と森さん。ささいな変化も見逃さないよう、声を掛けながら子どもたちの様子を見守っています。

 また森さんらは、未就学児を対象にした児童発達支援や、子育てに悩む保護者と行政のサービスとの橋渡しを行う障害児・特定相談支援も展開。障害福祉に特化してきましたが、今後は待機児童問題の解消に向け、保育園の開設も視野に入れています。さらに、教育現場のサポートも手掛けていきたいと意欲を見せます。

 「学習面でつまずきや難しさがある子どもたちには個別のケアが求められますが、学校の先生は40人もの子どもを受け持ち、勉強を教えていかなければなりません。戸惑いや不安を抱えている子どもたちの側にいて補助する役割が必要で、対策は急務だと思っています。私どもが学校に出向くなど、何かしら現場の負担を緩和し、子どもが安心して授業に参加できるような取り組みを検討しています」

 発達障害の症状や困りごとは一人一人異なりますが、周囲の理解と適切な配慮、個々に合わせた対応で、日常の中で生じる困難を軽減することができると言われています。
 「発達の特性とうまく付き合いながら、毎日を楽しく明るい笑顔で過ごすお手伝いができればと考えています。気になることがある方は、お気軽に見学にお越しください」

(取材年月:2023年5月)

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森康平

子どもの笑顔を引き出す児童福祉のプロ

森康平プロ

放課後等デイサービス運営

ホーネスト株式会社

遊びを通して社会性を育む放課後等デイサービスと児童発達支援を展開。幅広い年代や多様なバックグラウンドを持つ職員が在籍し、子ども2人に対し職員が1人付く手厚いフォロー体制を整えている。

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